音楽ナタリー PowerPush - RIP SLYME
リップの2014年、そして2015年
「真夏のWOW」をよりよくするために
──リップ主体のライブとしては、7月に自身主催イベント「真夏のWOW」がありました。OKAMOTO'S、スチャダラパー、真心ブラザーズ、RHYMESTERと後輩から先輩まで豪華な面々が集いましたが、2年目の「真夏のWOW」はいかがでしたか?
ILMARI リップのライブしか観たことないような人が、当然名前は知ってるだろうけど、ほかのアーティストのライブを体験して「あ、すげーな」って思ってくれたんだったらよかったなって思います。
PES 俺はRHYMESTER先輩が全力でガッツリ盛り上げてくれたのが……うれしいし、ちょっとビビッたっていうか(笑)。
SU いっぱいお呼ばれしてる中で自分たちもフェスっぽいことやってて、まだ自分たちのやり方はおもてなし感が足んないなとわかりましたね。「氣志團万博」とか、裏も表もまあケアがすごいので。
──確かにアーティスト主催の大規模なイベントって増えてますし、より質のいいものにはしたいですよね。
ILMARI 俺らも次どうしようかなって考えちゃう。
PES 1年目は自分たちのソロとかDJユニット中心でやって(参照:盟友集合!RYO-Zハピバ!RIP SLYME初主催イベント大成功)、今年はこういうラインナップでいろいろトライして。よりいいイベントにするために、諸々の段取りも含めて見直すことはあると思う。僕は、メンバーのやりたいことを見てもらうのがたぶんお客さんも一番楽しいと思うんすよね。それを整理して来年やれたらいいなと思ってます。
SU まあやり方としては、切り口やカラーが何パターンかあるじゃないですか。例えばほかのフェスもテーマを掲げたりして毎年やってると思うんですけど。僕らも長く続けたいんで、考えなきゃなと。もちろん東京ドームとかでもやりたいですしね。
ILMARI めちゃくちゃでかくなったな急に(笑)。
“リップの影響を受けたアーティスト”が増えた
──メンバー個々の活動もかなり充実していました。まずPESさんはtofubeatsさんのアルバムに参加したり。
PES これはレーベル(unBORDE)が一緒というのもあって依頼されたんですけど、トーフくんの曲がすごいよかったので、家でけっこう考えました。トーフくんは中学生か高校生のとき、勝手に曲をミックスしてリップのラジオに送ってくれたりしてたんだよね。
SU ああ、みたいね。本当にリスナーとして。
──それからSUさんの個人活動は……。
PES (「ライス戦隊ゴハンジャー」の記事を観ながら)出た。なんなのこれ(笑)。
SU 知らねえの!? 守ってんだよ、いろんなもんから!
ILMARI なんでレンジャーになってんですか。
SU ……必要とされてるから。
ILMARI SUさんはいったいこれで何やったの。
SU 具体的には、カメラに向かって走る。
ILMARI だけ?(笑)
SU ポージングを決める。「人生最後の日は何が食べたい?」っていう質問に答えた。っていうこの3つぐらい。
PES 楽しそう。
──アルバムに参加したjjjさんはもともとお友達だったんですか?
SU いえ。
ILMARI Fla$hBackSのインタビューでリップがすごい好きだったって答えてくれたらしいんですよね。それをエンジニアさんから教えてもらって、そこからでしょ?
SU 「すっげー影響されましたよ」って言うから、聴いてみたら全っ然違うの(笑)。
──ああ、OKAMOTO'Sもtofubeatsさんもそんな例ですよね。この1、2年、青春時代にリップを愛聴していたって人たちが作品を発表する側になって、ラブコールを受けることって増えてませんか?
PES わかる。
SU すごい増えた。
PES 自分に置き換えると、ジュンスカ好きな僕が(寺岡)呼人さんと仕事させてもらった感覚ってことですよね。普通に好きだった人にお願いして、曲を一緒に作らせてもらえるっていうのは楽しいし、相手としても幸せなことだなと思う。僕らとしては「聴いててくれたんだあ、ありがとう」という感じですけど、若い人たちが普遍的な楽しさみたいなものをRIP SLYMEに感じてくれてるんだなあと。
SU でもさ、FUMIYAがずっと聴いてた布袋(寅泰)さんに会ったときは「うわあああ」ってなってたけど、そういう子たちが俺たちに会っても別に「うわあああ」って感じじゃないんだよね。
──いや、内心感激してるんじゃないですか。OKAMOTO'Sのレイジさんは「ILMARIのレコーディングが目の前で行われている……」って身震いしてたそうですし(参照:OKAMOTO'S「VXV」インタビュー)。
SU あ、jjjも言ってたかも。ボーカル録るときに「うわ、マジSU歌ってるわ」って。「うわ、歌った。いいわー、超いいわー。今日ILMARIは何やってんすか?」って(笑)。その、“ILMARIさん”とかじゃないんですよ。だから身近な存在なのかなって。
──若々しいイメージとキャラクターのせいですかね。
PES でも尊敬されたいんだもんね、SUさんは。
SU すっごいされたい。
PES あはは(笑)。もう情緒不安定ぶりがすごいよね。「お前ら」って上から目線ではやりたくないって言ったり「尊敬されたい」って言ったり。
──ILMARIさんは、2014年はどんな年でしたか?
ILMARI 俺はDJ SOULJAHのアルバムでAKLOくんと1曲やりましたね。ただ、今までバンドやったりほかのユニットをやったりいろいろしてたけど、しばらくリップだけやりたいなと思ってて。そんなモードですね。
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ワンマンライブ「RIP SLYME "CHRISTMAS ON THE BEACH" Powered by G-SHOCK / BABY-G」
2014年12月24日(水)東京都 Zepp Tokyo
OPEN 18:00 / START 19:00
料金:8500円(ドリンク代別 / プレミアムクリスマスプレゼント付き)
12月6日10:00より一般発売開始!
RIP SLYME(リップスライム)
RYO-Z、ILMARI、PES、SU、FUMIYAからなる4MC&1DJヒップホップユニット。1994年に結成され、2001年3月にシングル「STEPPER'S DELIGHT」でメジャーデビュー。その後2ndアルバム「TOKYO CLASSIC」がミリオンヒットを記録する。さらに国内のヒップホップユニットとして初めての日本武道館ワンマンライブを行い、日本にヒップホップ文化を広く浸透させた。2005年にFUMIYAが病気療養のため一時ユニットを離脱するも、翌年8月に無事復帰。再び5人体制で精力的にリリースやライブ活動を行っている。2010年には、メジャーデビュー10年目を記念しベストアルバム「GOOD TIMES」とカップリングベストアルバム「BAD TIMES」をリリース。2013年12月には9枚目のオリジナルアルバム「GOLDEN TIME」を発表した。
PESからのコメント
「SINGLE JUKE BOX」を楽しくやれたので、同じように楽しく、けどツアーとは違った趣のものを今年もやれたらなと思って今話し合ってるところです。楽しみにしててください。