音楽ナタリー Power Push - go!go!vanillas×ヤバイTシャツ屋さん

ビクターロック祭り」開催記念

バニラズ×ヤバTフロントマン対談 ダイノジ大谷がその魅力に接近

牧達弥(go!go!vanillas)

こやま(ヤバイTシャツ屋さん)

大谷ノブ彦(ダイノジ)

自分たちが楽しいって大事

──2人は憧れのバンドとかいるの?

左から牧達弥(go!go!vanillas)、こやま(ヤバイTシャツ屋さん)。

 僕、ビクターのバンドが大好きなんですよね。くるり、THE BAWDIES、サカナクション……それぞれライブのスタイルが個性的だし、心に響く音楽を作ってる。でも、そのどれとも違うバンドを目指したいです。

こやま 僕はORANGE RANGEですね。中学生のときにすごく流行ってて、彼らの影響をすごく受けてる気がします。あの悪ふざけ感とか、ポップなサウンドとか。

 わかる! 衝撃的だったもんね「上海ハニー」とか。バカっぽいところも含めて、あのカッコよさに憧れちゃうんだよね、特に中高生だと。

こやま そうなんです。最近だと「SUSHI食べたい feat.ソイソース」っていうシュールな曲があって。昔からそういうところが変わってなくてすごいなあと。ちなみに僕ら「ネコ飼いたい」っていう曲があるんですよ。「SUSHI食べたい」がリリースされたとき、ORANGE RANGEとシンクロしたみたいでうれしかったです。

──ははは(笑)。ところで今の音楽シーンについてはどう感じてる?

 自由だし楽しい印象ですね。フェスでは自分たちとは違うジャンルの人たちがたくさん出てて刺激になるし、同じ世代でもジャンルの枠を超えて面白いことをやってる人が多い。バンドはこうじゃないとダメ、みたいな既成概念もなくなってると思うんですよ。だからこそ自分たちがカッコいいって思うものを取り入れて、常に進化していかなきゃいけない気がするんですよね。

左から大谷ノブ彦(ダイノジ)、牧達弥(go!go!vanillas))。

こやま うんうん。

 俺らの場合は、戦略的に動くというよりは、感情のままに音をバーン!と鳴らして、音楽の楽しさを伝えられたらと思ってます。あとは、自分たちも楽しみながら音楽を届けていくことも大事だね。

こやま ほんと楽しいって大事ですよね。いろいろ考えすぎて、ぶつかり合って仲が悪くなるバンドもいますもんね。せっかくバンドやってんのに全然楽しくなさそうなのもいるし。僕らはレコーディングとかリハをケラケラケラケラ笑いながらやってて、その雰囲気がライブにも出てるから、お客さんも笑ってくれるのかなって思うんです。

 いや、そういう空気って大事だよ。

──バンドの仲のよさとか、キャッキャしてる感じってサウンドとかライブにも出るんですよね。ステージに立ってる人がピリピリしてると、お客もピリピリしちゃって。その緊張感がいいときもあるんだけど、俺は大地(洋輔)とキャッキャやってるときのほうが仕事増えるんですよね。

 そうなんですね。普段から仲いいってけっこう重要ですね。

夢は武道館、紅白

──それぞれバンドとしての目標はあるの?

 ベタですけどやっぱり日本武道館でのワンマンライブですね。

──この勢いなら行けるんじゃない? 何か思い入れがあるの?

 なんか武道館でのライブって感動するんですよ。映像で観ても。この前フラワーカンパニーズの武道館公演を観に行ったんですけど、何か特別な演出があるわけではないのに、そこに至るまでのストーリーが見えるんですよね。フラカンだったら機材車で長い距離を走り回りながらツアーをして、いろんな苦労を経て武道館にたどり着いたこととか。バンドの素や歴史が見える場所だと思います。

──なるほど。ヤバTの夢は?

こやま(ヤバイTシャツ屋さん)

こやま 僕らはずっと言ってるんですけど、何かの形で紅白に出たいんですよ。ほぼあり得ないんですけど、あわよくばっていう(笑)。

 それは観たいなあ。

──ちなみに俺出たことあるんだよ。大地がエアギターで世界一取った年に、SMAPの後ろでパフォーマンスして。芸人の俺が出演できたんだから、可能性はあるよ!

こやま そうなったらいいなあ。例えば曲が「みんなのうた」とかに選ばれて、なんかの手違いで出られることになったり……。でも言霊ってありますからね。「出れんの!?サマソニ!?」にエントリーしたときも自信はなかったんですけど、ずっと「絶対サマソニ出る!」って言ってて。そしたら本当に出演できたんで、「紅白出たい」って言い続けたら叶うんじゃないかなって。

 そうかもね。go!go!vanillasは武道館以外にもう1つ夢があって。大分でフェスもやりたいんですよ。

──同じ大分出身者としてはぜひ叶えてほしいですね。その前に、バニラズとヤバTには来年の「ビクターロック祭り」でメインステージの「BARK STAGE」に出てほしい。それから早くビッグになって、僕らのことを無視してほしい(笑)。もうね、CDを持って挨拶しに来てくれた新人がブレイクして僕らのことを相手にしてくれなくなって、それをラジオで愚痴るときが一番うれしいのよ。

こやま あはははは(笑)。

──2組とも紅白に出たり、武道館でライブをしたり、「ミュージックステーション」に出演したりしてほしい。それができるポテンシャルを持ったバンドだと思うので期待してます。

女子=キャッチーの理論!?

