バービーはスカスカのカッコよさを体現してるバンド
──ボーカルはどうですか? 2対1になっちゃいますけど。
ショウ やっぱりバービーの場合、自分が音楽をやり始める前に好きなバンドのライブを観ていたときと同じ感覚で、全員に注目しちゃうんですよね。俺はもともとドラマーだったのもあり、バンドのボーカルって歌がどうこうじゃなく、存在感やステージアクションがカッコいいかどうかにかかってると思ってたんですよ。今は歌も大事にしてますけど、お二人はそこが完璧なんです。最初のほうに言った必殺技の多さというか。歌い切ってすぐサックス吹けるのもそうですし。
ハマ なんであんなことできるんですか? さっきまで高い音で歌ってたと思ったら、そのあと1小節も空けずに吹くじゃないですか。
ENRIQUE そうしなきゃいけない曲だからね(笑)。
KONTA うん。そういうもんだと思って長年やってきただけなんだよ。
ハマ ENRIQUEさんは8ビートと16ビートのバランスが好きですね。特に「あいまいtension」のベースが超好きで。ルート弾きのベースラインみたいなことをやっているかと思いきや急にそこから抜けるとか、そういうところにすごく影響を受けました。ファンキーなんだけど、やっぱりロックバンドのベースじゃないですか。あと、空間系のエフェクターの使い方はライブ映像とかですごく熱心に観ましたね。僕、DVD全部持ってますから。気持ち悪いからあまり言わないけど(笑)、ホントにすげえ好きです、全員。杏子さんはライブ中にぬいぐるみのリュックを背負ってましたね。
杏子 よく見てるね……(笑)。
ハマ あれやってカッコいい人は杏子さんしかいないですよ。僕、「1st OPTION」(1985年2月発表の1stアルバム)のリマスター盤のライナーノーツを書かせていただいたんですが、まさか今みたいなことが起こるなんて思ってなかったので、狂ったファンが書くようなこと書いていて恥ずかしいです(笑)。だから全員の魅力を語れるんです。ENRIQUEさんにもホントに影響を受けました。ちょうどロックロックしたところから逸脱したい時期があって、ファンクとロックの中間みたいなところを表現でできるベーシストがあんまりいなかったですし。
ENRIQUE バービーはそれを許してくれるバンドでもあってね。ベースの自由度が高い。俺はベースヒーローになりたかったんですよ。ハマくんはアプローチのユニークさがすごくて、いかりや長介さん、細野晴臣さんに次ぐベースヒーローだと思うよ。
ハマ いやいやいや!
ENRIQUE テレビCMでベースを弾いた人って意味でもね(笑)。
ハマ バービーって個性派ぞろいじゃないですか。そのせめぎ合いが聴きやすさに落とし込まれてることがびっくりなんですよね。言い方を変えれば、ちゃんとスカスカ。音を重ねてどうこうじゃなくて、隙間があるんです。
ショウ わかる。背景を塗っちゃうみたいに音を詰め込むのが一般的なんだろうけど、それはしない。すごいですよね。
ハマ レッチリ(Red Hot Chili Peppers)に対して「スカスカでかっけー」と感じるのと同じで、バービーはスカスカのカッコよさを体現してるバンドだと思います。
ツーマンライブ当日の演奏順は
──ところで、ツーマンの当日はどっちが先に演奏するんですか?
いまみち (手をパンと叩いて)それ、今日決めよう!
ハマ ちょろっと聞いちゃったんですけど、今のところ……。
杏子 はい。バービーが先にやらせていただきます!
ショウ・レイジ・コウキ え―!
ショウ そんなことあります?
杏子 お願い、先にやらせて!
コウキ どうして先にやりたいんですか?
KONTA 年寄りは前座だよ(笑)。
ショウ・レイジ・コウキ いやいやいやいや!
杏子 あと、セッションもしたいなと考えていて。やり方もいろいろあると思うんだよね。例えばOKAMOTO'Sに乗っかって私たちがやるとか。
いまみち 「あなたにアディクション」のリードのフレーズをサックスにすれば我々(イマサとコウキ)は楽だよ(笑)。
KONTA ハモるって手もあるよ。
小沼 「タイムリミット」のOKAMOTO'Sバージョンに俺らが乗っかって、ドラムを2台置けるならツインドラムでやってもいいかも。
杏子 「うるさーい!」って感じで9人全員でやるのもいいね。
いまみち ダブルベース、ダブルギター、ダブルドラム、トリプルボーカル(笑)。
杏子 ソロをブルースハープとサックスで分けるとかね。例えばOKAMOTO'Sが演奏する「あなたにアディクション」に私とイマサとKONTAが入るとか、「タイムリミット」は全員でやるとか。
レイジ バービーのことをめっちゃ好きな人だったら、先に演奏することに対して「うわ、バービーっぺえ!」と思いそう。
いまみち ご了承いただけたみたいで……(笑)。そうじゃないとね、我々ドキドキしてOKAMOTO'Sのライブをゆっくり楽しめないんだよ。
──バンドマンにとっての理想の対バンは「大好きなバンドと一緒だけど、演奏は自分たちが先」という話を聞いたことがあります。
ショウ それ、わかります。自分たちがやりきったあとにゆっくり観れる。
ハマ その思いはわかりますけど、我々も同じですからね(笑)。
コラボセッションのアイデアあれこれ
杏子 セッションのアイデア、ほかに何かない?
