スペースシャワーTVとABEMAにて放送・配信中のサバイバル番組「Re:Born」が、11月8日よりファイナルステージに突入する。
「Re:Born」は韓国でデビュー経験があるボーイズグループ12組が日本デビューを懸けて競い合うサバイバル番組。スペースシャワーTVでは、10月25日放送の第5話より、エピソード終了後にビハインド映像が独占放送されている。
この特集では、最終ステージに向けて番組の見どころや魅力を紹介するとともに、これまでのエピソードを振り返る。また、音楽ナタリーは「Re:Born」を手がける構成作家のクォン・ジャンディ氏にメールインタビュー。日々参加者たちと向き合う彼女に、回を追うごとに生じた心境の変化から、YOASOBIやBE:FIRSTをはじめとした5組のJ-POPアーティストの楽曲をカバーする2ndステージの課題曲の選曲理由まで、さまざまな質問を投げかけた。「誰しも失敗や挫折を経験しますが、救いの手が差し伸べられれば、人は何度でも立ち上がることができる。その勇気を、この番組を通して共有したかった」などといった彼女の言葉を通じて、この番組に注がれる並々ならぬ情熱を感じ取ってほしい。
文 / 岸野恵加インタビュー構成(クォン・ジャンディ氏) / 獅々堀智世
「Re:Born」は、韓国でデビューした経験を持つK-POPボーイズグループが日本デビューを懸けて真剣勝負を繰り広げるリアリティサバイバル番組。さまざまな経歴を持つ、AIMERS、BeMAX、BXB、DIGNITY、DKB、DXMON、EASTSHINE、E'LAST、L5ST、WAKER、WEUS、XODIACの12組が参加している。迫力のパフォーマンスはもちろん、それぞれのグループが抱える葛藤やこれまでに経験してきた苦悩など、華やかなだけではないK-POPシーンのリアルな面も映し出している。
制作を務めるのは「PRODUCE 101 JAPAN SEASON2」「SHOW ME THE MONEY」を手がけた、日韓トップクラスのスタッフたち。番組のMCは“アジアのプリンス”と呼ばれ、日本での知名度も高いチャン・グンソクが務める。審査員には、K-POP第1世代の国民的グループ・g.o.dのメンバーであるキム・テウ、「PRODUCE 101 SEASON2」「PRODUCE X 101」でトレーナーを務めたシンガーソングライターのシン・ユミ、「STREET WOMAN FIGHTER」への出演で知られ、XGなどの振付を手がけるダンサーのヒョジン・チョイが名を連ねている。
本編は毎週金曜22時より、スペースシャワーTVとABEMAで放送中。11月8日の放送回では、いよいよFinal missionがスタートする。さらにスペースシャワーTVでは、本編終了後の23時より未公開シーンを集めた「Re:Born -Behind-」を独占でオンエアしている。参加グループのステージに懸ける切実な思いや、ディープな人間ドラマに注目してほしい。
なお優勝チームを決める視聴者投票は、11月4日まで楽天グループの投票サイトで実施された。
1st mission
12組が、グループごとに渾身のパフォーマンスを披露。審査員3人は、パフォーマンス35点、歌唱力35点、スター性30点の100点満点で採点し、上位を獲得した5組が、2nd missionに進出する。
#1 Re:hearsal
ついに1st missionの幕が開いた。冒頭ではチャン・グンソクが参加者へ熱いエールを送り、審査員の3人は「中小事務所のアイドルは、大手事務所よりとても不利な状況で活動している」「アイドル全盛期の中で生き残れるのは2、3チームくらい。寿命は短くなっている」など、K-POP業界のシビアな現実について語っていく。
第1話から第3話までは、12組がパフォーマンスを順に披露する1st missionの様子をオンエア。まだデビュー前のグループや以前同じグループで活動していたメンバー同士、別のサバイバル番組で共演した経験を持つグループなど、個性豊かな顔ぶれが一堂に会し、早くも多くのドラマの誕生を予感させる。
第1話では、E'LASTが1番手としてパフォーマンスを披露。6人がステージに上がると、優勝候補と目されることもあり、熱い視線が注がれる。E'LASTは2023年2月リリースの「Thrill」をパフォーマンスし、曲の後半では日本語の歌詞を流暢に披露。日本デビューへの野心を見せた。
