音楽ナタリー Power Push - ЯeaL
SNS世代の本音ぶちまける「仮面ミーハー女子」
今年3月に高校卒業目前のタイミングでメジャーデビューを果たした4人組バンドЯeaL。デビュー直後に大阪・大阪城野外音楽堂でレコ発イベントを成功させるなど大きな注目を集めている彼女たちから、デビューシングル「秒速エモーション」に続くニューシングル「仮面ミーハー女子」が届けられた。
高速で駆け抜けるビート、緻密に構築されたアレンジ、ポップに振り切ったメロディ、そして「鍵つき 裏アカ 言いたいことぶちまけていたい」に象徴される本音剥き出しの歌詞からはロックバンドとしてのЯeaLの個性が強く伝わってくる。
今回音楽ナタリーではメンバー全員にインタビュー。メジャーデビュー後の環境の変化、シングル「仮面ミーハー女子」、さらに今後の展望について語ってもらった。また特集の最後には「仮面ミーハー女子」のミュージックビデオの監督を務めた山岸聖太と、MVで主演を務めたモデルの阿知波妃皇のコメントも掲載する。
取材・文 / 森朋之
自分たちの意見をしっかり持たないとダメ
──メジャーデビューから約5カ月が経ちました。高校も卒業してバンド活動中心の生活になっていると思いますが、環境の変化は感じていますか?
Ryoko(Vo, G) 学校に行かなくなった分、動きやすくはなってますね。
Aika(Dr, Cho) うん。前は平日に動くことがあまりなかったから。
Ryoko 月曜日から金曜日までは学校で、土日に東京で稼働して、また月曜日に学校に行くっていう感じだったからね。
Fumiha(B, Cho) 月曜日から東京にいるとか、なかったですね。
Ryoko 東京に来ると“休日”って感じがしてたので、平日に稼働してると不思議ですね(笑)。
Yurika(G, Cho) ってことは、今はずっと休日やな(笑)。
Ryoko でも、基本的なスタンスは変わってないかもしれないです。メジャーデビュー前も「いい曲を作らなくちゃいけない。カッコいいバンドでありたい」と思っていたので。もちろんメジャーデビューできたのはいいことだけど、バンドに対する考え方はそこまで変わらないというか。
──メジャーデビュー前から、やるべきことを見据えて動いていたと。
Ryoko そう……ですね。3月の野音のワンマンライブを終えて、ツアーを回って。その過程の中で、自分たちに何が足りないか、次はどうすればいいか、というのも見えてきたんですよ。ライブ、楽曲のクオリティもそうだし、細かいことも具体的にわかってきたから、それを少しずつやっているところですね。
Yurika ギターに関して言えば、正確性をもっと高めたくて。正確かつ動きは派手にしたいというか。
──ЯeaLの楽曲は緻密なフレーズが多いですからね。
Yurika そうですね(笑)。もっと余裕を持って弾けるようにしないと……顔が引きつって、棒立ちで弾いてたらヤバいんで。
Fumiha リズム隊はグルーヴを大切にしたいと思っていて。いい演奏ができるようにがんばろうと思ってます。
Aika Fumihaと私でバンドのリズムを支えないといけないので。男性バンドと対バンすると、自分のドラムの音圧が薄っぺらいというか「音が小さいな」って思うことがあって。もっとパワフルなドラムを叩きたいから、体幹を鍛えてるんです。まだまだ勉強中ですね。
Ryoko 自分本位ではなくて、外から客観的に自分たちを見ることも必要ですよね。そこでいろいろと分析してから動いたほうが、早いと思うので。
──メジャーデビュー後はЯeaLを知る人の数も増えてるだろうし。
Yurika それはありますね、すごく。関わってくれる人も増えたので。
Ryoko だからこそ、自分たちの意見をしっかり持たないとダメなんですよね。人に委ねすぎてしまうと、ЯeaLというものがわからなくなるというか。曲のこともそうなんですけど、まずは4人でしっかり話して「自分たちはこうしていきたい」という明確なものがないと「ЯeaLって何? 何がしたいの?」ということになってしまうので。進む道を自分たちで考えた上で、それを周りの大人たちやファンの人たちの共有していきたいですね。
女の子だからってナメんなよ
──メンバー同士のコミュニケーションも増えてますか?
