クマリデパートの2ndフルアルバム「セカデパ!」が2月9日にリリースされる。
昨年2月に山乃メイと七瀬マナを新メンバーとして迎え、結成5年目にして6人体制への増員を行ったクマリデパート。新作「セカデパ!」は2019年発表の1stアルバム「ココデパ!」からさらにスケールアップし、6人が世界へ飛び出して宇宙にまで愛と平和と笑顔を届けるというテーマで制作された。グループのプロデューサーであるサクライケンタが制作した楽曲をはじめ、シングル「極LOVE浄土」に引き続きダンス☆マンが編曲した“宇宙規模”のダンスチューン「ちきゅらぶレイディオ」やGUCCHO提供の“ファンク・餅・ポップ”ナンバー「YESモチFEVER」、新体制で再録したシングル曲を含む全12曲が収録されている。音楽ナタリーではメンバー全員にインタビューし、6人体制になったクマリデパートの強みやアルバムの聴きどころなどを語ってもらった。
取材・文 / 土屋恵介 撮影 / 藤木裕之
新メンバー2人には武器がある
──クマリデパートはナタリーの特集初登場ということで、グループとしてのコンセプトを改めて紹介してください。
早桜ニコ クマリデパートは“世界の心のデパート”をコンセプトに活動してる6人組です。デパートと言ってるだけあって、いろんなジャンルの楽曲を歌っています。去年からメンバーも増えて、より個性豊かな6人組のグループになりました。
──昨年2月に山乃メイさんと七瀬マナさんが加入し、7月から6人でのライブ活動がスタートしました。その頃、メンバーの皆さんはどんな変化を感じていましたか?
早桜 まず、2人はすごく努力をしてくれたんですよ。本来はステージデビューが4月だったんですけど、コロナ禍で準備期間が伸びた分、2人の練習時間も増えて、7月の最初のライブからグループに馴染んだ状態でパフォーマンスできたんです。私たちもうれしかったですし、お客さんからも「すごくクマリっぽい子が入ったね」と言ってもらえました。
優雨ナコ 2月から夏までの期間にみんなで一緒に練習したり一緒に怒られたり(笑)、ごはんを食べたりお買い物に行ったりして仲を深められたんです。そうした仲のよさも伝えられる状態でライブをできたのはよかったと思います。
小田アヤネ 4人時代のクマリデパートを褒めてくださる方も多かったので、新メンバーオーディションをやるという話が出たときは正直私たちも悩んだんですよ。でも2人がすごく一生懸命で、よりいっそうグループの活動の幅が広がったと感じることが多いです。
早桜 マナちゃんは歌、メイちゃんはダンスがすごく上手で、それぞれ武器がある子が入ってくれてうれしかったです。
楓フウカ 2人はほかの4人にないものを持ってるんですよ。モノマネができたり、おしゃべりがうまかったりして面白いです。バラエティ面でも心強い2人です(笑)。
今の6人のパフォーマンス、すごくいい
──では新メンバーのお二人に、クマリデパートに入っての感想を聞いていきましょう。
山乃メイ 去年2月のマイナビBLITZ赤坂ワンマンで新メンバーとしてのお披露目の挨拶をさせてもらったんですが、そのときの4人のライブがホントに完璧だったんですよ。私たちは以前からアイドル活動をやっていたわけじゃなく、一般人から急にアイドルになったので心構えがまだしっかりできていなくて、マネージャーさんにたくさん怒られました。でも、私はもともとクマリデパートが好きだったし、オーディションのときも「絶対にクマリデパートに入りたい!」と思っていて。新メンバーになったあとすぐに自粛期間に入ってしまったんですけど、「クマリデパートの一員としてがんばるぞ」「初ライブのステージに立ちたい」という強い気持ちは変わらなかったです。自粛期間はおうちで筋トレをしたり練習したりしていて、クマリデパートの存在自体が私のアイドルとしてのモチベーションになっていました。これからもっとグループに貢献できるようにがんばりたいです。
七瀬マナ 私はアイドルが大好きで、ずっとアイドルになりたかったんです。でも、今までにオーディションを100回くらい受けて全部落ちてきて。
──なんと、そんなにですか。
