ЯeaL特集 Ryoko(ЯeaL)×MOMIKEN(SPYAIR)|憧れの先輩が示す、新たな世界への道

私は後悔するような生き方はしたくない

──「Unchain My Heart」というタイトルを掲げた曲として、非常に説得力のある内容になりましたよね。自らを解放したうえで作ったわけですから。

ЯeaL「Unchain My Heart」ミュージックビデオのワンシーン。

Ryoko うんうん。このタイトルに決めたのは、今年の4月に私が虫垂炎になって、1カ月間お休みしていたことがきっかけになったんですよ。手術と入院を経験したことで、私は後悔するような生き方はしたくないし、自分で作った定義みたいなものを壊して、新しいステージに行きたいと強く思ったんです。その思いがMOMIKENさんのおかげで1つ現実になったわけですからね。

MOMIKEN いやいや、僕はホントに視界をクリアにして、彼女の持っているいいものを爆発させてあげただけですから。言葉の選び方なんかはもともと、Ryokoちゃんらしいセンスがありますからね。

──ちなみにこの曲のレコーディングにもMOMIKENさんは立ち会われたんですか?

MOMIKEN 歌録りだけ立ち会いました。すごくスムーズでしたよ。喉の強さも感じたし、伸びやかだし、見ててすごく気持ちがよかった。

Ryoko うれしい! 昔は1曲の歌入れに10時間くらいかかってたんですよ。思ったように歌えなさ過ぎて号泣したり。それがトラウマになってるから、今はできるだけ短時間で終わらせるようにしてます。「Unchain My Heart」はナチュラルに、歌詞に忠実に歌うことを心がけた感じですね。いつもはわりと崩した感じで、勢いのままに歌うことが多いんですけど、今回はとにかく言葉を大事に大事に。曲の後半では感情が開けていくイメージで歌いました。

MOMIKEN すごく大事に歌ってるのは伝わってきた。歌録りのときはスタッフさんも含めて、チーム全体がひとつになって集中してたよね。

Ryoko あ、スタッフさんが集中してるのは私の滑舌問題があるからですね(笑)。めっちゃ滑舌が悪いんで、集中して聴いてもらわないと、あとで「ここなんて歌ってんだ?」みたいになっちゃうから。

MOMIKEN あー、確かに現場では最後の最後、チラッとその滑舌問題が見えた瞬間もあった(笑)。いやでも、ホントにロックバンドらしいカッコいい曲になったと思いますね。

ギターアンプがドーンと鎮座

──「Unchain My Heart」の翌週には、SPYAIRの「現状ディストラクション」のカバーも配信されましたね。なぜこの曲を選んだんですか?

Ryoko 最初に言ったように「銀魂」の映画でこの曲を聴いてすごく印象に残っていたし、メンバー全員普段から聴くくらい好きな曲だったんですよ。「サムライハート(Some Like It Hot!!)」と迷ったんですけど、より私たちの中心に存在していたのが「現状ディストラクション」だったので、こちらを選ばせていただきました。

MOMIKEN 聴かせていただきましたけど、めちゃめちゃ忠実にカバーしてくれてるんですよ。「ここまでやる!?」っていうくらい、細かいギミックなんかも再現してくれているのが面白くて(笑)。もうちょっと崩してくるかと思ったんだけどね。

ЯeaL「Unchain My Heart」ミュージックビデオのワンシーン。

Ryoko 自分で楽曲を作ってるからこそ思うんですけど、そのミュージシャンが作り上げた歌詞やメロディ、アレンジには意味があるんですよ。その人が正解だと思って作ったものは、やっぱりそれが正解でしかないし、それ以上のものは絶対に生まれないと思うので、私は寸分違わず忠実にカバーしたかったんです。みんなで「これ半音上がってる?」みたいな感じで何度も原曲を聴きながら、リスペクトを込めて作っていきましたからね。ただ、歌はめっちゃ難しかったです(笑)。今まで歌ってきた中で一番難しかったかもしれない。

──原曲は体に染みこむほどずっと聴いてきたわけですよね。

Ryoko そうなんですよ! 歌詞もメロディも全部頭に入っていたから、改めて聴かなくても歌えると思ってたのに、いざやってみると全然歌えなくて。ボーカルのIKEさんはめっちゃすごいんだなって改めて実感しましたね。

MOMIKEN へえ。それIKEに言ったら喜ぶよ!

Ryoko あははは(笑)。今回カバーさせていただいたことで、改めてSPYAIRさんの楽曲の素晴らしさに感動しました。自分の中からは絶対に出てこないメロディを歌うのはやっぱり刺激になりますね。

ЯeaL「Unchain My Heart」ミュージックビデオのワンシーン。

MOMIKEN ちなみにこの曲のミュージックビデオも観せてもらったんだけど、1つのカメラを据え置きで撮ってるよね? そういう撮り方をして最後まで飽きさせないのは、バンドの持っている力だと思うんだよね。最初の立ち姿からしてすごい存在感があるし。ЯeaLの持っているバンド力、ライブ力をしっかり伝えるいいMVだと思います。

Ryoko わ、うれしい(笑)。

MOMIKEN あともう1つ。MVでは、第4のメンバーのようにDivided by 13(ギターアンプ)がドーンと真ん中に置いてあるのも面白くて(笑)。機材マニアなんでしょ?

