ナタリー PowerPush - Q;indivi+
男性ボーカリスト7人が集結! 新しい音楽の冒険が始まる
チバさんの声にロックバンドの音が含まれている
──今回、Q;indivi+の具体的なコンセプトとして考えていたのはどういうものですか?
まず、表現手段としての日本語っていうものを少し掘り下げて考えてみたいという気持ちが自分の中で強くありました。あと、男性のボーカリストとコラボレーションすることで何かまた発見があるんじゃないかなっていうのも漠然と思っていて。で、そういう音楽を自分で聴いてみたい、試してみたいっていうことです。
──キーワードとして「ロック」というのも意識したんじゃないですか?
あの、もともとこれを作る経緯としては、チバ(ユウスケ)さんのThe BirthdayのリミックスをQ;indiviで一度やらせていただいたことがあって。そのときにチバさんの声だけのトラックを聴く機会があったんです。そこに何の音を足していこうかって考えてたときに、チバさんの声にはエレキギターとかリズムの音とかが含まれてるっていうのを感じて。チバさんの声だけなのにそういう音が聴こえてくる。そう感じたことが自分の中ですごく新鮮で、そのときはリミックスだけだったんですけど、チバさんともう1回何かやってみたいなと思って、楽曲を作ってチバさんに聴いてもらったのがきっかけです。
──声だけのトラックからロックギターの音を感じるっていうのは面白いですね。
それが感じるものなんですよね。例えばピアノの上でチバさんが歌っても、オーケストレーションの上でチバさんが歌ってても、ギターやドラムが聴こえてくる感覚。ロックっぽさがすごく残る。
──じゃあその感覚を具現化したのが、今回のこの「ACACIA;」という曲?
そうですね。
表現手段としての日本語を掘り下げてみたかった
──先程「日本語表現を掘り下げてみたかった」というお話が出ましたけど、そう思うようになったきっかけはありますか?
Q;indiviで3年前ぐらいにディズニーの楽曲を制作させてもらったり、自分がクリエイターとして元気ロケッツに参加させてもらった中で、ネットやメディアを通じて世界から反響をリアルに感じる瞬間が結構多くて。そのときにやっぱり日本のアーティストとして、これからの表現手段というものを意識したんです。一流のボーカリストの日本語の感覚や、日本語のコミュニケーションのスピードを一度自分の中で整理したいなと思って。
──確かに、チバさんが歌う日本語の歌詞はすごく刺さりますよね。
そうなんです。
──でもこのアルバムは全曲日本語詞というわけでもないですが。これはなぜなんですか?
その人の一番刺さるところ、サウンドと、その人の声で一番必然性があるものっていうのを考えて、日本語・英語を選んでいった感じですね。
──タイトル曲の「ACACIA;」では、田中さんが作詞も担当してるんですよね。
共作でもう1人いるんですけど「ACACIA;」の場合は、最初サビから書いていきました。今までは女性ボーカルでキラキラしたものを作る機会が多かったんですけど、でもチバさんも種類は違えどやっぱりそのきらめきみたいなものを、ものすごく持ってる人だなと思って。表面的には全く違うアプローチですけど、ザラついたきらめきと切なさをチバさんの声から感じてイメージがふくらみましたね。
──確かに情景が浮かびます。でもどうですか? 日本語の詞を書くのは。
照れくさいですけど(笑)やっぱり面白いなって思いますね。詞だけ書くっていうのは多分できないんだけど、曲と一緒に世界観を作っていくのは、やっていて面白かったですね。
CD収録曲
- isolation (Instrumental)
- ACACIA; / Q;indivi + チバユウスケ
- a world of difference / Q;indivi + SU
- forever / Q;indivi; + blanc.
- LOVELESS / Q;indivi + 中田裕二
- ±0 / Q;indivi+TAKA-Bee
- Honesty / Q;indivi + ヒダカトオル
- sleep tight (Instrumental)
- hanabi / Q;indivi + キヨサク
- stillness in movement (Instrumental)
Q;indivi+(キューインディヴィプラス)
田中ユウスケ率いるサウンドプロデュースユニット、Q;indiviが2010年より始動させた新プロジェクト。YUKIやHALCALI、元気ロケッツなどへの楽曲提供で知られるQ;indiviのもとに、実力派の男性ボーカリスト7名が集結し、Q;indiviのサウンドに新たな息吹を吹き込んでいる。2010年6月23日、ワーナーミュージック・ジャパンより1stアルバム「ACACIA;」をリリース。