七瀬 そうなんです。6、7年受けて落ちてを繰り返してきて、それでもあきらめられなかったくらいアイドルが好きなんです。私、かわいいアイドルさんを一方的にフォローしているTwitterアカウントを持っていて、優雨ナコさんもフォローしてたんですよ。それがきっかけでクマリデパートがオーディションを始めることを知りました。正直、クマリデパートのことはあまり詳しくなかったんですけど、「極LOVE浄土」のミュージックビデオを観たらめちゃくちゃ自分のタイプだったんです。曲もいいしパフォーマンスもすごいし、白、ピンク、赤、水色とカラーもしっかりしていてワイワイしているし、そんなグループに入りたいと思って応募しました。オーディション期間中にさらにライブ動画を観たらますます好きになっちゃったんですけど、入りたいって気持ちが強すぎて落とされるという経験を何度もしていたので、あまり好きになりすぎないようにしようと思ってたんです。でも、そんな気持ちも越えて好きになっちゃうぐらいのグループでした。だから、入ることができてすっごくうれしかったです。ただ私、ちょっとがんばりすぎて春に疲労骨折をしてしまったんです……。パフォーマンス面でもほかのメンバーに全然追い付けてない状態だったので、結果的に新体制お披露目ライブが延期になってよかったです。メンバーと仲も深められたし足も治ったし、コロナ禍をポジティブに捉えました。
──クマリデパートに熱い気持ちを持って入ってきてくれた2人という感じがしますね。
早桜 そうなんですよ。メイちゃんは自信に満ちあふれていて、「大丈夫?」と心配しても「大丈夫です!」ってスパッと言ってくれるのですごく安心できるんです。たまに、「ホントに大丈夫?」と思うときもありますけど(笑)。そんな感じでみんなの気持ちをほぐしてくれるんです。
山乃 口が大きいからか、「大丈夫です!」ってつい大口叩いちゃうんです(笑)。自分に自信がないときもあるんですけど、メンバーがみんな優しくてすごくありがたい環境だなと感じています。こんな温かいグループに入れてホントにうれしいです。
早桜 マナちゃんは、オーディションのときはしっかりしてる子だと思ってたんです。
小田 「美人のお姉さんが来た!」って思ったよね。
楓 でも、実際はかなりおちゃらけてるモンスターでした(笑)。
山乃 自粛期間中のネットサイン会で、メンバーがファンの方のコメントを読んでトークしていたら、マナちゃんがひたすら「アーーー」ってうなりだして、「あれ?」って(笑)。
優雨 そこから、マナちゃんはヤバい子だって認識しました(笑)。
七瀬 アホなのがすぐバレて、モンスターと呼ばれるようになりました(笑)。
──パフォーマンス面の話だと、夏から6人でライブしてきた中で、今のクマリデパートの強みをどう感じていますか?
早桜 まずメンバーの人数に伴って担当カラーも増えたことで、パッと見ただけでわかりやすい、印象に残りやすいというアイドルの強さみたいなものが増した気がします。
楓 全員声のタイプが違うので、歌の厚みも出たと思います。
小田 マナちゃんが入って、ハモリができるようになったよね。
楓 そう。ハモれる曲があったらいいよねって前からメンバーと話していたんですけど、実際にそれができるようになってうれしかったです。
優雨 ステージの迫力が増したことがうれしいですし、みんな個性がバラバラなので、「この子気になるな」という感じで初めてライブを観た人に好きになってもらえるきっかけが増えたと思います。あと、私のファンの方の中には初期の3人時代にライブに来ていて、最近新しい2人のことが気になってまた通い始めたという人もいるんです。そうやって、いろんなきっかけが増えているのがうれしいですね。
小田 パフォーマンス面では自由度もすごくアップしたと思います。メイちゃんはダンスを踊るときの体の使い方が上手だし、マナちゃんはライブ中ずっと口が開いてるし(笑)、ステージを観たときに「この子もすごいし、この子もすごい」と思ってもらえるようなインパクトがあるなって。今の6人のパフォーマンス、すごくいいと感じています。
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