音楽ナタリー PowerPush - Royz

ここが新たなスタート地点

栄枯盛衰ヴィジュアル系

──ビジュアルに関しては最初からテーマがあったんですか?

公大 うーん……。最初は衣装も全然統一されてなくて、ホントにダメなバンドの典型でしたね。

智也 バンド内でコッテコテに派手なヤツもいれば、シンプルなヤツもいるっていう。当時はそれでも「バランスがいい」って思ってたんだけど(笑)。

公大(B)

公大 そうそう。でもライブを重ねていくうちに同じシーンのバンドを観る機会が増えて「俺ら、間違ってるかも」って気付いて(笑)。見た目に関しては、昴と杙凪が特にこだわってたんですよ。僕と智也はスケジュールやお金の管理、いわゆる裏方の仕事を主にしていたから(笑)。

 僕と杙凪はだいぶうるさく言ってましたね。アイラインの入れ方について話したり、「カラコンにしてよ」とか提案したり。

智也 僕と公大はメイクも下手でしたから。極端な話、メイクしたほうがブサイクに見えるっていうくらい(笑)。

公大 昴が「リズム隊の見た目がカッコよくないからバンドを抜ける」って言い出したこともあったね。

 そんなことがありましたねえ(笑)。でもその1件があってから、だいぶよくなってきたけどね(笑)。当時は「イケメンバンド=売れる」っていう時期だったと思うんです。Alice Nine、the GazettE、NIGHTMAREとかネオヴィジュアル系と言われるバンドがどんどん出てきたんですけど、僕としては「とりあえずホストっぽいイケメンだったら売れる」っていう考えがあって。

智也 特に活動の拠点だった大阪だとそういう感じでしたね。

──シーンのトレンドがはっきりしてたんですね。

 そうですね。同じ時期くらいに始めたほかのバンドは、どんどん解散してますけど……。あとですね、東京に来たばかりの頃に「渋谷が大変」というイベント(ヴィジュアル系バンドのイベント「SCUBER DIVE ~渋谷が大変~」)に出たんです。昨日そのときのパンフレットをひさしぶりに見てたら、(イベントに出演していた)30バンドのうち5つくらいしか今もやってるバンドが残ってなくて。

智也 え、ホンマ? ビックリやな。

──当たり前ですけど、シーンの中で勝ち残るのは簡単じゃないですよね。

 はい。ただ単に「あきらめなければチャンスはある」っていうわけでもないんですよね。年齢や金銭的なことも含めて戦っていかないといけないので。

一緒に風呂に入る仲

──厳しい状況の中、Royzがこうやって活動できているのはなぜだと思いますか?

 まずほかのバンドと比べて、圧倒的にメンバー同士の仲がいいんですよ。バンドの話をしてると、いつも驚かれるんですよね。「え、そんなに仲いいの?」って。

智也(Dr)

智也 それは言われるな。

 みんな思いやりがあるし、空気を読める人ばかりなんで(笑)。

公大 仲悪そうなバンドもいますけど、そういうのって自分はすごくイヤなんですよね。

智也 あとバンドに対する責任感も強いよな。

 うん。必要なワガママっていうのもあると思いますけど、まず最初にバンドとファンのことを考えているので。話し合っていく中で気まずくなることもあるけど、それも全部バンドのためですからね。

公大 だから仲のよさをアピールしてるわけでもないんですよ。

 そうそう。ツアー先のビジネスホテルで、メンバー全員でお風呂に入ったりするけど……。

──めっちゃ仲いいじゃないですか(笑)。

 BLか?って思われそうなくらい仲いいですね(笑)。あとメンバーが抜けるっていう大事件を乗り越えたのも大きいですね。今年のツアーもそうだったんですけど、前よりも仲がよくなったって感じる瞬間が多くて。ファンからも「前よりも仲がよさそう」ってメッセージをもらったりするから、ちゃんと伝わってるんだなって思います。

新たな始まりを予感させる新曲

──ニューシングル「THE BEGINNING」はダンスミュージックの要素を取り入れたアッパーチューンに仕上がっています。Royzにとって新しいテイストの楽曲と言えそうです。

