Nulbarich|東京で音楽を鳴らすということ

10月22日から11月17日にかけて東京都内各所で行われるレッドブル主催の音楽フェス「RED BULL MUSIC FESTIVAL TOKYO 2017」。音楽ナタリーではこのイベントを盛り上げるべく、全3回にわたる特集を展開している。

第2回となる今回は、11月4日に東京・ベルサール渋谷ガーデンで行われるライブイベント「SOUND JUNCTION 渋谷音楽交差点」に出演するNulbarichのフロントマン・JQが登場。都会的な音楽を鳴らす彼にとって東京はどんな街なのか、話を聞いた。

取材・文 / 大橋千夏

東京で暮らす等身大の日常

──まず、今回「SOUND JUNCTION 渋谷音楽交差点」への出演オファーを受けた際の率直な感想を教えてください。

JQ(Nulbarich)(Photo by Madoka Sano)

ステージが4方向にあるライブなんてもちろん初めてですし、単純に面白そうだなって。以前、レッドブルが主催するフリースタイルセッションバトルを観に行ったことがあるんです。かねてから音楽にまつわるイベントを積極的に開催していたのを知っているから、今回のフェスもレッドブルっぽいなと思いましたね。とは言え「SOUND JUNCTION」はライブの見せ方として新しすぎるから、まだ全然イメージが沸いていないんですけど(笑)。

──今回のフェスは約1カ月にわたって東京都内各所で開催されますが、JQさんにとって東京はどんな街ですか?

僕の中では東京ってニューヨークみたいなイメージで。洗練された街だし、夢を追いかけている人が集まる場所と言うか。音楽やファッションはもちろん、最先端のカルチャーや情報が常に集まる街だと思います。

──Nulbarichの音楽は「都会的で洗練されている」と言われることが多いと思いますが……。

って言われるんですけど、自分たちでは全然わかんないんですよね(笑)。僕自身はターゲットを絞っている意識はまったくなくて、それぞれに自由に感じてほしいなと思っていて。それこそ都会に住んでいる人だけじゃなくて、地方に住んでる方にも同じように聴いて、楽しんでもらいたいんです。

──なるほど。

ただ、僕らの場合は東京で暮らす等身大の日常を歌詞にすることが多いので。そういった意味でも東京は大事な街ですね。

のほほんと生きていたら曲はできない

──作品を作るにあたって、街からインスピレーションを受けることも?

そうですね。でも意識的にインプットしていくと言うよりは、日々東京で過ごす中で蓄積されたものが自然と楽曲として出ていくイメージですね。それが一番、自分の素直な部分を表現できるやり方なのかなって。うん。「東京で楽しくがんばる」っていうのが、僕なりのインプット法だと思っています。

──なるほど。東京で特に好きな街はありますか?

「SOUND JUNCTION」が開催される渋谷は自宅も近いので、本当にちょくちょく遊びに来る好きな街ですね。まあ「若者の街」ってイメージですけど。

──JQさんも十分若者だと思います(笑)。

Nulbarich(Photo by Madoka Sano)

(笑)。渋谷に来たら道玄坂あたりで友達とランチして、サングラスとかレコードを物色しに行って、夜は飲んで、ってコースが多いですね。で、最終的にはなぜか毎回恵比寿に流れちゃう(笑)。渋谷は東京のどこにいても集まりやすい場所だし、いろんなジャンルの人の集合体って感じがして面白いですよね。下北っぽい人がいれば新宿っぽい人もいて。そうやってあらゆる人を受け入れてくれる場所でもあるし、発信地でもあると思います。

──都会で生きる中で「疲れるな」と感じたりすることはないんですか?

そうだなあ……僕はもともと出不精なので、家にいるときが一番幸せなんですよ。だから外でしのぎを削りつつ、家でゆっくり休むことでうまくバランスが取れているのかも(笑)。だからあまりつらいと感じたことはないかな。東京はやっぱり、夢が叶う場所だと思うんです。だから目標があったり何かを望んでる人は満たされるけど、目的がなくなってしまったら面白くなくなってしまうのかも。

──確かにそうかもしれません。

決してのどかな場所じゃないし、いろいろな人の感情がみなぎっている場所だからこそ、僕もがんばれると言うか。だからとてもアートに向いた街ですよね。僕自身、毎日のほほんと生きていたら曲はできないと思うので(笑)。

RED BULL MUSIC FESTIVAL TOKYO 2017

2017年10月22日(日)~11月17日(金)

SOUND JUNCTION
渋谷音楽交差点
SOUND JUNCTION 渋谷音楽交差点

2017年11月4日(土)東京都 ベルサール渋谷ガーデン

出演者

KICK THE CAN CREW / 水曜日のカンパネラ / 中田ヤスタカ / Nulbarich

内容

あの歌を、4方向から聴くライブ。
4つのステージ、4つのジャンル、4組のミュージシャン。
観客を囲むようにステージを4方向に配置。
大好きなアーティストに囲まれる至福の体験。

Nulbarich(ナルバリッチ)
シンガーソングライターのJQを中心に結成。ソウル、ファンク、アシッドジャズなどをベースにした音楽性が特徴で、メンバーは固定されず、演奏形態に応じてさまざまな編成に変化する。2016年6月にタワーレコードおよびライブ会場限定の1stシングル「Hometown」をリリース。10月には1stフルアルバム「Guess Who?」を発表する。その後は積極的なライブ活動を行いながら、2017年5月に4曲入りCD「Who We Are」をリリース。11月より自身初のワンマンツアーを開催し、12月6日に待望の2nd EP『Long Long Time Ago』をリリース。
Nulbarich 1st ONE MAN TOUR
  • 2017年11月2日(木)宮城県 仙台MACANA
  • 2017年11月11日(土)大阪府 Music Club JANUS
  • 2017年12月1日(金)福岡県 DRUM Be-1
  • 2017年12月13日(水)東京都 LIQUIDROOM
  • ※全公演ソールドアウト