略されるのに憧れて
──Zepp Nagoya以降は?
渡邊 ちょくちょくライブハウスに出るようになって、オリジナル曲も増えていきました。ライブハウスではオリジナル、軽音楽部のライブではコピーって分けていました。
犬童 それで、高2の後半か高3くらいで音源を作って。
渡邊 そうそう、文化祭で売るための音源を作ったんです。自主制作で。
犬童 3曲入りのデモCD。
渡邊 その音源、文化祭のときに販売したんです。 ライブ後に廊下に机を並べて、「はい、CD販売やってまーす」って。
山口 CD1枚100円で100枚。
渡邊 それが完売したんですよ。
──後輩に買わせたりしたとかではなくて?
渡邊 いやいやいや(笑)。でも先輩には嫌われました(笑)。
山口 すぐ友達が校内で流したりしてね。
渡邊 お昼の放送とかに……あれは恥ずかしかった。
犬童 俺なんて、自分の歌が流れてくるんだもん。恥ずかしいからトイレに隠れてました。
──その音源を出したときはもうQoNという名前で?
渡邊 いや、違います。もっと長い名前。
山口 その長い名前の略がQoNなんです。
──どんな名前だったんですか?
一同 “Question of Name”。
上林 もう今では言ってないですけど。
犬童 そもそもQoNって呼ばれたくて、Q、O、Nの3字を頭文字にしたバンド名を考えたんですよ。略されるのに憧れていて。それで無理やり長い名前を付けました。でも意味がわからない(笑)。それで今はQoNが正式名称なんです。まあSiMみたいだからいいかと思ってます。
QoNとしての始まりの日
──それからは?
渡邊 高3の9月に活動休止をしまして。5人のうち3人が大学受験があるって。
山口 活動休止企画を横浜でやりました。そんときは百何人か来てたよね。
渡邊 120。来てくれたのは大体友達でしたけど。それで高校時代の活動は終わり。
犬童 それから翌年の7月3日からプロを目指してちゃんとがんばっていこうということで活動を再開させました。
渡邊 2015年の7月3日。2年前だ。その日をQoNの始まりの日って言ってます。
山口 そこで新曲の音源を配って。
渡邊 QoNとしては1曲目で、“Question~”時代も合わせると6曲目のオリジナル曲でした。
辰巳 今聴くと、ボーカルのメロディは飛び抜けているんだけど、けっこうアレンジがガキと言うか、普通だよね。今アルバムを作っているんですけど、できればアレンジをやり直して収録したい。
山口 ミクスチャーっぽくてね。J-ROCKを意識したって言うか、みんなに受け入れてもらえそうな曲を作ろうって思って作った曲で。
渡邊 自分たちで演奏していてもつまらなさを感じるところがある。今ならもう少し面白く、カッコよくできるなあって思う。
──ちなみにそのときには、どんな音楽を聴いていたんですか?
犬童 洋平がインディーズの楽曲も聴き始めまして。
渡邊 聴き始めたときはみんな受験期だったんだけど、僕はほかのアーティストのサポートとかをやっていたんです。そのときに出会ったインディーズの人たちにもらったCDを聴いて「カッコいいなあ」って思って、いろいろ調べて。福岡の彼女 IN THE DISPLAYってバンドの曲とかを聴いていました。「こういう始まりの感じいいな」とか参考にしつつ。
犬童 そういう音源がバンド内で広まって、俺らも聴くようになったんです。それから作る曲の感じが変わっていったのかな。インディーズのアーティストの曲を聴くと、自分たちの曲がちょっと作りやすくなるんですよね。参考にしやすい。これがUVERworldの曲とかだと、難しすぎて参考にできないから。
次のページ »
万人に認められたい
- QoN「MOMENT」
- 2017年3月22日発売 / ドリーミュージックアーティストマネージメント
-
[CD]
1700円 / QON-0001
- 収録曲
-
- Precious
- Brand New Days
- Timeless
- Lilac
- Message
- QoN(クオン)
- 神奈川県横浜市を拠点に活動するロックバンド。同じ高校に通っていた渡邊洋平(Dr)、上林研太(G)、犬童一憲(Vo)、山口嵐(G)、辰已優作(B)の5人で在学中に前身バンドを結成し、2016年に本格的に活動をスタートさせた。2016年に1stミニアルバム「SIGN」、1stシングル「MESSAGE」を共にライブ会場限定でリリースしたのち、2017年3月に初の全国流通盤「MOMENT」を発表した。8月に野外ロックフェスティバル「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2017」への出演が決定している。