ライブナタリーが主催するライブイベント「RESPECT!」が10月30日に東京・チームスマイル・豊洲PITで開催される。
「RESPECT!」は“尊敬するアーティストとの競演”をテーマに掲げた新イベント。初回となる豊洲PIT公演では昨年8年ぶりに再結集を果たしたBARBEE BOYSと、今年初の東京・日本武道館公演を成功させたOKAMOTO'Sがツーマンライブを繰り広げる。ハマ・オカモト(B)をはじめとするOKAMOTO'SのメンバーはBARBEE BOYSへの敬愛の念をたびたび口にしており、杏子(Vo)やいまみちともたか(G)とは何度か共演経験がある。7月の「JOIN ALIVE 2019」のバックヤードで撮影された2組の集合写真をSNSで見かけたファンも多いだろう。そんな中、満を持しての対バンが「RESPECT!」で実現することとなった。
音楽ナタリーでは両バンドによる対談をセッティング。9人は長机に座って対峙するスタイルに戸惑いつつも、互いへのリスペクトはもちろん、出演順やセッションのアイデア交換の話題まで大いに盛り上がった。
取材・文 / 高岡洋詞 撮影 / 相澤心也
大好きなバンドと会うのは格別
──「RESPECT!」は“尊敬するアーティストとの競演”をテーマにしたイベントということで、BARBEE BOYSとOKAMOTO'Sのお互いへのリスペクトというか、それぞれ好きなところから話していただけますか?
ハマ・オカモト(B / OKAMOTO'S) そんな……僕らも言っていただくんですか?(笑)
オカモトショウ(Vo / OKAMOTO'S) 僕らが一方的に言うことは可能ですけど。
──では、まず一方的に(笑)。最初にハマさんがバービーのファンになったそうですね。
ハマ メンバーそれぞれ好きな音楽がバラバラなので、いいものがあれば教え合うみたいなことは学生時代からやってたんですけど、その中で僕が「バービー、いいよ」と普及させてきた第一人者でした。以前杏子さんと対談させていただいたときもお話ししましたが、東京事変がライブで「C'm'on Let's go!」をカバーしていて、それで曲を知ったんです。2006年だったかな。それから自分で調べてベスト盤を買ったのが始まりですね。年齢的には15歳とか。
KONTA(Vo, Sax / BARBEE BOYS) そのとき15歳というのがね……(苦笑)。
ショウ 僕ら1990~91年生まれなんです。
ハマ 直接的な関わりは、新木場のイベント(2012年5月開催の「JAPAN JAM」)でTRICERATOPSを介して杏子さんにご挨拶して。そのあとに杏子さんがソロでバービーの曲をセルフカバーするにあたり、「一緒にやってくれないか」とお声がけいただいたところからです。
杏子(Vo / BARBEE BOYS) 「タイムリミット with OKAMOTO'S」(2012年10月発表のベストアルバム「Sky's My Limit」に収録)ね。
ハマ そのとき、杏子さんから口頭で「イマサ(いまみちともたか)にも許可を取るから」と言っていただいて。まだお会いしたことがなかったので、「うわ、イマサさんに自分たちのアレンジを聴かれるんだ」と思いました。それがバンドとして最初の関わりですよね……って、全部僕がしゃべってて大丈夫ですか?(笑)
オカモトコウキ(G / OKAMOTO'S) 僕らはハマくんにバービーのことを教えてもらって、みんなめちゃくちゃハマったんですよ。オリジナリティがすごすぎて、「こんなバンドがいたんだ!」と思ってどんどん夢中になり、そしたらちょうどそのコラボのお話が来たという流れです。そのあと、すぐイマサさんに会いましたよね。
いまみちともたか(G / BARBEE BOYS) だよね。一緒にライブをやったのはその次の年かな。
ハマ 初めてイマサさんにお会いしたのは「あなたにアディクション with いまみちともたか & OKAMOTO'S」(2013年7月発表の楽曲)の制作でした。
オカモトレイジ(Dr / OKAMOTO'S) あの曲のデモがすごかったんですよ。超カッコいいけど超難解で、1回聴いただけじゃどこが頭なのかがわかんないようなリフで。
いまみち でも、レコーディングしてすぐ日比谷野音のイベント(2013年6月開催の「待ち人のフェイバリット~on the street corner~」)でやったよね。
レイジ そうそう。初めてスタジオで合わせたときに、コウキがイマサさんに「これで合ってますかね?」と聞いたら、指を差しながら「かかったね!」と言われて(笑)。その言葉にブチ上がったよね。
いまみち 野音では「タイムリミット」をやったっけ。
コウキ やりました。あと「マイティウーマン」。
いまみち そう! 我々のライブアレンジをコピーして。「何かもう1曲やろうか」と言ったら、「これなんかどうすか?」って先に提案されちゃったんだよな。
ハマ イマサさん手書きの「マイティウーマン」のコード進行表をいただいて、記念にファイルしてあります。我々、わりと先輩たちとセッションやレコーディングをする機会があるバンドなんですけど、やっぱり前から聴いていた、ずっと好きだった人たちと会うのは格別じゃないですか。そういう意味では、目の前に普通に5人並んでいることにいまだに慣れないです(笑)。
レイジ 先輩のバンドと全員そろった状態で面と向かって座るって、単純になかなかないですよね(笑)。
杏子 バンド同士で向かい合う機会ってないもんね。
BARBEEのカッコよさは唯一無二
──ハマさんに教えられてバービー楽曲を聴いて、OKAMOTO'Sの皆さんはどう感じましたか?
