Rhythmic Toy World|プロデューサーと語る5年間とこれから

バンド活動の指針になった大雪の日のライブ

内田 初めてのレコーディング(2013年4月発売の1stミニアルバム「軌道上に不備は無し」)のとき、大雪でしたよね。スタジオに車がたどり着けなかったりしたなあ。

川原 あったあった。大変だったね、いろいろ。

内田直孝(Vo, G)

内田 本当! 俺はレコーディング中にお腹が痛くなっちゃって。なんとか終わったけど、翌日が「新しい風景」のMV撮影で。痛みをこらえながらこなして、次の日病院行ったら、盲腸で緊急手術。

 全然“軌道上に不備は無し”じゃない(笑)。

内田 それで初めてライブを飛ばしちゃって。

磯村 あとにも先にもあれだけだね。

内田 キャンセルしてしまったのが、俺は今でも忘れられないな。

須藤 UNITでやったときも大雪だったね。2ndミニアルバム(2013年11月発売の「オリンポスノフモトニテ」)のファイナルか。

 あー、そうだ!

川原 電車もけっこう止まっちゃって、来られないお客さんが半分以上いたんだよね。

内田 ファンの方からTwitterで「家から出られないんです!」って写真が送られてきたり。お怒りのご連絡もね。

川原 開催するかどうか悩んだけど、メンバーは会場に来られてるからやらざるを得ないしね。超大変だった、あれは。俺はマネージメントをするのもリズミックが初めてだったし、何かそういうことがあるたびにどうしたらいいかわからなくて、常にメンバーと二人三脚でやってきたよね。「じゃあ、ライブの音源を録ってチケットの半券を持ってきてくれたら渡します」ってことをしたり。

内田 あれは自分の中でバンド活動の指針になったというか、岐路だった気がします。お客さんの意見に左右されすぎちゃってた時期でもあったじゃない?

磯村 うんうん。精神的にブレがちだった。

内田 俺らのことを悪く書いてるネットの意見とかを見ちゃうと、ステージで心がバラバラになっちゃってさ。そういうのすごく多かったじゃん。

須藤 そうだね。

磯村 祥太さんは「気にするくらいなら、エゴサーチ禁止!」って。

内田 大雪のライブを経て、アクシデントのときに「自分たちは自分たちがやれることを最大限やることが大事」みたいな強さが持てた感じがするんだよね。

祥太さんと出会って人間としてしっかりしてきた

 祥太さんには本当にいろいろ教えてもらいましたよね。俺はライブのやり方すらよくわからなくて、最初の頃なんてずっと下向いてギター弾いてたけど、「もっとお客さんを見たほうがいい」とか。細かいこと言えば、ジャンプの仕方なんかも。

内田 ジャンプの仕方!(笑)

川原 「ヒザ曲げるんだよ」みたいなね。

 「ステージに出るとき、側転で登場しろ」とか(笑)。そういうムチャぶりがあってこそ、今は自由にライブができるんだと思う。カッコつける必要がなくなったよね。もちろん、楽曲制作においても基礎からたくさん教えてもらって。だんだんと自分たちなりに意見が言えるようになってた。

磯村 俺は「『HEY!』」(2016年7月発売の2ndフルアルバム)のレコーディングがすげえ濃かったのを覚えてるな。あのタイミングで、祥太さんと一からドラムについて考えるようになった気がする。2人でずっとスタジオに泊まり込みでやってましたよね?

川原 うん。

磯村 フレーズを考えて、実際に叩いてみる。それを1日中やって、翌朝に2人とも電池切れる感じだったじゃないですか。言い合いもたくさんして。「俺はこう思う!」ってのに対して、祥太さんは「でも、メロディはこうだしさ。理由はなんなの?」みたいな。フレーズ1つひとつに意味を持たせる意識が、あそこで生まれたかな。

川原 あんまり寝てない中だったから、イライラもしたけどね(笑)。

磯村 はい(笑)。でも、それを経てより信頼が深まったと思います。

須藤憲太郎(B)

須藤 祥太さんのおかげで、自分たちが大人になれた感じはあるよね。たくさん愛のあるダメ出しをしてくれるんで。「わかってたけど、どこかで目をつぶってた」ような部分とか。

内田 あー、そうだね。

須藤 演奏以外の話だけど、人に何かを伝えるときの「ものの言い方」とか。言い方をちゃんと考えないでしゃべるせいで誰かを怒らせちゃうことが、俺はけっこうあったから。

川原 人間性のところね。

須藤 そうですね。俺は妹からもダメなヤツだと思われてたくらいなんで。

一同 わはははは!(笑)

須藤 兄貴として認められてないっていうか。「チャラチャラしたバンドマンなんでしょ?」みたいに言われてたんですよ、昔は。でも、祥太さんと出会ってだんだん変わっていくうちに妹が「(リズミックを)会社の同僚の人に薦めておいたよ」なんて言ってくれて。「どうしたの?」って聞いたら「最近は人間としてしっかりしてきたから」って。

内田 わりと最近のことでしょ?

