「RecTV」は、公式のミュージックビデオやライブ映像の好きなシーンにユーザー自身のメッセージを載せてプレイリスト化し、シェアできるレコチョクの音楽サービス。このRecTVでRin音本人作成のプレイリストが公開されたことを記念して、音楽ナタリーではRin音にインタビューを行った。YouTubeでの再生回数が1500万回を超えるヒット曲「snow jam」をはじめとしたMVの思い出をRin音に振り返ってもらいつつ、今後の活動について語ってもらった。
取材・文 / 三浦良純 撮影 / 曽我美芽
- RecTV
- 配信中 / RecoChoku Co.,Ltd.
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音楽が好きなあなたの想いを
映像とメッセージでプレイリスト化できるサービス
「snow jam」の撮影は死ぬかと思った
──RecTVはミュージックビデオやライブ映像などの音楽映像コンテンツから好きなシーンだけをまとめて、自分だけのプレイリストを作れるサービスです。Rin音さんの楽曲はMV化されているものが多い印象ですが、Rin音さんにとってMVはどういうものですか?
MVがあるとないとじゃ全然違いますよね。せっかく曲をYouTubeで公開するなら映像があったほうがいいなって軽いノリで作り始めましたけど、やっぱりあったほうが聴いてもらえると思うし、MVは楽曲の可能性を広げたり、深めたりしてくれるものだと思います。使い方はいろいろあって、自分がイメージする曲の全体像をMVで再現するのも面白いし、楽曲のテイストとは違う映像にしたり、映像を主役にして楽曲をそのBGMにするような作品もあるのかなと。
──なるほど。
僕は歌詞をガーっと書くよりも先にメロディとかフロウを自分の中で練ってから、歌詞を付け足していく曲の作り方をしていて。自分の中にある楽曲のストーリーはしっかりまとまってるんですけど、やっぱりリスナーにはいろんな人がいて、僕と同じ経験がなかったり、違う考え方をしていたりすると、うまく伝わらないこともあると思うんです。MVがあると、その欠けている部分の補完ができるというか、歌詞で表現できなかった部分を細かく緻密に再現できる。
──YouTubeのコメントは見ますか?
見ます見ます。コメント欄を見ると、いろんな解釈をみんながしてくれているのが面白いなと思いますね。僕が出した曲が誰かの曲として生まれ変わっているのがわかってうれしい。
──Rin音さんの代表曲となった「snow jam」は約1500万回再生(※2020年12月現在)されていますが、ここまで再生されると思っていましたか?
いやまったく(笑)。でも、「snow jam」はずっと自分が曲を作ってもらいたかった人に曲を作ってもらえて、やりたかったことをやれた曲なんですよね。バイトしながら音楽を作っている中ではお金が足りないこともあって、やりたくてもやれないことがあったんですけど、去年の7月に出した1st EP「film drip」が評価されたことで状況が変わって。自分の理想が実現できたのが「snow jam」だったので、たくさん聴いてもらえてよかったです。
──トラックをプロデュースしたのはRhymeTubeさんですよね。
はい。トラックメイカーさんそれぞれに色があって、必ずしも自分のイメージそのままじゃないのが面白いんですけど、「snow jam」はトラックが届いた瞬間に「これだ!」っていう感じがありました。「わあ、すごい……」って(笑)。
──MVの構想は楽曲制作中からあったんですか?
いや、全然ですね。MVを監督してくれた中江啓太さんとは「snow jam」を制作し始めた頃に出会ったんです。中江さんは僕の「Sweet Melon feat. ICARUS」って曲をYouTubeで聴いてくれてたり、仲間のことを知ってくれたりしていて。福岡にライブを観に来てくれていたときにMVを撮っていただけるという話になり。それから「snow jam」ができたので、改めてお願いしたという感じです。「snow jam」の撮影のときは本当に寒くて……。雪で濡れるとめちゃめちゃ冷たいので長靴を履いているんですけど、雪の上を歩いているうちに雪が長靴を超えて指にきちゃって。まったく感覚がなくなって「どうしよう……」みたいな(笑)。濡れた靴下とかを全部脱いでコンクリートの上を歩いたら、あったかく感じるくらいでした。
──リラックスした感じで歌ってますが、かなりつらい状況だったんですね。
死ぬかと思いましたね(笑)。「まだ撮るんだ……」っていう。
人生初の泥棒
──中江さんは「snow jam」を含め4本くらいRin音さんのMVを撮ってますよね。
はい、中江さんは自分なりに曲を解釈したうえで僕と話をしてくれて、作品の意図や伝えたいことの本質をMVに残してくれる。僕は映像についてはまったくわからないので、作品をうまく映像で表現してくれるのはすごくうれしいし、ありがたいですね。
──Rin音さんからMVの作り方について指示することはないんですか?
いやー、もう全然しないっす。ハハハ(笑)。僕の担当は音楽。もちろんイメージは伝えるんですけど、映像の細かい良し悪しとかはわからないので、ホントにフィーリングだけですね。中江さんは毎回そうなんですけど、細かく指示をくれるんじゃなくて「大体こんな感じで」っていう大まかな指示をくれて、あとは現場のノリで動く感じなんですよね。楽しいです。
──ご自身のMVでほかに印象に残ってる作品はありますか?
「earth meal」はすごく神秘的な感じというか。
──地球に2人だけが残されたという設定を表現していて面白いですよね。
誰もいないボウリング場での撮影とか、めちゃめちゃ楽しかったですね。コンビニにあるものを勝手に飲んじゃうみたいなのも人生初で……初泥棒しちゃった(笑)。すごく貴重な体験でした。
──クボタカイさん、空音さんとコラボした「Summer Film's」はどうですか?
あんなふうにみんなで集まってレコーディングすることってないんですけど、ちょうど空音が福岡にライブで来るタイミングがあって。せっかくなのでレコーディング風景をみんなで撮り合っていたんですけど、アイツらが撮った動画をLINEで送ってきたんですよ。それを僕が放置してたら、有効期限が切れて全部消えちゃって(笑)。アイツらも送ったあと消してて。だから空音がレコーディングしてる場面が多く映ってると思うんですけど、本当は僕やクボタカイがレコーディングしてる場面ももっとあったんですよね。
──このMV、ちょっと気になってたんですが、関暁夫さんが映るのは何か意味があるんですか?
全然ないです(笑)。クボタカイが持ってたiPadにたまたま映ってて「なんで?」って思いながら撮ったという。まあ3人でいるときの雰囲気はあんな感じですね。
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2021年2月26日更新