ロイ-RöE-|“血まみれ”ドラマOPテーマで示した鋭い美意識

やっと楽しめるようになってきた

──ロイ-RöE-さんは「解釈は聴く人に委ねたい」と公言しているから、こうしてインタビューで根掘り葉掘り聞かれるのは苦手なんじゃないかとも思うんですが。

苦手ですね。裸を見られるみたいでめっちゃ恥ずかしくなる。

──恥ずかしいけどイヤではない?

……イヤです(笑)。だけん遠回りしながら答えます。全部言っちゃったら面白くないなと思って。想像もあったほうがいいじゃないですか。でもこうやってインタビューを受けていると、インタビュアーさんが見解を話してくれて楽しいですね。ちょっと違ったりしたら「あ、そういうのもできるやん」と思ったりするし。「こういう仕事しよったらこういう観点になるんや」とか「男ってそうなんや」とか「この人、女やなあ」とか、ほくそ笑みながら聞いてます(笑)。

──ほくそ笑まれてる(笑)。ところで4月に2度目のワンマンライブがありましたよね(参照:ロイ-RoE-、2ndワンマンで22歳の誕生日迎える「もっともっと音楽と親密になれたら」)。最初のワンマンと比べてどうでしたか?

自分的にはすごく楽しくできましたね。「飛行*」ってタイトルを付けたんです。たまたま「飛行少女*」っていう曲ができて、最初のライブが「羽化」やったから「飛行」なら前回からのつながりや成長も表現できるな、と思って。今までは精一杯感があったんですけど、やっと楽しめるようになってきた感じです。アドレナリンが出て、帰ってから寝れんかった(笑)。

──楽しかった理由はなんだと思いますか?

前はちょっといい子ぶるというか、作ってしまう部分があったんですよ。悪い癖なんですけど、今回はそれなしにできた気がします。本番前に納豆巻きと長芋の醤油漬けを食べて栄養ドリンクを飲んだら、すごいテンション上がって、そのまま行けました。

──(笑)。ネバネバ食物のおかげ?

そうなんですよ。大事なことの前には好物を食べるのが大事やなと思いました。ライブの前に食べすぎたら胃がもたれるし……とか前は考えてたんですけど、リラックスしてできた、今回は。だいたい衣装がコルセットでギュッて詰めてるからきついんですよ。だから食べ物には迷うんです。「女らしい衣装がいい」って自分で言ったくせに、すぐ胃が痛くなるから(笑)。ロココ時代の衣装が好きなんですよ。キツくて倒れるのが美学みたいな。バカっぽいけど、真面目にバカやってるから好き。リハで締めすぎて息ができなくなったことがあって、あとで笑いました。マネージャーが「緩くしようか?」って言ってくれるのに、見栄張って「いや、もっとキツくしてください」とか言って、なんしょんやろって(笑)。

──中国の纏足なんかも好きかもしれないですね。

確かにああいうの一時期すごい調べよった。

──あと東南アジアの首長族とかも。

あれって男性にかわいく見られるためのものっていう説もありますよね。今は「男とか関係ないし」ってなってきとるから、いい方向に行ってるんですよね、きっと。性的対象としてじゃなくて、自分だけの美意識で、女やけど坊主頭にするとか。

「ロイ-RöE-」を構成するクリエイターたち

──ジャケット写真のことも少し伺いたいです。

エロいですよね。アー写も含めて、前作でも組んだコラージュアーティストのQ-TAさんにお願いしたんですけど、衣装だけ決めてノープランで撮影したんですよ。Q-TAさんがいきなりこのポーズしてみようって言い出して、頭に布を被せて。自分は見えんけん何がなんかわからんけど、「Q-TAさんが言うなら」みたいな感じで、いいのが仕上がりました。Q-TAさん変態だと思うんですけど(笑)、そういうとこが好きなんですよ。こんだけ肌出して、髪も切ったのに、全部隠す!?みたいな。

──ほかにもたくさん撮ったんでしょう?

そこらへんにある椅子を集めてきてばら撒いて「この上に座ろう」とか、カメラと顔の間に横から花を投げたり。なかなかうまくいかんけ、成功したらみんなで盛り上がったりして、すごい楽しかったです。あんまりカッチリ決めるより、その場の空気とか成り行きに任せるのもいいなと思いました。花もたまたま自分で見つけて「これ合うかもしれん」と思って持っていったものなんです。

──衣装もとてもかわいいです。

スタイリストの渡邊由貴さんが作ってくれました。背中にリボンがついてて、レースがかわいくて、最初見たとき「キャー!」ってなった。子供のとき背が高かったから、ズボン穿いたりスニーカー履いたりしてたんですけど、今はその反動で「女しか着れんもん着たい」っていうのが強いですね。

──ヘアスタイルも素敵ですね。

切ってもらったんですよ、撮影当日に。こんなゆるふわカールみたいなんは自分ではできないから、すごいなーって思います。クリエイターがみんな「ストロベリーナイト・サーガ」とロイ-RöE-をどうやってリンクさせるか、めっちゃ考えてくれてるんですよね。

──自分でもアイデアは出すわけだし、みんなロイ-RöE-というアーティストの構成要素になってくれているということですよ。

そうですね。がんばらなきゃ。私がちゃんとしてないとブレますから。「ストロベリーナイト・サーガ」で言ったら、主任の姫川がブレたらみんなバラバラになるじゃないですか。そういうところも自分とリンクしますね。

ロイ-RöE-