レイジ ブチ上がっちゃう感じでしたね。「かっけー!」って。
ショウ 全曲カッコいいんですよ。「この曲がいいんだよ」と教えてもらって聴いてみると、忘れないし、抜けていかない感じがあって。中毒性があるというか。ライブ映像を観るとステージアクションもカッコいいし、ヒーローの必殺技じゃないけど、そういうものにもすごく惹かれます。
ハマ アイコニックなんですよね。
コウキ 僕はさっきも言いましたけど、独自性がすごいなと。影響力の大きいバンドがいると似たようなバンドや、「この人たちはあのバンドが好きでこうなったんだな」と読み取れるアーティストが出てくることが多いですけど、バービーにはフォロワーがいないんですよね。単純に「こんな音楽、聴いたことない!」と思いますし、マネできないことが一番大きいんだと思います。
レイジ 唯一無二だよね。
ショウ 音の緊張感とかヒリヒリしてるとこも含めての魅力なんですよね。音と曲がもう単純にカッコいい。
ハマ この間の北海道の「JOIN ALIVE」では「杏子さんがタンバリン投げるところ見れた!」という話はもちろん、「ENRIQUEさんってやっぱりああやって、低いポジションでベース弾くんだ!」とか「KOISO(小沼俊明)さんの叩き方が変わってない!」という話題でもちきりでした。あとは「KONTAさんのMCを聞けた!」とか。もう完全にオタクです(笑)。もちろん音も歌もすごいし、ステージに立ってる全員がカッコいいバンドってなかなかいないから、ずっと憧れてました。僕らにはそういうバンドがいいバンドという共通認識があって、バービーのカッコよさは唯一無二だと思ってます。
──大絶賛されましたが、先輩いかがですか?
いまみち えっ?
