音楽ナタリー Power Push - go!go!vanillas×ヤバイTシャツ屋さん
ビクターロック祭り」開催記念
バニラズ×ヤバTフロントマン対談 ダイノジ大谷がその魅力に接近
牧達弥(go!go!vanillas)
こやま(ヤバイTシャツ屋さん)
大谷ノブ彦(ダイノジ)
2月14日に千葉・幕張メッセ国際展示場9~11ホールで行われたビクターエンタテインメント主催のライブイベント「ビクターロック祭り2016」。今年で3回目の開催となった同イベントには、新人からベテランまで計16組のアーティストが出演し、大盛り上がりとなった。
今回音楽ナタリーでは、今年新設されたステージ「ROAR STAGE supported by Eggs」に出演し、入場規制がかかるほどの人気ぶりを見せたgo!go!vanillasと、オーディション「ワン!チャン!!」でグランプリを獲得し「ビクターロック祭り2016」出演を果たしたヤバイTシャツ屋さんのフロントマン2人の対談を企画。2組と同じく「ROAR STAGE」に登場したダイノジの大谷ノブ彦を聞き手に迎え、お互いの印象や目標などを語り合ってもらった。
取材 / 大谷ノブ彦(ダイノジ) 文 / 中野明子 撮影 / 後藤倫人
バニラズとヤバT、お互いの印象
──初めて「ビクターロック祭り」に出演してみてどうでしたか?
牧達弥(go!go!vanillas) 時間が経つにつれてお客さんが増えていって、途中であまりの人の多さに入場規制がかかって。ホントたくさん集まってくれてありがとうございます!っていう感じでした。あとくるりとかレキシとか、サカナクションとか、自分が好きなアーティストもたくさん出てて、その人たちと競演できて光栄でした。
こやま(ヤバイTシャツ屋さん) 僕らはビクター所属じゃないのに出させてもらって、なんかラッキーやなと(笑)。
──ヤバTのライブもたくさん人が集まってたし、「『ビクターロック祭り』でヤバTを観た」っていうことをあとで自慢できるような、インパクトのあるステージだったと思いますね。
こやま ありがとうございます。僕らにとって今までで一番大きいステージやったんですけど、お客さんもめっちゃ盛り上がってくれて。始まるまでは緊張しましたけど。
牧 大きいステージって緊張するよね。天井高いと圧倒されるし。
こやま そうなんです。
──ちなみにお2人は、お互いのバンドに対してどういう印象を持ってましたか?
こやま go!go!vanillasは、いちリスナーとして普段から聴いているバンドですね。ライブを観てただただ圧倒されました。
牧 ありがとうございます。僕らもヤバTの名前は知ってて。うちのジェットセイヤ(Dr)が、「こやまくんは見た目はKANA-BOONの古賀(隼斗)とキュウソの(ヤマサキ)セイヤさんを足した感じだよ」って言ってたんだけど、実際に会って「まさにやな!」と思った(笑)。見た目からですが、KANA-BOONもキュウソも仲いいんで、なんか妙に親近感が湧きましたね。
フロントマンの心得とは?
──バニラズにしてもヤバTにしても、どこかかわいいと思うんですよ。音やパフォーマンスはすごくエッジーなんだけど、とがりすぎてなくて、どこか隙もあってかわいらしさがある。そこが超いいし、2組の共通点なんじゃないかなと。
牧 愛嬌というか、かわいさって大切ですよね。
──かわいいは最強ですよ! 「かわいい」「楽しい」が大事ですよ、バンドは。で、そのあとに「カッコいい」。
こやま そうですね……自分らもかわいいと思います。
牧 こんな黒ずくめの格好で、かわいいって認めるんかい!
──ヤバTの場合は女性メンバーもいますからね。そこでかわいさが倍増してるかも。
こやま あははは(笑)。
牧 ヤバTってスリーピースなのがいいよね。バンドの最小限の要素がギュッと詰まってる感じがするというか。ライブを観てても、3人のバランスがいいしね。
こやま それが、ああ見えてうちはかなり独特で。2人とも年下だし、かなりフリーダムなんですよ。
牧 へー、そうなんだ。
こやま 僕が年上だからしっかりしなきゃって思ってますけど、よう続いてるなって(笑)。
──バニラズはメンバー間の年齢差っていうのは気になりますか?
牧 うちは(柳沢)進太郎だけ年下で、それ以外の3人は同い年なのであんまり年齢差がなくて。観てきたものとか聴いてきたものが同じなんで、やりやすいと思いますね。
こやま へえ……。僕の場合、友達がいなくて、後輩やったら言うこと聞いてくれるかなって思って、自分が中心になってヤバTを組んだんですよ。最近2人がたまに牙を剥いてくるんで、フロントマンとしての威厳が危ぶまれてるんですが(笑)。
──ちなみに2人はフロントマンとして意識してることってありますか?