須藤 2年前くらい。

 めっちゃ最近じゃん!(笑)

須藤 いきなり応援し始めてくれたの。「以前は中身が子供で、ちゃんと話ができない感じだった」そうで。

内田 妹さんがすごくしっかり者なんだよね。

川原 天真爛漫だからね、須藤くんは。

磯村 ていうか、1人だけめちゃめちゃプライベートなこと話してるね(笑)。

内田 でも、絶対ステージにつながる部分だよ。人間性ってのは。

4人でまったく同じダッフルコート着ててパニックに

 見た目もすごく変えてもらったじゃん俺らは。

内田 (自分の服装を指さして)祥太さんから教えられました。

Rhythmic Toy World

須藤 教えられて、さらに進化したよね。

磯村 今、服を着こなせてることがすごい!

 最初はみんな同じような恰好してたから。

川原 4人でまったく同じダッフルコート着てて、あれは衝撃だった! すげえカッコいい音楽を作ってるから、服装とかにもかなり期待してたんだよ。実際会って軽くパニックになったもん(笑)。

内田 今考えるとすごいよね、それって。

川原 だから自分の家にある洋服を持ってきて、4人に着せてみて。「ホラ、こういうの似合うじゃん!」って言ったり。それぞれの個性を踏まえてね。

 めちゃめちゃもらいましたよね、洋服。着ていくうちによさがわかって。

磯村 初めての取材とかって、誰も自分のやつ着てないよ(笑)。4人とも祥太さんの服だった。

須藤 服を気にするっていう、そういう頭がなかったね。

Rhythmic Toy World「SHOT」
2018年4月25日発売 / Victor Entertainment
Rhythmic Toy World「SHOT」初回限定盤

初回限定盤 [CD+DVD]
3564円 / VIZL-1373

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Rhythmic Toy World「SHOT」通常盤

通常盤 [CD]
3024円 / VICL-64993

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CD収録曲
  1. BOARD
  2. 僕の声[Album Ver.]
  3. ラストオーダー
  4. さなぎ[想像力の最前線ver.]
  5. 会えるように
  6. ペーパー人間
  7. ブッシャカ
  8. 青く赤く
  9. ライブハウス
  10. 27時
  11. 革命の唄
  12. ASOBOYA
  13. リバナ
初回限定盤DVD収録内容
  • 「キオク」

インディーズ初期からメジャーデビューに至るまでを追いかけたドキュメンタリー映像

Rhythmic Toy World「SHOOTING TOUR」
  • 2018年5月16日(水)千葉県 千葉LOOK
  • 2018年5月22日(火)秋田県 秋田LIVE SPOT 2000
  • 2018年5月23日(水)岩手県 the five morioka
  • 2018年5月25日(金)神奈川県 横浜BAYSIS
  • 2018年5月27日(土)富山県 Soul Power
  • 2018年6月19日(火)福岡県 小倉FUSE
  • 2018年6月20日(水)大分県 club SPOT
  • 2018年6月30日(土)静岡県 Shizuoka UMBER
  • 2018年7月5日(木)栃木県 HEAVEN'S ROCK Utsunomiya VJ-2
  • 2018年7月8日(日)長野県 ALECX
  • 2018年7月13日(金)岐阜県 yanagase ants
  • 2018年7月14日(土)兵庫県 MUSIC ZOO KOBE 太陽と虎
  • 2018年7月16日(月・祝)岡山県 CRAZYMAMA 2nd Room
  • 2018年7月17日(火)香川県 DIME
  • 2018年7月19日(木)京都府 GROWLY
  • 2018年7月27日(金)群馬県 前橋DYVER
  • 2018年7月29日(日)埼玉県 西川口Hearts
  • 2018年8月8日(水)三重県 club chaos
  • 2018年8月19日(日)福島県 郡山CLUB #9
  • 2018年8月25日(土)茨城県 mito LIGHT HOUSE
  • 2018年9月14日(金)北海道 COLONY
  • 2018年9月16日(日)宮城県 enn 2nd
  • 2018年9月22日(土)広島県 CAVE-BE
  • 2018年9月24日(月・振休)愛知県 名古屋CLUB QUATTRO
  • 2018年9月28日(金)大阪府 Shangri-La
  • 2018年9月30日(日)福岡県 Queblick
  • 2018年10月29日(月)東京都 Zepp DiverCity TOKYO
Rhythmic Toy World(リズミックトイワールド)
Rhythmic Toy World
内田直孝(Vo, G)、須藤憲太郎(B)、岸明平(G)、磯村貴宏(Dr)からなる4人組ロックバンド。2009年に結成し、2010年に現在のメンバーとなる。2012年にアマチュアバンドコンテスト「RO69JACK」で入賞し、2013年にはグッドモーニングアメリカが企画するコンピレーションアルバム第3弾「あっ、良い音楽ここにあります。その参」に参加。2013年から2014年にかけて3部作としてミニアルバム「軌道上に不備は無し」「オリンポスノフモトニテ」「XNADIZM」をリリースした。2015年に1月に1stシングル「いろはにほへと」、3月に1stフルアルバム「BUFFeT」を発売。「輝きだす」が森永製菓「DARS」のCMソングに使用されると、知名度はさらに広がる。2016年7月にニューアルバム「『HEY!』」を発表。東京・赤坂BLITZでのワンマン公演を含めたツアー「『HEY!』の『HEY!』による『HEY!』の為のツアー」を大成功に収めた。2017年9月に初めてのセルフプロデュースによるアルバム「TALENT」をリリース。2018年4月にビクターエンタテインメントのBLACK SHEEP RECORDSからメジャー1stアルバム「SHOT」を発売した。