ファンに対しては「申し訳ない」という気持ちだったよ
──渋谷公会堂のライブは、もちろん普段のライブとは違ってましたよね?
俺はいつも通りやろうと思ってたんだけどね。スタッフに解散することが告げられたのも渋谷公会堂の当日だったんだよ。プロデューサーの糟谷銑司さんがスタッフ全員を集めて「今日でBOØWYは終わる」と伝えて。解散するんじゃないかという噂はあったと思うけど、はっきり告げられたのはその日が初めてだから。スタッフにとっては「えっ!?」だよね。
──氷室さんがステージ上で「今まで4人でしかできなかった音楽をやってきたように、1人ひとり、これからやっていこうと思います」と話したのはアンコールのときでした。
いつ話すか知らされてなかったから、「ついに言ったな」という感じだったかな。ファンに対しては「申し訳ない」という気持ちだったよね。「今まで言えなくて、すまん」っていう良心の呵責と言うか。会場の外でもお客さんが大騒ぎになっていたらしいけど、もちろん俺たちはわからないからね。その対応のためにライブを観ていないスタッフもけっこういるんだよ。その後の記憶が途切れてるんだよね、俺は。どうやって帰ったのかもよく覚えてなくて。
──今「BOØWY 1224 -THE ORIGINAL-」の映像を観て、感傷的な気分になったりはしませんか?
少しはなるけど、もう30年経ってるから。それよりも「本当にこういうライブをやってたんだな」というほうが強いかな。演奏、サウンドに関しては一番脂が乗ってた時期だし、最強だったから。「これだけの音を4人だけで出してたんだぜ」って、今の人たちにも自慢できるね。
──翌1988年4月には東京ドームで「LAST GIGS」が開催されます。その間の4カ月はどんなふうに過ごしてましたか?
俺は嫁の田舎の鹿児島に行って、そこでDe-LAXの音源を聴いたんだよね。その前からもらってたんだけど、BOØWYが終わるまでは聴かないでおこうと思って。そのときにDe-LAXに参加することを決めて、東京でメンバーに会って。「まずはお披露目のライブをやろう」ということが決まった頃に「BOØWYが4月に東京ドームでライブ」という話が来たんだよ。正式に決まったのは2月に入ってからじゃないかな、確か。「LAST GIGS」のときは、メンバーそれぞれソロの準備をやってたはずだけどね。その年のうちに布袋(寅泰 / G)の「GUITARHYTHM」、ヒムロックの最初のアルバム「FLOWERS for ALGERNON」が出てるから。
ボーカルはマイクを置いたけど、ここには30年前のBOØWYが存在してる
──高橋さんは2013年にDe-LAXを脱退したのち、2016年に椎名慶治さん、tatsuさん、友森昭一さんと共にJET SET BOYSを結成しました。やはりロックバンドのドラマーでありたいという気持ちが強いんでしょうか?
そうだね。BOØWYが終わった直後は「もう辞めてもいいかな」と思ったこともあったんだけど、「やってほしい」というヤツがいるんだったら、やったほうがいいだろうと。60歳を過ぎてからは「いつまでやるんだよ」って言われることもあるんだけど、バンドは楽しいからね。
──これからも期待してます! BOØWYのファンの方々に「BOØWY 1224 -THE ORIGINAL-」をどんなふうに楽しんでもらいたいと思っていますか?
BOØWYのファンは四十代半ば、五十代くらいだと思うけど、30年前を思い出しながら観てほしいね。若い人は、とにかく先入観なく観てほしい。そのうえでいいかどうかを決めてもらえればそれでいいと思うから。BOØWYに関するトークライブをやると、今も「再結成はないんですか?」と聞かれるんだけど、再結成しないバンドが1つぐらいあってもいいんじゃない? むしろこの映像作品には30年前のBOØWYが存在しているし、それがカッコよければいいんじゃないの?って思うんだよね。
- Panasonic「プライベート・ビエラ Z1」
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ディスプレイとクレードル型スピーカーからなるポータブルテレビ。スピーカーはサブウーファーと4つのフルレンジスピーカーを内蔵した2.1chで、ディスプレイとスピーカーを合体させることにより、ポータブルテレビとしては他に類を見ない迫力ある重低音を実現した。
さらに、ライブ映像を観るのにピッタリな“エクストリームライブ”や、好みに合わせてバーチャルサラウンド効果や低音 / 高音レベルを設定できる“ユーザー”など音声モードも充実。チューナー部にはBlu-ray / DVDプレーヤーが搭載されるうえ、アンテナ線のあるリビングにチューナーを設置すれば好きな場所に持ち運んでワイヤレスで視聴することができる「お部屋ジャンプリンク」に対応している。
- BOØWY「BOØWY 1224 -THE ORIGINAL-」
- 2017年12月24日発売 / USMジャパン
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[DVD]
5400円
UPBY-5064 -
[Blu-ray Disc]
6480円
UPXY-6046 -
[Ultra HD Blu-ray + Blu-ray]
12960円
UPZY-9001
- 収録内容
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- LIAR GIRL
- ANGEL PASSED CHILDREN
- BLUE VACATION
- ハイウェイに乗る前に
- GIGOLO & GIGOLET
- PSYCHOPATH
- CLOUDY HEART
- Marionette
- わがままジュリエット
- LONGER THAN FOREVER
- 季節が君だけを変える
- WORKING MAN
- B・BLUE
- RENDEZ-VOUS
- ホンキー・トンキー・クレイジー
- PLASTIC BOMB
- BEAT SWEET
- IMAGE DOWN
- NO.NEW YORK
- MEMORY
- ONLY YOU
- Dreamin'
- 高橋まこと(タカハシマコト)
- 1954年生まれ、福島県出身のドラマー。1981年に暴威(のちのBOØWY)の初ライブを観たことをきっかけに、ドラマーオーディションに参加してバンドに加入。1988年に東京・東京ドームで最後のライブ「LAST GIGS」を行うまで、パワフルかつタイトなビートでバンドの屋台骨を支え続けた。BOØWY解散後は、元ALLERGYの宙也を中心としたバンド・De-LAXに参加し。De-LAX解散後はソロアルバム「楽しき人生」をリリースしている。その後もさまざまなバンドに関わりながらドラマーとして精力的に活動。2007年に自叙伝「スネア」を出版した。2016年には椎名慶治(Vo)、友森昭一(G)、tatsu(B / LA-PPISCH)と共にJET SET BOYSを結成し、同年6月に1stアルバム「JET SET BOYS」、2017年7月に2ndアルバム「BIRD EYE」をリリースしている。