ジャムセッションでは曲を作れないと思っていた
──そういう意味でもこのフルアルバムができたことは大きいですよね。
黒田 そうですね。しかも今回はみんなで力を合わせて作ったから。
──2曲目の「2way traffic」の作曲クレジットにはバンド名が記されていますが、これはセッションで作ったということですよね?
黒田 そうですね。今まではそれぞれが個別にデモを作ってくるやり方ばかりで、セッションして曲を作ったことはなかったんですが。
──あえてセッションで作ってみた?
黒田 たまたまやってみたらカッコいい曲ができたという感じかな。
村山 でも、あえてじゃない?
彦坂 今まではジャムセッションでは曲を作れないと思って、そういうやり方から遠ざかっていたんですよね。この曲は僕がドラムパターンを持っていって、それをループさせてリフやコード進行を付けてもらったらできたんです。そこからどんどんブラッシュアップされて今の形になりました。
肩書きを背負わない存在であるべき
──このバンドの音楽性は軸としてブラックミュージックの要素が強いけど、メンバーのルーツはそれぞれバラバラであることがわかるんですよね。その絶妙な違和感がRAMMELLSらしさなのかなと思っていて。
村山 そうですね。リズム隊はネオソウルとかが好きで。2人でネオソウルっぽい基盤を作って、そこにディストーションのギターをドーン!と乗せる感じで曲を作るんですよね。
真田 逆に俺はネオソウルが嫌いなんですよ。俺は“もう死んだ人”のソウルミュージックしか好きじゃない(笑)。
──だから、ギターでサウンドをかき回したくもなるし。
真田 そうですね。エリカ・バドゥとかディアンジェロは高校の頃に聴いてたんですけど、ここ数年でネオソウルムーブメントみたいな感じでやたら騒いでる人たちがイヤだなって。アシッドジャズとかも高校生のときにいっぱい聴いてたんですよ。JamiroquaiとかThe Brand New HeaviesとかIncognitoとか。そのあとジェームス・ブラウンにハマって「この人が一番カッコいい」と思ったんです。リズム隊の2人が黒い音楽を好きなのは知ってたし、それっぽいギターを乗せることもできるんですけど、それだとつまんないし、同じことをしてたら海外の人に負けちゃうから。それに最近のブラックミュージックっていろんなジャンルが混ざりながらサウンドが豊かになっていて、そういうところが面白いと思うんですよね。だから、あえてメンバーの個々の音楽性を共有しないほうが新しい黒い音楽が生まれるんじゃないかと思うんです。
村山 どうしたってみんな自分の音楽的な要素を曲に入れるから普通に黒くはならないんですよね。
真田 4人中3人がB型なんですよ(笑)。
──だから、今後RAMMELLSの音楽性がどのようになっていくかメンバーも読めてないと思うんですよね。常に作品が現状報告でもあるし。そこでカギを握るのは黒田さんのボーカルだと思いますけど。
黒田 それ、いろんな人に言われます(笑)。
──黒田さんが書くリリックは突き抜けたいとか、本能的に踊るとか、本気で生きながら人と対峙するとか、そういうニュアンスが色濃いなと思います。
黒田 私は歌詞を実体験でしか書けないんですよ。今回のアルバムの歌詞も全部実体験なんですけど、今年1年のRAMMELLSの活動が、バンドの浮き沈みも含めて全部反映されてると思います。あとは「歌っていて気持ちいいか、気持ちよくないか」ということを意識していて。尊敬しているのはエスペランサ・スポルディングで。彼女はボーカリストでもベーシストでもあるけど、肩書きを背負ってないんですよね。私もそういう存在になりたいし、そうあるべきだと思ってます。
- RAMMELLS「Authentic」
- 2017年12月6日発売 / 日本クラウン
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[CD]
2500円 / CRCP-40537
- 収録曲
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- image
- 2way traffic
- swim
- slow dance
- authentic
- CHERRY
- AMY
- playground
- HERO
- daybreak
1st album "Authentic" release ONEMAN SHOW
2018年3月9日(金)東京都 WWW
OPEN 18:30 / START 19:30
前売3500円 / 当日4000円(※ドリンク代別)
- RAMMELLS(ラメルズ)
- 真田徹(G)がSuchmosのYONCEらと組んでいたOLD JOEの解散後、大学時代の先輩である黒田秋子(Vo)、村山努(B)を誘い2015年8月に結成。 2016年に彦坂玄(Dr)を迎え、ライブ活動を始動させた。同年10月にインディーズでミニアルバム「natural high」を発表。ロック、ファンク、ソウル、ジャズ、シューゲイザーなどさまざまな要素が絡み合うハイセンスなサウンドで話題を呼ぶ。2017年に日本クラウンよりメジャーデビューし、初のフルアルバム「Authentic」をリリースした。