Ryoko 最近はよく話すようになったよな?
Aika うん。ライブのあともそうだし。
Ryoko 以前はライブの反省をなあなあにしてたところもあるんですよ。でも、今はライブ直後に「今日はどこがよくて、どこが悪かったか」「次はどうするか」ということを話し合うようにしていて。そこは前と変わった部分かな。
Yurika あと、みんなで一緒にライブを観に行ったり。
Ryoko 同じ音楽やライブ体験を共有するのも大事だと思うんです。「こういうふうにしたい」と言ったときに、4人の捉え方が違うのもよくないので。
──どんなバンドのライブを観に行ってるんですか?
Aika この前、BLUE ENCOUNTさんのライブに行きました。
Ryoko あとはTHE ORAL CIGARETTESさんとか、9mm Parabellum Bulletさんとか。私たちも彼らのような激しい音楽がやりたいんです。
Yurika ゴリゴリのね。
Ryoko 「女の子だからってナメんなよ」っていう気持ちも強いので。ゴリゴリの音で攻めながら、女の子だからこそ華麗に見せられる部分もあるっていうのがいいと思うんですよね。
──2ndシングル「仮面ミーハー女子」もまさにそうですね。攻撃的な面とポップなサウンドが共存している曲だと思いますが、シングル曲のセレクトもメンバーで話し合ってるんですか?
Ryoko いや、スタッフさんと私が話して決めてますね。
Fumiha 話に入れてくれないんです(笑)。
Ryoko 曲が書けないときは相談しますけどね。
Fumiha 都合いいんですよー!
Ryoko 都合がいい女みたいになってるけど(笑)。「仮面ミーハー女子」は野音ライブのちょっと前くらいに作ったのかな。それをアレンジャーさんとブラッシュアップして、歌詞を書き変えて。
Yurika ブラッシュアップって言ってますけど、最初にデモを聴いたときはビックリしましたね。かなりできあがってる状態だったので。
Ryoko デビューのちょっと前から打ち込みを始めたんです。その前は弾き語りで曲を書いて、それをアレンジャーさんとやり取りしながらデモ音源にして、そのあとにメンバーに渡していたので、かなり時間がかかっていたんですよ。だから「自分で打ち込みができるようになったら早いな」と思って、DTMを始めて。ドラム、ベース、ギターまで入れたデモを作ったのは、この曲が初めてですね。
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収録曲
- 仮面ミーハー女子
- 星が見えないこの街で
- レモンスカッシュ
- 仮面ミーハー女子 ~Instrumental~
2ndシングル「仮面ミーハー女子」リリース記念インストア&アウトストアイベント
- 2016年8月6日(土)大阪府 ディスクピア日本橋店
- [第1部] OPEN 13:30 / START 14:00
[第2部] OPEN 16:30 / START 17:00 - 2016年8月7日(日)大阪府 タワーレコード難波店
- [第1部] OPEN 15:45 / START 16:00
[第2部] OPEN 16:45 / START 17:00 - 2016年8月14日(日)東京都 Shibuya eggman
- OPEN 11:30 / START 12:00
ライブ情報
- Escapism vol.4
2016年8月31日(水)東京都 Shibuya Milkyway - OPEN 18:00 / START 18:30
<出演者>ЯeaL / 赤と嘘 / Unfitcooder / WTCヤンチャ倶楽部 / and more
ЯeaL(リアル)
Ryoko(Vo, G)、Yurika(G, Cho)、Fumiha(B, Cho)、Aika(Dr, Cho)からなるガールズバンド。2012年12月、当時中学3年生だった4人によって結成され、関西圏を中心にライブ活動を開始する。2013年には「eo Music Try」の決勝大会に進出し、2014年7月には大阪・阿倍野ROCKTOWNで行われた初のワンマンライブのチケットを完売させ、12月には初の全国流通盤「Change Your ЯeaL」を発表するなど注目の存在に。また2015年8月にはオーディション「出れんの!?サマソニ!?」を勝ち上がり「SUMMER SONIC 2015」に出演。4人の高校卒業月となる2016年3月、シングル「秒速エモーション」でメジャーデビューを果たす。8月に2ndシングル「仮面ミーハー女子」を発表。