──せっかくなので、最後にお互いに質問など。

 メンバーに女の子がいるのはどんな感じなんですか? バニラズは野郎だけなんで想像できなくて。

こやま 男だけのほうがラクかなとは思いますね。女の子がいるとやっぱり少し気を遣うところはあるかもしれませんね。

 じゃあ、なんで女性メンバーを入れたの?

こやま キャッチーだから!

 こやまくんの中では、女子=キャッチーなんだ(笑)。

こやま はい。見た目のバランスもあるんですけど、かわいい声を曲に入れたかったんですよね。自分の歌えへんキーの歌声を入れて、曲に変化をつけたかったし。僕も聞きたいことがあって、バニラズはメンバー同士の仲はいいんですか?

 いいと思いますよ。でも、ケンカはときどきしますね。

こやま どういう感じなんですか?

 お互いの不満が溜まりに溜まったタイミングで爆発するというか。ただ、本音を明かして、言いたいこと言ったらすぐ仲直りしますけどね。

こやま いい関係ですね。

 メンバーでも相手が女の子だとそうもいかなそうだよね。

こやま そうですね……。実は1回だけ泣かせてしまったことがあって。僕が「音めっちゃいいけど、ボーカルめっちゃ下手やな!」って軽い気持ちで言ったら泣いちゃって。でも、そのあと歌がうまくなったんですよ。だからダメなところを言うことも大事なのかなって。まあ、常にキャッキャしながら楽しくできるのが一番ですけどね。

 確かに。でも、言っても直らないことは個性の1つと思うことも大事かなって。うちのベースの(長谷川)プリティ(敬祐)なんて滑舌が全然よくならなくて、気にしすぎて逆にどんどん悪くなってる。だからもうこれは個性なんだなって受け入れることにした(笑)。

──そういうふうにメンバーの個性を受け入れていくのって、バンドを続けていく上で大事だよね。2組とも今年が勝負の年だと思いますが、来年も「ビクターロック祭り」で会えるのを楽しみにしてます!

こやま がんばります!

左から牧達弥(go!go!vanillas)、こやま(ヤバイTシャツ屋さん)、大谷ノブ彦(ダイノジ)。
「Eggs」
タワーレコード、NTTドコモ、レコチョクによるインディーズアーティストの音楽活動を支援するプロジェクト。ビクターエンタテインメント主催のロックフェス「ビクターロック祭り2016」では、ビクターと共催オーディション「『ワン!チャン!!』~ビクターロック祭りへの挑戦~」を実施。同オーディションではヤバイTシャツ屋さんがグランプリを獲得した。なお、Eggsでは今後も若手アーティストの総合的な支援と、「Eggsアプリ」(無料プレイヤー)を通して音楽ファンへの楽曲露出を行なっていく。
go!go!vanillas(ゴーゴーバニラズ)
go!go!vanillas

牧達弥(Vo, G)、長谷川プリティ敬祐(B)、ジェットセイヤ(Dr)、柳沢進太郎(G)による4人組バンド。どこかノスタルジックで心地よいメロディ、骨太なバンドサウンドを特長とする。2014年11月にビクターエンタテインメント内のレーベルGetting Betterからアルバム「Magic Number」でメジャーデビュー。2015年には「バイリンガール」「カウンターアクション」という2枚のシングルを発表し、2016年2月に2ndアルバム「Kameleon Lights」をリリースした。3月よりバンド史上最大規模となる全国ワンマンツアー「Kameleon Lights Tour 2016」を開催中。

go!go!vanillas「Kameleon Lights」
2016年2月10日発売 / Victor Entertainment
「Kameleon Lights」

初回限定盤 [CD+DVD]
3456円 / VIZL-919

Amazon.co.jp

通常盤 [CD]
2916円 / VICL-64500

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ヤバイTシャツ屋さん(ヤバイティーシャツヤサン)
ヤバイTシャツ屋さん

大阪府在住の男女ボーカルを擁する3人組バンド。ハイテンションな楽曲やトークを武器に、関西地区を中心に活動している。2015年夏に「SUMMER SONIC」出演権を賭けたオーディション企画「出れんの!?サマソニ!?」で大谷ノブ彦賞を受賞し、同フェスに出演。さらに同年11月に出場したコンテスト「eo Music Try 2015」でグランプリを、2016年2月には「ビクターロック祭り2016」への出演権を賭けたオーディション「ワン!チャン!!」でグランプリを獲得した。

大谷ノブ彦(オオタニノブヒコ)

1994年に大地洋輔とお笑いコンビ・ダイノジを結成。よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属。音楽や映画などのカルチャーに精通しており、近年はDJダイノジとして数多くの音楽イベントに出演している。池田貴史(レキシ)とともにフジテレビ「アフロの変」でMCを担当。ニッポン放送「大谷ノブ彦 キキマス!」、JFN系「SCHOOL NINE」でパーソナリティを務める。