PrizmaX|5つの言葉が紡ぐ「yours」とデビューからの5年

森崎ウィン

ものすごくモチベーションが高いんですよ、怖いくらいに

──2016年にハリウッドに撮影に行かれていた映画「レディ・プレイヤー1」が今年やっと公開になりますね。

作品を撮ってこんなに公開を待ったことはないので、1人の観客として楽しみに観れるんじゃないかなっていう気がしています(笑)。

──2年前のことになりますが、この映画の撮影での経験は、ウィンさんにとってどんなものになりましたか?

森崎ウィン

振り返って思い付くものは何?って言われると、悔しい思いしか出てこないんですよ、僕。しっかりと仕事ができるほどの語学力はないし芝居力もまだまだなので、第一線で活躍している役者さんと演技したときに圧倒的な差があるんですよ。「すごいな」って感心してしまって……でも壁を超えたいし、肩を並べて別の作品でまた会いたいとも思う。欲が出てくる感覚は消えないですね。ただ、これまでは「まだまだもっと役者の仕事を突き詰めたい」ってずっと思っていたんですけど、最近はそこまで焦ってないと言うか……作品ってやっぱり縁だなって思うし。逆にね、グループ活動は今しかできないことだと思うから。50歳になっても今のように歌って踊れるか?って聞かれたら、正直怖いです。だから今はグループをやりつつ……芝居には普段自分がどう生きているかっていうことも関わってくると思うから、人間として、1人の男として自分を磨くことに力を入れているところ、っていう感じですね。

──そういった演技の場での経験値は、PrizmaXの活動にはどのように作用していると思いますか?

僕、今ものすごくモチベーションが高いんですよ、怖いくらいに。なんでもやればできるって思ってますし、「ガンガン行ってやろう」っていう気持ち。今のこの勢いは殺したらダメだって思ってる。「レディ・プレイヤー1」が公開されることで、注目も少しは集まるだろうから……このチャンスをどうやって利用してPrizmaXの活動にいいように持っていけるかですね。外との架け橋になるのが今の僕の役目なんじゃないかなと思います。

捨て方が大事だなって

──「yours」にもドラマの主題歌というトピックがありますね。この曲についても聞かせてもらえますか?

技術的なことを言うと、歌のレベルは自意識過剰ではなく上がっていると思います。しっかりと皆様に聴かせられるものに仕上がっていると思う。

──ウィンさんの今のモチベーションの高さは、作品にも反映されていますか?

反映されてます、かなり。レコーディングへの取り組み方がすごく細かくなりました。僕は熱くなりやすいタイプなんですけど今回は冷静にアイデアを提案できたし、何よりこの「yours」は歌い出しが……。

──ウィンさんの歌い出し、「愛してるだけじゃキミはたりない」のアカペラがとても印象的ですよね。

「曲のよし悪しは最初の4小節で決まる」って誰かが言ってたんですけど、その最初の4小節、まるごと僕なんです(笑)。ここは本当に大事なパートなので、ほかを全部埋めてから最後に録ったんですよ。

──そうなんですね。

森崎ウィン

すごく試行錯誤しました。座って歌ってみたり、マイク持って歌ってるふうにやってみたり、電気を暗くしたり。どうやったらハマるんだろうっていろいろ考えて歌ってみたんですけど、結果プリプロで歌ったテイクがベストでした(笑)。

──振り出しに戻ったんですね。ウィンさんの前に話を聞いた有希さんも、この歌い出しのことを話題に挙げていました。フレーズもメロディもすごくキャッチーで、ウィンさんの言うように曲の中でとても大事な箇所だと思うので、ここに込めた思いが知りたいです。

「『愛してる』っていう言葉だけじゃ、君という存在を表現しきれない。どう表現したらこの思いは伝わるんだろう?」っていう思いを歌詞から受け取って、曲全体を通して描かれているすてきな女性像をイメージして……って、気持ちの面はしっかり作り込めているんですけど、そこから先の表現に関しては自分のスキルの問題なんですよね。歌い方に関しては、あえて物足りなさを前面に出したいなと思って。僕が強く意識していたのは「足りない」と言う部分の“捨て方”なんです。捨て方が大事だなって。

──“捨て方”と言うと?