Ryoko はい。機材オタクです(笑)。15歳くらいからDivided by 13が好きすぎて。最近やっとフルオーダーで手に入れることができたので、それ以来、絶対MVには出してるんです。今回のMVはワンカメなのでより目立ってますよね。鎮座(笑)。

対バンは15年後くらいにお願いします

──今回のMOMIKENさんとの制作を通して、Яealがネクストステージに突入したことは間違いないですよね。

Ryoko ホントにそう思います。今も制作は続けているんですけど、今回MOMIKENさんに言われたことが体に突き刺さっているので、それを常に意識しながら歌詞を書いていますしね。これからのことを考えるとワクワクします。とりあえずはツアーで「Unchain My Heart」をみんなに早く聴いてほしいですね。で、「どう? どう?」っていろんな人の意見を聞きたい(笑)。

MOMIKEN なんかね、今回のプロデュース作業を通して「ЯeaLとSPYAIRは似てるかもな」ってちょっと思ったりしたんですよ。ガールズバンドだけどセンチメンタルな恋愛の曲はほとんどやらず、僕らと似たようなメッセージを放っているでしょ? お客さんを導きたい方向もなんとなく似ている気がするし。

Ryoko うれしい! 私も勝手に似てると感じてました(笑)。SPYAIRさんは唯一無二のレジスタンス感を持っているように思っていて。私たちもそういうメッセージを大事にしてるんですよ。現状を切り開いて前に突き進んでいくとか、生きるために自分たちの何を賭けるか、みたいなメッセージを。そういうことを歌うガールズバンドはほとんどいないと思うから、そこを私たちの強みにしていきたいんですよね。

ЯeaL「現状ディストラクション」ミュージックビデオのワンシーン。

MOMIKEN 僕らもあんまり恋愛の曲をやらないからね。そういう曲を書いている人はいっぱいいるから、聴きたくなったらそっちに行けばいいじゃんって思う(笑)。僕らには僕らの役割があるので。

Ryoko わかります! うちらも女子から共感を得るためには、恋愛の曲を書いたほうがいいってずっと言われてきたけど、抵抗してるんで(笑)。

──そういった近いアティチュードを持った2組ですから、対バンとかやってもよさそうですけどね。

MOMIKEN あー。今回の制作も楽しかったですからね。アリかもしれないですよ。

Ryoko いやいやいや! まだムリです。まだまだ同じステージに立てると思えないので、15年後くらいにお願いします(笑)。それまでは観客としてSPYAIRさんのライブに参加させてください。

ЯeaL ツアー情報

ЯeaL ワンマンツアー 2019 -Unchain My Heart Tour-
  • 2019年9月28日(土)京都府 GROWLY
  • 2019年9月29日(日)兵庫県 神戸VARIT.
  • 2019年10月11日(金)福岡県 INSA
  • 2019年10月12日(土)広島県 HIROSHIMA BACK BEAT
  • 2019年10月20日(日)千葉県 DOMe Kashiwa
  • 2019年11月1日(金)神奈川県 セルビアンナイト
  • 2019年11月3日(日・祝)大阪府 心斎橋CLUB DROP
  • 2019年11月4日(月・振休)愛知県 APOLLO BASE
  • 2019年11月24日(日)東京都 下北沢SHELTER

SPYAIR ツアー情報

SPYAIR MOMIKEN & KENTA BAND TRIAL~ASIA TOUR 2019~
  • 2019年10月5日(土)大阪府 キャットミュージックカレッジ専門学校 CAT HALL
  • 2019年10月6日(日)京都府 ライブスポットラグ
  • 2019年10月8日(火)岡山県 DESPERADO
  • 2019年10月9日(水)香川県 BEATLES
  • 2019年10月10日(木)広島県 CAVE-BE
  • 2019年10月12日(土)福岡県 専門学校 九州ビジュアルアーツ
  • 2019年10月14日(月・祝)沖縄県 OKINAWA Cyber-Box
  • 2019年10月25日(金)静岡県 LIVE ROXY Shizuoka
  • 2019年10月26日(土)愛知県 名古屋スクールオブミュージック&ダンス専門学校 イベントホール
  • 2019年10月27日(日)三重県 MUSIC SPACE 鈴鹿ANSWER
  • 2019年11月9日(土)東京都 東京ビジュアルアーツ メディアホール
  • 2019年11月12日(火)宮城県 SENDAI BIRDLAND
  • 2019年11月13日(水)青森県 青森Quarter
  • 2019年11月15日(金)北海道 函館club COCOA
  • 2019年11月16日(土)北海道 SBM 札幌放送芸術&ミュージック・ダンス専門学校
  • 2019年11月17日(日)北海道 帯広STUDIO REST
  • 2019年12月4日(水)長野県 LIVE HOUSE J
  • 2019年12月5日(木)石川県 Kanazawa AZ
  • 2019年12月7日(土)新潟県 国際音楽・ダンス・エンタテイメント専門学校 新潟SHOW!CASE!!
  • 2019年12月8日(日)群馬県 ダストボウル REFUGE 高崎
  • 2019年12月9日(月)福島県 郡山CLUB #9