#2 Re:play
第2話ではWAKER、XODIAC、EASTSHINE、BeMAX、L5ST、DXMONがパフォーマンスを披露。WAKERは2024年1月のデビューに先駆け、無名の状態ながら日本で毎週10回ほど公演をしていたグループ。街頭でビラ配りをするなど、地道に活動を続けた。ビジュアルがBTSのVに似ていると話題になったメンバーのKWONHYEOPは、日本語が堪能。チャン・グンソクとの自然なイントネーションでのハイレベルな日本語会話にも注目してほしい。
そして王子様のような純白の衣装で現れたXODIACは、参加グループの中で最も大所帯の9人組。メンバーのZAYYANはK-POPアイドルの中で初のインドネシア出身メンバーで、インドネシアでは国賓級の扱いを受けているという。野性味あふれるBeMAXは、MUSTB名義で活動していた時代に交通事故に遭い、マネージャーが亡くなったという過酷な記憶について涙ながらに振り返った。またさわやかな風を吹かせる最年少のEASTSHINE、「Re:Born」が初の舞台となったL5STなど、バラエティ豊かなステージが続く。
第2話で、最も出演者と視聴者の度肝を抜いたのはDXMONだろう。2024年1月にデビューした5人はそろって恥ずかしがり屋で、トークではチャン・グンソクの質問におどおど答える。しかし曲のイントロが流れ出すと豹変し、鋭い目線で強烈なラップ、ダイナミックなダンスを展開。さらにステージを端まで練り歩いて参加者たちを煽る余裕まで見せ、大きな歓声を起こした。
#3 Re:boot
1st missionの締めくくりとなる第3話では、DKB、AIMERS、WEUS、BXB、DIGNITYがステージに登場。デビューから5年目を迎えたDKBは、さすがの実力で「やっぱりベテランの風格は無視できませんね」と審査員をも唸らせる。その後に出番を迎えたAIMERSを、チャン・グンソクは「重圧を感じているのでは」と慮るが、AIMERSはプレッシャーをものともせず、余裕に満ちたパフォーマンスで高評価を得た。
BXBは別グループでの活動を経て、再デビューを経験した4人組グループ。10年以上の仲だけに、アットホームなムードを生み出す。そして年齢の近い5人が音楽を楽しむために結成したという新人グループ・DIGNITYはスポーティな衣装でさわやかなエネルギーを発揮し、WEUSは東洋風の振付とコスチュームで独自の魅力を放った。
この回をもって12組のパフォーマンスがすべて終了。審査員による採点の結果、1位にAIMERS、2位にDKB、3位にDXMON、同率4位にE'LASTとEASTSHINEが輝き、2nd missionへの進出を決めた。
2nd mission
2nd missionは、5組がJ-POP曲のカバーに挑戦するステージだ。課題曲はYOASOBI「アイドル」、音田雅則「fake face dance music」、BE:FIRST「Masterplan」、SPYAIR「サムライハート」、I Don't Like Mondays.「Sin City」の5曲。シンガーソングライターからバンド、ダンス&ボーカルグループまで、幅広いジャンルの楽曲が用意された。審査員はパフォーマンス35点、歌唱力35点、スター性30点の100点満点で採点し、1位のチームにはFinal missionに向けてベネフィットが与えられる。
#4 Re:set
どの曲をパフォーマンスすればよい評価を得ることができるのか、グループ内で真剣に話し合う5組。意外な一面を見せたいと意気込むグループから、自分たちの魅力を生かすことを意識するグループまで、戦略はさまざまだ。1位のAIMERSから順に選曲していき、AIMERSはSPYAIR「サムライハート」、DKBはYOASOBI「アイドル」、DXMONはBE:FIRST「Masterplan」、EASTSHINEは音田雅則「fake face dance music」、E'LASTはI Don't Like Mondays.「Sin City」を披露することに決まった。