小沼俊明(Dr / BARBEE BOYS) どう返答しましょう(笑)。
杏子 私はレコード会社が一緒で、スタッフが「OKAMOTO'S、OKAMOTO'S」って騒ぐもんだからちょっとジェラってたんですよ(笑)。すごく若い子たちだけどめっちゃカッコいいと聞いていて。新木場では「あのOKAMOTO'Sだな」と思いながら観ていたんだけど、カッコよくてうまくてイキがよくてかわいくて、衝撃を受けました。ちょうどアルバムでコラボレーションする人を探してたから、レコード会社の人たちにすぐに頼んで。そしたら、忙しい時期だったのに「タイムリミット」のアレンジを3パターンぐらい用意してくれたんです。それで一緒にレコーディングして、ミュージックビデオも撮って。
ショウ あの撮影も楽しかったですよね。
杏子 そのあとイマサに「あなたにアディクション」を作ってもらって。もちろんイマサもOKAMOTO'Sのことを知っていて、連続でコラボすることってあまりないんだけど、どうしてももう1回やりたくてお願いしました。私のソロ曲だから当初ショウくんは歌わない予定だったんだけど、現場で鼻歌かなんか歌ってたのかな? そしたらイマサが「声、いいよね」と言い出して、急遽歌ってもらうことになったんだよね。
ショウ チラッと歌わせていただきました。
いまみち おまけにハーモニカも吹いたしね。
ショウ 吹きました(笑)。うれしかったです。
いまみち あと、野音の前にレイジが「こんな簡単なビート叩いたことない」とか言っててさ。
ショウ そんなこと言ってたんですか(笑)。
いまみち 「こういうまともな8ビートは初めてです」って言ってたじゃん。
レイジ あー、言いましたね(笑)。シンプルなビートが一番難しいんですよ。
いまみち 次に出たOKAMOTO'Sのアルバムの1曲目がモロそのビートだったんで、「やるなー!」と思ったよ。それと野音のあと、コウキとギターを見に行ったよね。
コウキ 行きましたね。ヒトサライ(いまみちが椎名純平、岡雄三、平山ヒラポン牧伸と2014年に結成したバンド)のライブも観させていただいて。
KONTA そんなプライベートな交友もあったのか。
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BARBEEがかつて対バンしたバンドは
- ライブナタリー Presents RESPECT! Vol.1
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2019年10月30日(水)
東京都 チームスマイル・豊洲PIT
OPEN 18:00 / START 19:00<出演者> BARBEE BOYS / OKAMOTO'S
- チケット一般発売
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イープラス
受付期間 9/21(土)10:00~10/25(金)18:00
-
チケットぴあ
受付期間 9/21(土)10:00~10/27(日)23:59
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ローソンチケット
販売期間 9/21(土)10:00~10/26(土)23:59
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LINEチケット
販売期間 9/21(土)10:00~10/23(水)23:59
- BARBEE BOYS「BARBEE BOYS IN TOKYO DOME 1988.08.22」
- 2018年11月21日発売 / ソニー・ミュージックダイレクト
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[Blu-ray] 6050円
MHXL-61 -
[DVD] 4950円
MHBL-332~3
- OKAMOTO'S「BOY」
- 2019年1月9日発売 / アリオラジャパン
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初回限定盤 [CD+DVD]
4180円 / BVCL-951~2 -
通常盤 [CD]
3630円 / BVCL-953 -
完全生産限定盤
[アナログ12inch]
4950円 / BVJL-30
- BARBEE BOYS(バービーボーイズ)
- KONTA(Vo, Sax)、杏子(Vo)、いまみちともたか(G)、ENRIQUE(B)、小沼俊明(Dr)の5人からなるロックバンド。1984年9月にシングル「暗闇でDANCE」でメジャーデビューし、1987年にリリースした「女ぎつね on the Run」でブレイクした。その後数々のヒット曲を世に送り出すも1992年1月に解散。メンバーそれぞれに活動を行ってきたが、2003年に行われたEPICレコードジャパンの25周年記念イベントで復活を果たした。さらに2008年8月には野外フェスに出演し、2009年2月には約17年ぶりの全国ツアーを4都市で実施。2018年10月にはイベント「The Covers'Fes.2018」にて約8年ぶりとなるライブを行った。2019年12月に約29年ぶりの新作「PlanBee」をリリースし、2020年1月13日に東京・国立代々木競技場第一体育館で約10年ぶりのワンマンライブ「突然こんなところは嫌いかい?」を行う。
- OKAMOTO'S(オカモトズ)
- オカモトショウ(Vo)、オカモトコウキ(G)、ハマ・オカモト(B)、オカモトレイジ(Dr)の4人からなるロックバンド。バンド名およびメンバー名は、彼らが敬愛する岡本太郎に由来する。抜群の演奏力とアグレッシブなライブパフォーマンスに定評があり、2010年3月にはアメリカのショーケースイベント「SXSW」に出演。続けて行った全米ツアーでも高い評価を受けた。次世代のロックシーンを担うホープとして注目を集める中、2010年5月に1stアルバム「10'S」でメジャーデビューした。2016年には全国47都道府県ツアーを開催。2019年1月にニューアルバム「BOY」をリリースし、6月には東京・日本武道館でのワンマンライブを成功に収めた。9月公開のアニメ映画「HELLO WORLD」では音楽プロジェクト・2027Soundの主軸としてバンド初の劇伴制作を担当。サウンドトラック「『HELLO WORLD』オリジナル・サウンドトラック」をリリースした。
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2019年10月11日更新