公大 まずは僕が作ったデモをメンバーに聴いてもらって、「サビのあとにこういうフレーズを入れたほうがいい」とか「こうすればもっと盛り上がる」という意見をもらいながら作り直したんですよ。

智也 デモの段階ではイメージが湧かなかったというか、「どうなるんやろう?」って思っていて。でも、アレンジを固めて実際に演奏したら「絶対いける!」っていう確信に変わったんですよね。

 この前ライブで初披露したんですけど、みんなめっちゃアガってくれて。あとMV撮影ではファンにも参加してもらいました。

杙凪 Royzらしさもあるし、新しい部分もすごくあって。そのバランスが好きなんですよね。ダンスチューンの要素もうまく組み込まれていて、今までの枠を出ている感じもあるっていう。

 ちょっとヘンな曲だよね(笑)。飽きるのがイヤなんですよ、とにかく。お客さんは自分たち以上にRoyzの曲を聴いてるだろうし、なおさら飽きさせないようにしないと。

──「僕らはいつでも始められるんだ」という歌詞にも、現在のメンバーの心境が出てますね。

 今までは「音楽で人に何かを伝える」ということが何もわかってなかったと思うんです。でも、いろんな経験を通して、自分なりにわかってきたこともあって……。メンバーが抜けたときに感じたことは前作の「Supernova」でも歌ってるんですけど──本当にありのままの心情を書いたので──今回の「THE BEGINNING」もまったく同じで。「何か始めるのに遅すぎるということはない」ということをリアルに感じましたからね。

ニューシングル「THE BEGINNING」 / 2015年5月6日発売 / BP Records
初回限定盤A-Type [CD+DVD] 1944円 / BPRVD-168
初回限定盤B-Type [CD+DVD] 1944円 / BPRVD-169
通常盤C-Type [CD] 1620円 / BPRVD-170
通常盤D-Type [CD] 1620円 / BPRVD-171
初回限定盤A-Type、初回限定盤B-Type CD収録曲
  1. THE BEGINNING
  2. 0
初回限定盤A-Type DVD収録内容
  • 「THE BEGINNING」PV+オフショット
初回限定盤B-Type DVD収録内容
  • 「THE BEGINNING」マルチアングルPV
通常盤C-Type CD収録曲
  1. THE BEGINNING
  2. 0
  3. HEIL
  4. THE BEGINNING(instrumental)
  5. 0(instrumental)
  6. HEIL(instrumental)
通常盤D-Type CD収録曲
  1. THE BEGINNING
  2. 0
  3. umbrella.
  4. THE BEGINNING(instrumental)
  5. 0(instrumental)
  6. umbrella.(instrumental)
Royz(ロイズ)

昴(Vo)、杙凪(G)、公大(B)、智也(Dr)からなるネオヴィジュアル系バンド。2009年9月より活動を開始し、デジタルロックサウンド、切なさや愛を歌った歌詞、昴の透明感あふれる歌声を武器に着実に知名度を上げている。2010年1月にライブ会場限定シングル「星に願いを」を発表し、4月に初の自主企画「季節はずれの打上げ花火~Royzと一緒におバカさん~」を開催した。2011年4月にB.P.RECORDSに所属し、リリースのペースを落とさずにインストアイベント、ワンマンツアーなどで積極的に全国各地を回り続けている。2014年6月の東京・赤坂BLITZ公演をもってオリジナルメンバーの和稀(G)が脱退するも、翌7月からアジア公演を含むツアーを敢行。同年12月から2015年3月にかけて行ったツアー「Royz WINTER ONEMAN TOUR『N.E.S』」のファイナル、東京・Zepp DiverCity TOKYO公演で、5月6日に通算11枚目のシングル「THE BEGINNING」をリリースすることと、初の47都道府県ツアー「Royz 47都道府県 ONEMAN TOUR『The 47th Beginners』」を開催することを発表した。9月には大阪・なんばHatchでバンドの活動開始6周年を記念したワンマンライブ「6HEAVENS」を実施する。