こやま とりあえずヤバTの場合は、ライブでのトークが重要なので、フロントマンとしてライブ中にいっぱいしゃべるっていうことを意識してますね。「ロック祭り」でも持ち時間15分中8分くらいしゃべってました。
牧 そんなにしゃべるんだ! 僕の場合は、しゃべるというより“会話”を意識してますね。例えばライブだったらMCでのトークだけじゃなくて、歌を通してリスナーと会話をするというか。そういうコミュニケーションを通して、バンドや曲のメッセージを伝えるのがフロントマンの役割なんじゃないかと思ってます。
フェスが自信の源
──ヤバイTシャツ屋さんは今回、オーディションを勝ち抜いてステージに立ったわけですが、ぶっちゃけ勝ち残る自信はありましたか?
こやま なんかあったんですよね。去年「出れんの!?サマソニ!?」(「SUMMER SONIC」出演権を賭けたオーディション企画)に出場したときはまったく自分たちに自信がなかったんですけど、そのあとに出た「eo Music Try 2015」っていうコンテストでグランプリもらって。それが変な自信になりましたね。
牧 僕ら一切オーディションに出たことないんで、賞を獲るとかすごいなあ。
こやま でも、僕らみたいなふざけたバンドは、本来賞なんか獲ったらダメじゃないですか。
牧 いやあ、そんなことないでしょ。お客さんは現にヤバTのことを求めてるわけだし。時代の流れに合ってるんだよ。
こやま そうだとうれしいんですけど。
──バニラズはすごく堂々とライブをしている印象だけど、自分たちに自信が持てるようになったきっかけはあるの?
牧 フェスやサーキットイベントですね。想像以上にお客さんが集まってたりすると、自然に自信が生まれてきて。そうすると「やったらな!」って気合いが入るし。うん、フェスの存在は大きいですね。
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- 「ビクターロック祭り~2016~」
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BSスカパー! BS241
2016年3月26日(土)16:00~19:00
- 「Eggs」
- タワーレコード、NTTドコモ、レコチョクによるインディーズアーティストの音楽活動を支援するプロジェクト。ビクターエンタテインメント主催のロックフェス「ビクターロック祭り2016」では、ビクターと共催オーディション「『ワン!チャン!!』~ビクターロック祭りへの挑戦~」を実施。同オーディションではヤバイTシャツ屋さんがグランプリを獲得した。なお、Eggsでは今後も若手アーティストの総合的な支援と、「Eggsアプリ」(無料プレイヤー)を通して音楽ファンへの楽曲露出を行なっていく。
go!go!vanillas(ゴーゴーバニラズ)
牧達弥(Vo, G)、長谷川プリティ敬祐(B)、ジェットセイヤ(Dr)、柳沢進太郎(G)による4人組バンド。どこかノスタルジックで心地よいメロディ、骨太なバンドサウンドを特長とする。2014年11月にビクターエンタテインメント内のレーベルGetting Betterからアルバム「Magic Number」でメジャーデビュー。2015年には「バイリンガール」「カウンターアクション」という2枚のシングルを発表し、2016年2月に2ndアルバム「Kameleon Lights」をリリースした。3月よりバンド史上最大規模となる全国ワンマンツアー「Kameleon Lights Tour 2016」を開催中。
- go!go!vanillas「Kameleon Lights」
2016年2月10日発売 / Victor Entertainment
ヤバイTシャツ屋さん(ヤバイティーシャツヤサン)
大阪府在住の男女ボーカルを擁する3人組バンド。ハイテンションな楽曲やトークを武器に、関西地区を中心に活動している。2015年夏に「SUMMER SONIC」出演権を賭けたオーディション企画「出れんの!?サマソニ!?」で大谷ノブ彦賞を受賞し、同フェスに出演。さらに同年11月に出場したコンテスト「eo Music Try 2015」でグランプリを、2016年2月には「ビクターロック祭り2016」への出演権を賭けたオーディション「ワン!チャン!!」でグランプリを獲得した。
大谷ノブ彦(オオタニノブヒコ)
1994年に大地洋輔とお笑いコンビ・ダイノジを結成。よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属。音楽や映画などのカルチャーに精通しており、近年はDJダイノジとして数多くの音楽イベントに出演している。池田貴史(レキシ)とともにフジテレビ「アフロの変」でMCを担当。ニッポン放送「大谷ノブ彦 キキマス!」、JFN系「SCHOOL NINE」でパーソナリティを務める。