いまみち どんな曲でもやってくれるよ、きっと。
ENRIQUE 「マイティウーマン」もできるしね。「C'm'on Let's go!」もいいんじゃない? あれならソロとかで膨らませられるし。
ハマ 「これ覚えといて」と事前にお知らせいただければ、僕ら頭に入れときますんで。
いまみち 前にハマくんが我々にやってほしいセトリをTwitterに上げてたよね。
ハマ というか募集したんです。勝手に(笑)。俺が「JOIN ALIVE」のあとに「これやこれも聴きたかった」みたいに書いたら、バービーのファンの人たちから「いやこれも」っていっぱい来たんで、全部リツイートしたんです。「わかる、わかる」と。
──OKAMOTO'Sサイドからは何か一緒にやりたいことはありますか?
ハマ 確かに最後に全員出てくるのは面白いなと思いますね。バービーにショウだけが乗っかるというのも手だと思うんですけど。
レイジ それはそれで観てみたいよね。
いまみち なんにせよ、一緒にやる曲は我々のセトリから外さなきゃいけないね。でも、例えばセッションで「BOY」の1曲目(「Dreaming Man」)をやることになったら、OKAMOTO'Sは自分たちのセットでやれないから困るでしょ?
レイジ 逆にアリっすね。
ショウ それはそれでアガる。
いまみち どうよ、この余裕。
KONTA 「Hole」はどう?
レイジ あれは作ってるとき「めっちゃバービーっぽいね」と言ってたんですよ。
ハマ 最初アレンジがあまりうまくいってなかったんですけど、コウキがいろいろ試したとき、ギターのリフに当てた音の響きがバービーっぽかったんです。ご本人の前ですけど、「めっちゃイマサっぺえじゃん今の! かっけー!」って(笑)。
レイジ 「杏子の声で曲が再生される!」とか言ってて。
BARBEE BOYS一同 あはははは!(笑)。
コウキ それでうれしくなっちゃって、さらにイマサさんっぽい音を重ねていって。
ハマ レコーディングエンジニアがかつてバービーのエンジニアもされていた渡辺省二郎さんなんですけど、省二郎さんもずっと笑ってました。
レイジ それをご本人たちと一緒にやるのもアリだね。っていうか、超やりたい! お客さんの雰囲気も気になりますね。それぞれのファンが相手のバンドをどういうふうに観るのか。
KONTA できれば、フロアをめちゃくちゃにシャッフルさせたいね(笑)。
※特集公開時より一部表現を変更しました。
- ライブナタリー Presents RESPECT! Vol.1
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2019年10月30日(水)
東京都 チームスマイル・豊洲PIT
OPEN 18:00 / START 19:00<出演者> BARBEE BOYS / OKAMOTO'S
- チケット一般発売
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イープラス
受付期間 9/21(土)10:00~10/25(金)18:00
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チケットぴあ
受付期間 9/21(土)10:00~10/27(日)23:59
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ローソンチケット
販売期間 9/21(土)10:00~10/26(土)23:59
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LINEチケット
販売期間 9/21(土)10:00~10/23(水)23:59
- BARBEE BOYS「BARBEE BOYS IN TOKYO DOME 1988.08.22」
- 2018年11月21日発売 / ソニー・ミュージックダイレクト
-
[Blu-ray] 6050円
MHXL-61 -
[DVD] 4950円
MHBL-332~3
- OKAMOTO'S「BOY」
- 2019年1月9日発売 / アリオラジャパン
-
初回限定盤 [CD+DVD]
4180円 / BVCL-951~2 -
通常盤 [CD]
3630円 / BVCL-953 -
完全生産限定盤
[アナログ12inch]
4950円 / BVJL-30
- BARBEE BOYS(バービーボーイズ)
- KONTA(Vo, Sax)、杏子(Vo)、いまみちともたか(G)、ENRIQUE(B)、小沼俊明(Dr)の5人からなるロックバンド。1984年9月にシングル「暗闇でDANCE」でメジャーデビューし、1987年にリリースした「女ぎつね on the Run」でブレイクした。その後数々のヒット曲を世に送り出すも1992年1月に解散。メンバーそれぞれに活動を行ってきたが、2003年に行われたEPICレコードジャパンの25周年記念イベントで復活を果たした。さらに2008年8月には野外フェスに出演し、2009年2月には約17年ぶりの全国ツアーを4都市で実施。2018年10月にはイベント「The Covers'Fes.2018」にて約8年ぶりとなるライブを行った。2019年12月に約29年ぶりの新作「PlanBee」をリリースし、2020年1月13日に東京・国立代々木競技場第一体育館で約10年ぶりのワンマンライブ「突然こんなところは嫌いかい?」を行う。
- OKAMOTO'S(オカモトズ)
- オカモトショウ(Vo)、オカモトコウキ(G)、ハマ・オカモト(B)、オカモトレイジ(Dr)の4人からなるロックバンド。バンド名およびメンバー名は、彼らが敬愛する岡本太郎に由来する。抜群の演奏力とアグレッシブなライブパフォーマンスに定評があり、2010年3月にはアメリカのショーケースイベント「SXSW」に出演。続けて行った全米ツアーでも高い評価を受けた。次世代のロックシーンを担うホープとして注目を集める中、2010年5月に1stアルバム「10'S」でメジャーデビューした。2016年には全国47都道府県ツアーを開催。2019年1月にニューアルバム「BOY」をリリースし、6月には東京・日本武道館でのワンマンライブを成功に収めた。9月公開のアニメ映画「HELLO WORLD」では音楽プロジェクト・2027Soundの主軸としてバンド初の劇伴制作を担当。サウンドトラック「『HELLO WORLD』オリジナル・サウンドトラック」をリリースした。
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2019年10月11日更新