福本有希
振りはそろってナンボだと思うんですよ
──最初に「yours」を聴いたとき、どんな印象を持ちましたか?
なんて言うんだろう……日本の一番中心にありそうな曲ですよね! すごく王道路線と言うか。歌詞もメロディも一発で心に焼き付いて何度も聴きたくなるし、サビも知らない間に口ずさんでしまうんですよ。特にウィンの最初のアカペラの部分。「愛してるだけじゃキミはたりない」っていうパートがね。ものすごく印象的だなって思います。
──ダンスパフォーマンスについてはいかがですか?
振り付け自体はシンプルだから、表情などはすごく作りやすいです。リード曲ってやっぱり曲の存在感があるから、パフォーマンスも表現方法をいろいろと考えて、毎回ライブでも違う感じでやらせてもらっているんですけど、すごく踊り甲斐があります。あとはシンプルな振りだからこそ、そろえるのが難しいなと思っていますね。
──シンプルだからこそ難しい。
はい。僕らダンスボーカルグループですから、振りはそろってナンボだと思うんですよ。そこから初めて1人ひとりの個性を見てもらえると思うので。その部分については今でも勉強中です。
──有希さん的に「ここを見てほしい」というポイントはあったりしますか?
個人的なところで言うと、間奏のダンスを見てほしいです。僕がセンターだから。完全にエゴです(笑)。
強がってますよ、それはもちろん
──PrizmaXは今年でCDデビューから5年を迎えますが、これまでを振り返るとどんな思いになりますか?
僕は一度グループを抜けてまた入った身なので、1年目はまだフワフワしていたと言うか、右も左もわからないみたいな部分があったんですけど……2年目くらいに周りの環境も変わって「どうやってグループを進めていくか」っていう話し合いを5人で重ねていくうちに、みんなと同じ目線でステージに立てるようになって。同じ悔しさ、同じ達成感……5人が感じる思いが一致してきたのは、ここ3年くらいの話かもしれないですね。濃かったし、早かったし、本気で……あと常に必死でした。「何がなんでも天下取ってやる、絶対に負けたくない」って。対バンで自分たちよりファンを持っている方と一緒になったときなんて、帰りの車の中で「悔しいな」「なんでこんな思いをしなきゃいけないんだ」ってみんなで話したこともあります。逆にワンマンのチケットが即完したときは少し報われた気がしたり。とにかく喜怒哀楽がたくさんあって、あっという間に今に至るという感じです。
──皆さんそういったメラメラしたところをものすごく表には出さないから、今のお話は新鮮でした。
いやあ強がってますよ、それはもちろん。「EBiDAN THE LIVE」とかでも、すごい悔しい思いしましたよ。
──そうなんですか。
去年の公演が終わって、ウィンと帰ったのを覚えてますね、みんなと解散したあとに2人で公園のイスに座って「ほかの人気グループに負けたことが悔しい」って。ネガティブなやりとりではないんですけどね。どうやったら上に行けるかっていうことを話していました。
──そんなことがあったんですね。
負けず嫌いなんですよ、みんな。
君とだって熱愛報道が出る可能性があるんだよ
──その中にあって、近頃の有希さんは独創性あふれる“王子様キャラ”で異彩を放っていますよね。
そうですね、ステージの上ではね。
──そのあたり、なんと言うか……最初からそういうキャラだったわけではないじゃないですか。
眠っていただけです。セミ、セミみたいなものです。
──セミですか(笑)。
土の中から出てきたら、飛べるようになったってだけです。
──今日は有希さんのキャラクターについても話を聞きたいと思っていて。
ステージの上で言っていることに嘘偽りはないです。本当に、ハニーたち(ファン)とフライデーされたいし、もしそれがプライベートでのフライデーだったとしても、僕、生き残れる自信ありますし。スキャンダルって、僕からしてみたら武器なんですよ。もちろんブラックなことはしないですけどね。ファンだからって俺と恋愛できないわけじゃないって思ってるし。
──なるほど。
君とだって熱愛報道が出る可能性があるんだよって。僕は壁を作らず恋愛をしたいから、ハニーたちを「ファン」と思ってないかもしれないです。
──ホントに強烈なキャラクターですよね。
ステージの上の自分がホントなのか、ボケっとしてる自分がホントなのか、最近自分でもよくわからないんですけど(笑)、でもステージ上のほうが気持ちいいんです。なんか、自分らしくいられるんですよ。
──その個性がPrizmaXにとってもいいスパイスになってるんじゃないかなって思います。
いや、スパイスどころじゃないですよ。メインディッシュです。
──失礼しました(笑)。で、有希さん的には5人の中での役割として、自分が「こうあるべき」みたいな思いはあったりするんですか?