ある日スタジオに集まった5グループは、体を張ったゲームで対決し、2nd missionの出演順を決めていく。そこへ突如ヒョジン・チョイが登場。2nd missionの運命を大きく左右する、ベネフィット獲得を賭けたカバーダンス対決が展開された。
そして舞台は2nd missionの本番へ。ゲスト審査員としてKARAのギュリとニコルが登場し、会場が一層華やぐ。日本で愛されるグループのメンバーとして長年活躍してきた2人は、「ファンと日本語でコミュニケーションをすることがとても重要」「今はK-POPアイドルが非常に多いので、チームならではの特徴や武器を必ず持つべき」と、5組にアドバイスを贈った。
#5 Re:fresh
第4話でベネフィットを獲得したDKB。そのベネフィットとは、指定したグループと出演順を換えられるというものだった。1番手を予定していたDKBは願ってもないと、4番手のDXMONと順番を交換することに。DXMONは急遽、トップバッターを務めることになってしまった。
K-POPのサバイバル番組で、J-POP楽曲が課題曲として使用されることは非常に珍しい。2nd missionでは、J-POPの多様性と特異性が浮かび上がってくるような興味深いシーンが続いていく。
DXMONが披露する「Masterplan」といえば、BE:FIRSTのメンバーがクリエイティブに深く携わった楽曲で、コレオグラフはBE:FIRST史上最高難度と言われる。中間チェックではヒョジン・チョイから「インパクトがない。死ぬ気で合わせないと」と厳しい言葉が飛び、シン・ユミは「日本語はほかの言語に比べて発音がハキハキしている。この曲はリズムに乗るのが大事」と指摘した。DXMONは猛練習を重ねて本番に臨み、ニコルからも称賛の言葉を受ける。
EASTSHINEは、音田雅則が2023年に発表した「fake face dance music」に挑戦。審査員からは中間チェックで「もっとセクシーに」とアドバイスを受け、流れるように歌うべきだと指摘される。本番のステージでも、5人は日本語特有のリズムをグルーヴに乗せきれず、歌唱面での指摘が続いた。
そしてSPYAIR「サムライハート」を披露するAIMERSは、バイトに明け暮れた下積み時代の苦労を回想しつつ、路上ライブから上り詰めてきたSPYAIRのストーリーに共感。ロックナンバーに合わせてエネルギッシュな振付を創作するも、「完成度が低い」と辛辣な評価に終わってしまった。
【#5:J-POPステージ】DXMON|Masterplan / BE:FIRST
【#5:J-POPステージ】EASTSHINE|fake face dance music / 音田雅則
【#5:J-POPステージ】AIMERS|サムライハート / SPYAIR
#6 Re:make
2nd missionも、残るはDKBとE'LASTのステージのみ。DKBはYOASOBIの「アイドル」という、普段のワイルドな彼らからはかけ離れた楽曲を、あえて選曲した。しかし振り切ってキュートな表現をすることができず、中間チェックではヒョジン・チョイから「見ていてこっ恥ずかしい」と酷評されてしまう。鏡とにらめっこし、深夜まで練習を重ねたDKB。本番では別人のように進化したステージを展開し、最後には全員そろってギャルピースを決めて、新境地を見せた。
トリを務めたE'LASTは、I Don't Like Mondays.の「Sin City」を披露。会社員の退勤後の姿を描いた歌詞にちなみ、Yシャツにネクタイを締めた会社員ルックで登場した。冒頭には演技パートを盛り込んで、観る者を自分たちの世界観に引き込み、洗練された雰囲気の中、ハンドマイクで安定した歌声を響かせる。KARAのギュリに「この会社に入社したいです!」と言わしめるほど、E'LASTは審査員全員から高い評価を得た。
【#6:J-POPステージ】DKB|アイドル / YOASOBI
【#6:J-POPステージ】E'LAST|Sin City / I Don't Like Mondays.
そして、ついに2nd missionの結果が発表に。1位のグループには、東京の街頭ビジョンへの広告掲出権と、Final missionの出演順決定権が与えられる。果たして1位に輝いたグループは?
