2021年10月から2022年1月にかけて放送・配信されたサバイバル番組「Who is Princess?」。そこでさまざまなミッションを勝ち抜いたメンバーによって結成された5人組ガールズグループ・PRIKILが、デビューシングル「SOMEBODY」を5月4日にリリースする。
平均年齢14歳という若さながらパフォーマンスの実力は確かなもので、多くのK-POPアーティストを育ててきたトレーナー陣にも太鼓判を押されているPRIKIL。今回のインタビューでは「Who is Princess?」のエピソードはもちろん、「新鮮な組み合わせ」だった5人が結成からこれまでにいかに絆を深めてきたか、また豪華な制作陣が携わるデビューシングルの注目ポイントや世界での活躍を見据えた今後についてなど、幅広く話を聞いた。
取材・文 / 岸野恵加撮影 / 森好弘
私が残った意味をしっかり考えて、証明したい
──待ちに待ったデビューおめでとうございます。音楽ナタリー初登場なので、まずはそれぞれ自己紹介をお願いできますか?
RINKO ありがとうございます! メインボーカル、リーダー担当のRINKOです。
UTA サブボーカル、ムードメーカー担当のUTAです。
NANA メインダンサー担当のNANAです。
RIN リードボーカル、ラップ担当のRINです。
YUKINO リードダンサー担当のYUKINOです。
──平均年齢14歳ということですが、NANAさんとRINさんはそれぞれダンス歴9年と、経験豊富な方もいらっしゃいますよね。それぞれ何歳頃からアーティストになりたいと思っていたんですか?
RIN 私には歳の離れた姉がいまして、姉がすごくK-POPを好きだったんです。その影響でいろいろ見ていく中で、「私もこんなふうになりたいな」と思いました。
NANA アーティストに憧れるようになったのは小学6年生のときです。BTSさんのパフォーマンス映像を観て圧倒されてしまって。「Boy With Luv」の頃ですね。ダンスは小さい頃から習っていたので、それを生かした職業に就きたいという思いが強まっていきました。
UTA 私も2歳上の兄がBTSさんのことが大好きで。「ON」のパフォーマンス映像を見せてもらったときに、本当にカッコよくて感動したんです。「私もこんなふうに感動を与えられる人になりたいな」と考えるようになりました。
YUKINO 私はITZYさんの「WANNABE」のMVを観て「一瞬でこんなにも人を幸せにできるんやな」ってすごく感動して、アーティストを目指し始めたんです。それからたくさん練習して、番組に出させてもらえることになりました。
RINKO 小さい頃から歌ったり踊ったりするのが好きで、よくお母さんの前でアイドルの真似をしたりしていました。
──「Who is Princess?」を拝見していて、ミッションの内容もコーチからの指導もとても厳しい印象があったのですが、練習生の頃から努力を続けてきて、心が折れそうになることはなかったですか?
RINKO 私はこのメンバーの中では一番練習生期間が長いんですけど、毎日レッスンを続けていて、本当につらいときもありました。でも、レッスンが終わると毎日お母さんが車で迎えに来てくれるんですけど、帰りの車の中で「今日こんな練習をしたよ」「こういうことができるようになったよ」って報告をするのがすごく楽しくて。それがストレス発散になったし、お母さんが「上手になったね」と褒めてくれることが心の支えになって、大変でも乗り越えてこられたのかなと思っています。
──「Who is Princess?」で“鬼コーチ”と称されていたウンギョン先生は、練習生時代から今に至るまで皆さんの指導をしているんですよね。番組では厳しい姿が映ることが多かったのですが、たまにすごく優しさが滲んでいる瞬間があって。普段の指導の様子はいかがですか?
NANA レッスンのときはもう本当にあのままで、厳しいです(笑)。でもレッスン以外のときは本当に優しくて。たまに一緒にゲームをして、勝った人に景品をくださったり。すごく優しくて大好きな先生です。
YUKINO 「Who is Princess?」のミッション5では私が残るか落ちるかという局面があって、なんとか残れたんですが、そのときウンギョン先生に「YUKINOが残ったことには意味があるから、その意味をしっかりと考えて成長してほしい」っていう言葉をいただいたんです。それが「私が残った意味をしっかり考えて、証明しないといけない」とやる気につながって。先生のこの言葉があってこそ今があるんじゃないかなと思っています。
デビューメンバーに選ばれた瞬間、頭の中は……
──「Who is Princess?」で皆さんはたくさんのミッションに挑みましたが、特に印象的だったものはありますか?