PrizmaXのパフォーマーは翼と僕だけど、ダンスで言ったら翼のほうが上なんですよ。テクニック的にはね。ただMCになると僕のほうが……「僕のほうが」って比べるのもあれですけど僕が目立てるし(笑)、まあね、ダントツでオーラあるし。モノが違うっていうか。
──あはははは(笑)。
髪の色だけじゃなくて、放っているオーラが違うんですよ。だから僕らが今後進化してアリーナやスタジアムに立てるアーティストになったら、半分僕のお陰です。残りの半分を4人で割ってる感じ。だから荷が重いです、はい。
──責任重大ですね。ではそんなほかの4人は、有希さんにとってどんな存在ですか?
(照れ笑いを浮かべて)ほかの4人? そうですね……家族と友達を掛けた感じです。家族と一緒にいて悔しい思いってしないじゃないですか。でも、友達とも同じ人生をずっと歩むわけでもない。そうなったときに家族と友達と……あと何かをもう1つ掛け合わせたような、僕にとって世界に1つだけのジャンルの人たちです。
──貴重な存在ですね。
いやあ、本当に貴重ですよ。そしてこの言葉もかなり貴重ですよ。僕からこの言葉を聞けたのはすごいです。
──ありがとうございます(笑)。では最後に今後の活動について、有希さんが考えているビジョンなどがあれば。
春にはウィンの出た映画「レディ・プレイヤー1」の公開があるし、今回の主題歌もあるし、いい流れがあると思うんですよ。で、ライブに関しても今後イヤモニを導入して、より大きなステージを目指していく体制が整いつつあるんです。なのであとは僕らの努力次第で、どれだけの人にPrizmaXを知ってもらえるかですね。近い将来でアジアツアーを実現させたいし、グループとしてよりよい景色を観たいです。
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島田翼
- PrizmaX「yours」
- 2018年2月14日発売 / SDR
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TYPE-A [CD]
1000円 / ZXRC-1132
- 収録曲
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- yours
- Memory
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TYPE-B [CD]
1000円 / ZXRC-1133
- 収録曲
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- yours
- Are you ready?
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TYPE-C [CD]
1000円 / ZXRC-1134
- 収録曲
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- yours
- 夢唄
- PrizmaX Hall Tour Level7 ~FUSION~
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- 2018年6月2日(土)大阪府 NHK大阪ホール
- 2018年6月16日(土)千葉県 市川市文化会館
- PrizmaX(プリズマックス)
- 黒川ティム、森崎ウィン、清水大樹、福本有希、島田翼の5人からなるダンス&ボーカルユニット。スターダストプロモーションに所属するアーティスト集団「EBiDAN」の“兄貴分”として活動している。2013年3月に1stシングル「Mysterious Eyes / GO!」でCDデビュー。2015年9月にリリースされた6枚目のシングル「Lonely summer days」はオリコン週間シングルランキングで7位を獲得し、同年12月に東京・AiiA Theater Tokyoにて行われたワンマンライブを成功に収める。2016年4月に日本テレビ系「バズリズム」のオープニングテーマ、およびテレビ東京系「プレミアMelodiX!」のエンディングテーマを表題曲とするシングル「UP<UPBEAT」を発表。2017年には1stアルバム「Gradually」をリリースする。2018年2月に、テレビ朝日系土曜ナイトドラマ「明日の君がもっと好き」の主題歌をリードトラックに据えた9thシングル「yours」を発売。4月には森崎が出演したスティーヴン・スピルバーグ監督の映画「レディ・プレイヤー1」の公開を控えている。