音楽ナタリー Power Push - REOL
本当にやりたいことを形にした3人の“第2章”
REOLが1stアルバム「Σ」をリリースした。
REOLはシンガーソングライター・れをる、サウンドクリエイター・ギガ、映像クリエイター・お菊の3人からなるユニット。今作「Σ」の発表に合わせてこれまで伏せていた自身のビジュアルを公開し、彼女たちはユニットとして新たな活動をスタートさせた。音楽ナタリーでは、れをる名義のアルバム「極彩色」の特集と同じく、れをる、ギガ、お菊の3人にインタビューを実施。ユニット結成の経緯や、REOLとしての初作品「Σ」に収録される楽曲や映像作品に対するそれぞれの思いなどを聞いた。
取材・文 / 倉嶌孝彦 撮影 / 後藤倫人
今だったらこんなもんじゃない
──去年発表したアルバム「極彩色」のインタビューから1年ちょっと経ちましたが、3人にとって激変の1年だったんじゃないでしょうか。まずは「極彩色」のリリース後にはワンマンライブがありました(参照:れをる、大盛況の1stワンマンライブで「極彩色」再現)。
れをる 東京、大阪、上海と3本ライブがあって「極彩色」というアルバムを昇華できた感覚はあった上で、やっぱり課題みたいなものも見つけられたライブだったんですよね。次のステップに進む上でもっと詰めなきゃいけない部分が浮き彫りになったというか。
──ライブは「れをる」というソロ名義のものでしたが、ギガさんやお菊さんもライブの制作には参加してたんですよね。
お菊 私はライブの演出用の映像を作らせてもらったのと、照明の構成で携わったんですけど、やっぱり実際にやってみると想像してたのとは違ったなと思いました。
ギガ ライブではバックバンドを率いて披露する形式だったので、DTMと違う音作りが求められるので難しかったですね。より生音に近いサウンドが求められるというか。
お菊 振り返ってみて「今だったらこんなもんじゃなかったのに」って思います。
れをる それ、すごいわかる。この1年で精神的にも、技術的にも成長して、当時はできなかったことが今はできるようになりました。もっとやれるぞって気持ちが芽生えてますね。
歌い手・れをるに区切りをつけた「極彩色」
──レコ発のライブが終わったあと、ユニット・REOLとして活動していくことが発表されました。これまでも3人で音源を制作していたわけなので、活動の内実はそこまで大きく変わらないと思いますが、なぜユニットを組んで活動しようと?
れをる 実は「極彩色」というアルバムは“歌い手・れをる”に区切りをつける、という意味合いが強い作品だったんです。すでにお菊とギガちゃんと3人でユニットを組むっていうのは決めていた状態で、その前にれをる個人の活動の軌跡を残しておきたくて。
──前回のインタビューのときにれをるさんが「これからが第2章だ」と話していて、僕はてっきり「極彩色」が第2章の1歩目だと思ってたんです。でも実はそうではなくて「極彩色」は第1章の最後の作品であり、そこから先の活動が第2章だったんですね。
れをる そうなんです(笑)。だから前作はどちらかと言えば、れをる個人をフィーチャーしてた作品だったのに対して、今回の「Σ」は3人らしさというものをすごく意識しています。
──もともと3人でアルバムを作っていたわけですから、制作に関する作業や役割はユニットを組む前とあとで変わっていないと思うんです。活動を続けていくに当たって、ユニットという形態を選んだのはなぜですか?
れをる 音楽に関わる活動ってどうしてもボーカリストにスポットが当たるんですよね。私は曲を作る人も映像を作る人も同じ立場のアーティストだと思っていますし、彼らにもっと日が当たるべきだと思うんです。これまでみたいに「こういうイメージでお願い」って依頼するんじゃなくて、ユニットになることで2人は自分が作りたいものを形にできる環境に身が置けるんじゃないかなと思って。これはユニットにしたことの大きなメリットだと思っています。
好きな曲をそのままCDに
──ギガさんとお菊さんはユニットの一員になることをどう受け止めたんですか?
お菊 3人の関係性は今までと変わりませんから、抵抗感とかは全然なくて。別に変わったこともそんなにないんですよね。
れをる 作品を作ることに関しては確かにこれまでと何も変わっていないんだけど、やっぱり2人のビジュアルを出すことになったのは大きな変化じゃないかな。
お菊 あーなるほど。確かにそうですね。今日みたいに写真を撮られるようになりました。
れをる ギガちゃんはユニットを組んでから何か変わった?
ギガ うーん……。大きくは変わらないんだけど「極彩色」のときは、「こういう曲を作ってくれ」ってことが多かったんですよね。でも今回は自分の作りたい曲をそのままCDに入れられた感じです。
れをる 「極彩色」のときは私個人がプロデュースをする立場だったから、ギガちゃんだけじゃなくてゲストの方とかにも「こういう作風でお願いします」って発注をしてたんです。でも今作はREOLとしての作品だから、最初に3人でやりたいことを議論して、方向性を決めてから作り始めていますから、ギガちゃんには自由に曲を作ってもらいました。
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- 1stアルバム「Σ」2016年10月19日発売 / TOY'S FACTORY
- 初回限定盤 [CD+DVD] / 3500円 / TFCC-86569
- 通常盤 [CD] / 2500円 / TFCC-86570
CD収録曲
- VIP KID
- ギミアブレスタッナウ
- 宵々古今
- コノヨLoading...
- RE:
- Lunatic
- 神様になった日
- ちるちる
- -FINAL SIGMA-
- DetaramE KiddinG
- サマーホラーパーティ
- 404 not found
- VIORA
初回限定盤DVD収録内容
- ギミアブレスタッナウ Music Video
- 宵々古今 Music Video
- ちるちる Music Video
- メイキング映像
REOL(レヲル)
シンガーソングライターのれをる、サウンドクリエイターのギガ、映像クリエイターのお菊の3人からなるユニット。ギガやお菊が制作に携わったれをる名義のソロアルバム「極彩色」を2015年7月に発売。その後2016年3月にユニット・REOLとして活動していくことを発表し、同年10月にREOLとしての1stアルバム「Σ」をリリースした。