RIN BLACKPINKさんの「How You Like That」のとき、初めてリーダーをやらせていただいたんです。最年少ながらリーダーを務めてみて、リーダーの大変さを実感しました。今まで同じグループでリーダーをしていたメンバーもこんなふうに責任感を持ってやってくれていたんだろうなと感じましたし、一番思い出深いミッションだったと思います。
──最年少であれだけチームをまとめられるRINさんはすごいなと思いながら観ていました。そして数々のミッションを勝ち抜き、晴れてこの5人のデビューが決まったわけですが、最終話でデビューメンバーとして名前を呼ばれたときはどんな気持ちでしたか?
UTA 私は最初に呼ばれたんですけど、本当に選ばれるなんて思っていなくて……。なので一番に名前が呼ばれてびっくりしすぎちゃって、段取りも間違えて。
RIN 「デビュー組に呼ばれた人はセンターマイクを取ってそこでしゃべってください」と事前にスタッフさんから細かく説明されていたんですけどね。UTAがPRINCESS組のマイクを取ろうとしたから「間違えてるよ!」って心の中で思ってました(笑)。
UTA もうびっくりしすぎてたんです(笑)。
──あたふたしている様子がしっかり映っていましたね(笑)。「Who is Princess?」は最初のミッションから、デビューに近いPRINCESS組と脱落候補が出るCHALLENGER組に分かれるシステムでしたが、YUKINOさんは唯一、ずっとCHALLENGER組だった中からデビューを決めました。視聴者の驚きと反響も大きく、一時Twitterのトレンドにお名前が入っていましたよね。
YUKINO ずっとCHALLENGER組だったので、もちろん自信がすごくあったわけではなくて。名前を呼ばれたときは、「どうしよう! なんて言ったらいいのかわかんない!」ってテンパっちゃいました。マイクを取りに行くときにはつまずきましたし(笑)。でも「一度もPRINCESS組に入ったことがない私がここまでがんばってこれたのは、ほかの14人の練習生と先生のおかげだ」という思いが、一気に頭の中を駆け巡りました。
──そしてNANAさんは、最後に名前が呼ばれました。
NANA 正直もう呼ばれないだろうなと思っていたので本当にびっくりしました。最近ママに言われたんですけど、名前を呼ばれて前に出るときの歩き方がすごくダサかったみたいで。「膝が動いていない歩き方がNANAっぽかったね」と言われました(笑)。
ボケとツッコミではなく、○○と非○○
──発表の瞬間を観返したら、またいろんな発見がありそうですね。5人のメンバーがそろったあとに、最終話の終盤でRINさんが「この5人で一緒になったことがあんまりないから新鮮」とおっしゃっていたのが印象的だったんですが、それまでは一緒に過ごす機会が少ない顔ぶれだったんでしょうか?
RIN 15人で番組が始まった頃からずっと、この5人で集まって話すことは全然なくて。デビューメンバーに決まって初めてという感じでしたね。最初はお互い新鮮な感じがありました。
UTA ファイナルまでは年上のメンバーもたくさんいたんですけど、こうして決まったメンバーを見ていたら私が一番年上で。「大丈夫かな?」っていう不安はまずありました。
──そこから3カ月が経ちましたが、どのようにチームワークを高めてきましたか?
YUKINO 特に意識して何かをしたということはないんですけど、年齢が近いということもあって、普段からワチャワチャと過ごすことが多いんです。学校の休み時間にするようなゲームですごく団結力が見えたり、無意識のうちに仲よくなってきた気がします。
──ゲームというと、やはり人狼とかですか?
NANA いや、「だるまさんがころんだ」とかです。休憩時間に、練習室で「みんなでやろう!」って盛り上がっています。
──休憩しないで「だるまさんがころんだ」をしている姿を想像すると、めちゃくちゃ和みますね(笑)。ではメンバーの中で、ボケとツッコミなどは分かれていますか?
YUKINO うーん、ツッコミは、この2人(自分とRINを指す)ですかね。
RIN 普通に辛口ですね。
YUKINO RINKOとUTAとNANAは、ボケというより、けっこう天然な御三方なんです。(横を見て)……みんな「私は違うぞ」って顔をしていますけど(笑)。話してる途中でたまに「通信途切れた?」って感じになったり、まったく違う話題の返事をしてきたりするんです。
──ボケとツッコミではなく、天然と非天然に分かれていると(笑)。リーダーは、そんな天然サイドのRINKOさんが務めているんですよね。
RINKO はい。任命された瞬間、「私で大丈夫かな?」ってメンバーの顔を見ちゃいました(笑)。「Who is Princess?」から数えても初めてリーダーになったので不安はあったんですけど、4人がサポートしてくれて。サブリーダーのRINもとても頼りになる存在なので、一緒にチームを引っ張ってくれています。
──ちなみに練習のときにパフォーマンスを牽引する役割の方はいますか?
UTA RINとNANAはダンス歴が長くてやっぱり振りを覚えるのが早いので、みんなをリードしてディテールを教えてくれたりしますね。
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大胆に大人っぽくイメージチェンジ