Final missionは新曲対決。結果発表を終えてそれぞれのグループが控え室に戻ると、机の上に謎のカードが置かれていた。そこには「挑戦状」と記されており……。
チャン・グンソク
アーティストとしても活躍し、2011年に日本デビュー。1stシングル「Let me cry」は海外アーティスト史上初のオリコンシングルランキング初登場1位を記録した。“グンちゃん”の愛称で、多くの日本人から愛されている。
チャン・グンソクは2016年に放送された、韓国のサバイバル番組「PRODUCE 101」シーズン1でも番組MCを務めていた。「Re:Born」第1話では「その時に感じたことは、光を見るチャンスは全員には与えられないという事実でした」と、当時をもどかしそうに述懐。きっと参加者に過去の自分を重ね合わせる瞬間もあるのだろう。「このサバイバルに参加するすべての人が原石だと思っている」「僕が手伝えることがあるなら、いくらでもベストを尽くして手伝いたい」と熱い思いを語っている。彼が参加者たちにかける温かい言葉の数々も、「Re:Born」の大きな見どころの1つだ。
AIMERS(エイマス)
2022年11月にデビューした6人組グループ。“照準者”という意味を持つグループ名には「皆さんの心臓を照準にして心をつかむ」という自信と抱負が込められている。地下3階の暗くジメジメとした場所で練習を重ね、“光合成ドル”の異名を持つ。1st missionでは、「一見簡単そうに見えるダンスだが、細かくこだわったからこそ見せられるクオリティの高さ」と審査員から絶賛を受け、1位に輝いている。
DKB(ダークビー)
2020年2月にデビューした、日本人メンバーのYUKUを含む8人組グループ。グループ名は「Dark Brown Eyes」の略で、「アジアを駆け抜ける茶色い瞳を持つ少年たちが、音楽を通じて全世界に広がっていく」という意味が込められている。爆発力のあるパフォーマンスに定評があり、作詞作曲や振付創作など、楽曲のプロデュースを自分たちの手で手がける。2022年には単独アメリカツアー、日本初のショーケースを開催するなど、グローバルに活躍。2023年にはサバイバル番組「PEAK TIME」で最終順位4位に輝いた。メンバーの1人である LUNEは活動休止中のため、「Re:Born」には7人で参加している。
DXMON(ダイモン)
woo!ah!の所属事務所であるSSQエンターテインメントより、2024年1月にミニアルバム「HYPERSPACE」でデビュー。日本人メンバーのSEITAを含む5人のメンバーで構成される。グループ名はギリシャ語に由来し、「自分たちの運命を進取的に決定して成し遂げる」という意志が内包されている。2024年5月には「KCON JAPAN 2024」に出演。メンバー5人中4人が内向型でシャイなムードを放つも、ステージでは別人のような野性味あるパフォーマンスで観客を魅了する。
EASTSHINE(イーストシャイン)
2023年11月にデビューした5人組グループ。平均年齢18歳と「Re:Born」参加グループ中最も年齢が低く、最年少メンバーであるタイ出身のPHOENIXは2009年生まれの15歳。グループ名には「東(EAST)に位置する韓国で光(SHINE)になることを祈る」という意味が込められている。2024年夏には初の来日イベントを開催。「Re:Born」第1話では、はつらつとした雰囲気を放ちながら電車ごっこをするように登場し、1st missionのパフォーマンスは審査員から「SHINeeのようだ」「純粋にステージを楽しんでいて、メンバーの息が合っているさまが本物だと感じられる」と高い評価を受けた。
E'LAST(エラスト)
2020年6月にデビューした6人組グループ。グループ名は「Everlasting」の略で、「時間と空間の制約を離れて、自身の音楽を通じて永遠にリスナーのそばにいたい」という思いが込められている。メンバーのWONHYUKとWONJUNは2019年放送の「PRODUCE X 101」に出演していたことで知られている。2022年には日本初の単独公演を開催。「Re:Born」第1話では、チャン・グンソクから「本当に皆さんカッコよくて、僕は隣に立てるか心配でした(笑)。背が高くてとてもきれいです」とオーラを絶賛されている。