2回目の完全なる敗北
──オーディション番組「イクゼ、バンド天国!!」に出演したことも、バンドにとってのトピックだったと思うんですけど(参照:【公式】イク天 TSUTAYA - YouTube)。初回は負けましたが、敗者復活枠で再び番組に登場して勝ち上がって、グランドチャンピオン決定戦にまで勝ち進みました。
渡邊 ちょうど「MOMENT」の制作時期と番組の収録時期がかぶっていましたね。初回で負けたあとにできあがって、敗者復活後の2戦目でリード曲の「Brand New Days」をやったんです。あの時期はライブはやってなかったけど、バンドの士気は高かったかな。
──番組では、優勝できると思っていましたか?
犬童 うーん……初戦で負けたときはけっこうびっくりしました。
渡邊 勝つ気ガンガンでいたので。だからあれが「未確認」に続くバンドにとっての“2回目の負け”という感じかな。
上林 完全なる負けでしたね。
山口 だからオーディションみたいなものはトラウマなんです。毎回負ける。Zepp Nagoyaでやったヤツしか勝ったことがないんで(笑)。
辰巳 そういうのもあって、あの敗者復活後のはほかのバンドとは気合いの入り方が違っていたと思う。
犬童 あと、あの敗者復活戦ってSHOWROOM上での投票制だったんですけど、ファンの方がかなり応援してくれたから勝つことができたもので。
渡邊 そういった気持ちを背負っていたから、もし負けたらけっこうキツかったと思う。「これは絶対勝たないと」って。
犬童 結局優勝はできなかったけど、結果一番オイシイ感じになったんじゃないかな。1回負けて、そのあと3連勝して、グランドチャンピオン大会に出て……って番組の最多出演者になれたんで。
次のアルバムでガラッと変わる
──先ほど、アルバムを作っているっておっしゃっていましたね。
渡邊 はい。僕ら毎週1回はスタジオに入っているんですけど、それと嵐の家はプリプロができる環境がそろっているので、そこにも週1回集まって曲作りをしていて。だから今はアルバムの制作をしつつ、ライブもしつつ、「RIJF」の準備もしつつ。
犬童 次のアルバム、たぶんこれまでのイメージからガラッと変わるんじゃないかな。「新しいな!」ってなると思う。
辰巳 たぶんああいうのをやるのは初めてだよね。?
──歌詞の印象もあってQoNにはさわやかなイメージを持っているんですけど。そういうところは?
犬童 詞の印象は変わらないかな。熱い感じが出ちゃうから。でも聴いた感じは全然違って、ちょっと大人な感じになると思います。
渡邊 例えばミュージックビデオも作った「Precious」って曲があるんですけど、カッコいい系の曲だと思っているんです。で、あれとはまるっきり違うタイプの曲を作りたいと考えていて。「QoNってこういうのもできるんだ」って思ってもらえるもの。そこを狙って。
──アルバムはいつ出すんですか?
渡邊 今年中には。レコーディングが9月くらいまで続くんですけど。
日本で一番デカいフェス
──8月11日の「RIJF」に出演することが決まっていますけど、決まったときはどんな気持ちでしたか?
辰巳 夏フェスに出るのが初めてだから……。
犬童 震えが……。
渡邊 夏フェス、ずっと出たくて。僕らにとって夢の通過点ではあるけど、デカすぎる通過点。楽しみだし、がんばるしかない。やりきる。
──当日はどんなライブを見せたいですか?
犬童 俺はとにかくしゃべります。
渡邊 僕らはサウンドシステムとして、その説教を支えます(笑)。
犬童 BGMがいいと説教も映えるからね。説教が名シーンになるようにがんばります。
──ちなみに20、21歳の皆さんからしたら、「RIJF」ってどういうフェスなんでしょう。
山口 “日本で一番デカいフェス”“日本で一番有名なフェス”というイメージがありますね。
渡邊 初めて知ったのが高1、2くらい。
──行ったことは?
一同 ないですね。
──じゃあ、全員初めて行って初めて出る、ということですね。
辰巳 そうか。でも時間帯おかしいよね。トリ前。
──鬼束ちひろさんと時間がかぶっていますね。
上林 Perfumeも少しかぶってる。
一同 うわあ……。
音楽をやる理由
──ここまで経歴を聞いてきましたけど、QoNって最終的にはどうなっていきたいんですか?
渡邊 僕ら、自分たちで夏フェスをやるのが夢なんです。SiMとか10-FEETが自分たちでフェスをやったりしているじゃないですか。そういうふうに仲間と一緒にデカいところでやりたい。そしてそれを地元の横浜でやりたいんです。赤レンガ倉庫の前の広場とかで。まあそれは夢として、夢までの通過点の中で、横浜アリーナとか武道館とかスタジアムとか大きなところでもライブをやりたいです。
──そうなんですね。皆さんはなぜフェスをやりたいんですか?
辰巳 ……地元で一番目立ちたい。
上林 目立ちたいね。
犬童 うん。最初にバンドを始めたときも、ただ目立ちたかったんですよね。だから横浜で一番目立ちたい。「横浜シメてる」って言えるくらい。
──では、QoNにとって“目立ちたい”と“伝えたい”はどちらが大きいですか?
犬童 最近は“伝えたい”が少し出てきてしまっているかな。ずっとお客さんがいない中でライブをやってきて、最近は顔がわかるくらいのお客さんができ始めて、それで伝えたいものが明確になってきて。だから両方。目立たないよりも目立っているほうが伝えられると思うし、一番上に立てば説得力があるかなって。
──一番上ってどのあたりなんでしょう。
渡邊 Mr.Childrenを越えれば。ミスチルは日本を代表するバンドなんで。音楽性は全然違いますけど、やるからには「日本と言えばミスチルだ」じゃなくて、「日本と言えばQoNでしょ」ってなるくらい。
犬童 目標で言うと、あとはバラエティとかドラマとかにも出たいな。
渡邊 うん。で、最終的には僕らのバンドの歴史を「少年ジャンプ」でマンガ化してほしいです。それが映画化されたりして、テーマソングも自分たちの曲で。だから成功するしかない。
犬童 あとはまあ、この5人で遊んで有名になって、ずっと楽しくやっていたい。俺らって、“大事な友達がいればなんでもできるよ”ってことに尽きるんです。それくらい仲がよくって。だからこの5人で成功して、楽しくやっていけたらいいですね。
- QoN「MOMENT」
- 2017年3月22日発売 / ドリーミュージックアーティストマネージメント
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[CD]
1700円 / QON-0001
- 収録曲
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- Precious
- Brand New Days
- Timeless
- Lilac
- Message
- QoN(クオン)
- 神奈川県横浜市を拠点に活動するロックバンド。同じ高校に通っていた渡邊洋平(Dr)、上林研太(G)、犬童一憲(Vo)、山口嵐(G)、辰已優作(B)の5人で在学中に前身バンドを結成し、2016年に本格的に活動をスタートさせた。2016年に1stミニアルバム「SIGN」、1stシングル「MESSAGE」を共にライブ会場限定でリリースしたのち、2017年3月に初の全国流通盤「MOMENT」を発表した。8月に野外ロックフェスティバル「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2017」への出演が決定している。