「足りない」で音を伸ばすところのビブラートをどうその場に捨ててイントロにつなぐか、なんです。そこが重要だと思っていたんですけど、結果プリプロのときの声がめちゃくちゃマッチした。だからこのフレーズだけ、プリプロで歌ったテイクが使われてます。一番フレッシュな感覚のものですね。試行錯誤してそこに行き着いたんですけど……そうしたらディレクターの方に、最後に「ぜいたくな悩みができるようになったな」って言われたんですよ。もう俺、それがうれしくて! でも、内心死ぬほどうれしい気持ちを隠して「まあね」って答えました。男なんで、そこは強がって(笑)。そう思ってもらえるのはありがたいですよね。

ティムとしか生まれないケミストリーがある

──カップリングの「夢唄」に関しては作詞作曲をされていますが、この曲はどのようにして完成したんですか?

子守歌のようなメロディができたんで、寝る前に聴いてほしい感じをイメージしました。そこに自分で物語を作って……「寝るときに人って何を考えるんだろう? 寂しい思い出も浮かぶな」って考えながら歌詞は書きましたね。

──また、「Memory」はウィンさんとティムさんのボーカルワークが印象的ですね。特に掛け合いのところ。

それ、すごく言われます。

──もう、阿吽の呼吸になっている?

そうですね……「やっぱり俺のパートナーはティムなんだな」って思う瞬間は多いです。ほかの人と歌う機会があっても、何かが合わなくて。ティムとしか生まれないケミストリーがあるんですよね、きっと。

──でも、特段それを意識しているわけではなく?

森崎ウィン

はい。「ティムよりうまく歌ってやろう」としか思ってないです。それはお互い、毎回そうだと思う。絶対に(笑)。

──では最後に、PrizmaXのこの先について、ウィンさんが「こうなったらいいな」と考えていることがあれば、教えてください。

PrizmaX的には30歳までにアジアツアーをしたいっていう思いがあります。ありがたいことに今、僕の母国のミャンマーでも知られるようになってきているんですよ。インターナショナルな活動ができるのは、スターダストの中でも俺らだけだと思っているので。あとは、今年1年は……働きます、僕。で、絶対文句を言わない。もともと言うタイプではないんですけどね(笑)。あとは「できない」って言わずに、やる。やるしかないんで。今のモチベーションを下げずに、自分自身でコントロールできる範囲で一生懸命やろうと思います。

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黒川ティム

PrizmaX「yours」
2018年2月14日発売 / SDR
PrizmaX「yours」TYPE-A

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収録曲
  1. yours
  2. Memory
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収録曲
  1. yours
  2. Are you ready?
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収録曲
  1. yours
  2. 夢唄
PrizmaX Hall Tour Level7 ~FUSION~
  • 2018年6月2日(土)大阪府 NHK大阪ホール
  • 2018年6月16日(土)千葉県 市川市文化会館
PrizmaX(プリズマックス)
PrizmaX
黒川ティム、森崎ウィン、清水大樹、福本有希、島田翼の5人からなるダンス&ボーカルユニット。スターダストプロモーションに所属するアーティスト集団「EBiDAN」の“兄貴分”として活動している。2013年3月に1stシングル「Mysterious Eyes / GO!」でCDデビュー。2015年9月にリリースされた6枚目のシングル「Lonely summer days」はオリコン週間シングルランキングで7位を獲得し、同年12月に東京・AiiA Theater Tokyoにて行われたワンマンライブを成功に収める。2016年4月に日本テレビ系「バズリズム」のオープニングテーマ、およびテレビ東京系「プレミアMelodiX!」のエンディングテーマを表題曲とするシングル「UP<UPBEAT」を発表。2017年には1stアルバム「Gradually」をリリースする。2018年2月に、テレビ朝日系土曜ナイトドラマ「明日の君がもっと好き」の主題歌をリードトラックに据えた9thシングル「yours」を発売。4月には森崎が出演したスティーヴン・スピルバーグ監督の映画「レディ・プレイヤー1」の公開を控えている。