音楽ナタリー Power Push - predia
6年かけて磨き上げた“大人セクシー”という流儀
やっと弱いところも見せられる
──2016年に入ってからのprediaの活動はどうですか?
村上 1月にシングルがリリースされて以降、今回のミニアルバムの制作に入ってました。だからこの半年は次のステップのための準備期間ですね。いろんなことを蓄える時期というか。
──ミニアルバム「白夜のヴィオラにいだかれて」のテーマは「切ない大人の恋愛模様」「昼ドラのようなストーリー」ということで、それだけ聞くとちょっと重苦しいイメージもありますが。
湊 確かに歌詞は切ないものが多いんですけど、曲調はアップテンポなものからバラードなど、さまざまです。
村上 だからprediaのいろんな一面を感じることができるミニアルバムかなと。
青山 この1枚の中にライブをやってるときの私たちの魅力が全部収められていると思う。
村上 メジャーデビューして2年、prediaは「スタイリッシュ歌謡」というジャンルを打ち出して活動してきたんですけど、ようやくそのイメージが付いてきた中で、今回のミニアルバムはさらに幅を持たせるようなものになっていると思います。
──どんな大人の恋愛模様が聴けるのかとドキドキしてたら、1曲目「BOROBORO ~この愛はボロボロになる運命なのか~」から文字通りボロボロで(笑)。すごくヘビーな曲が来たなと。
青山 最初からインパクトを持たせたかった意図はあります。今回のミニアルバム、曲順はメンバーみんなで考えたんですよ。
まえだ あと、ドレスも今までずっと赤を基調としたものだったんですけど、悲しい恋愛の曲ばかりということで今回はテーマカラーを青にしました。だからドレスも青色なんです。
青山 アルバムタイトルにもある「ヴィオラ」は花の名前なんですけど、その花の色が青系なんですよ。
──青色というと悲しさとか寂しさを連想させますね。
村上 私たちとしては、今まで弱い女性の気持ちを歌う曲がなかったから、やっと弱いところを見せられるって、ちょっと楽しみでした。
青山 基本的に全部上から目線だったもんね(笑)。
──でも強気でここまで来ると、逆に弱いところは見せたくないんじゃないですか?
青山 そんなことはまったくなくて、私自身けっこう悲しい曲も好きなんですよ。
村上 ボロボロなのに強がって、みたいな女の子にありがちな気持ちを歌う曲は今までもあったんですけどね。
ワンマンライブをすべてソールドアウトさせたい
──この曲のMVでは、そんな苦しみまくってる皆さんの姿を見ることができますけど、観てるこちらもなんだか心が痛くなってきます。アルバムの1曲目からこの感じなので、このあとどうなっちゃうんだろうってドキドキして。そして2曲目の「幾重の愛に」もまた重いという(笑)。
湊 「愛を愛で満たしたい」って歌詞が特にね。どんだけ満たされたいんだよって(笑)。
桜子 この曲はアルバムの中でもかなり女性のストレートな思いが込められた歌ですね。
村上 男性にも女心をわかってほしいんですよね。
──男性としては1曲目、2曲目でだいぶズシッと心に来るものはありますけど(笑)。そしてシングル曲から「満たしてアモーレ」「刹那の夜の中で」が収録されています。「刹那の夜の中で」は初期のprediaの楽曲を連想させるメロディですね。
青山 そうなんですよ。私たちも歌っていて懐かしい気持ちになりました。
──切ない系の楽曲が続く中、「東京スキャンダル」はここまでの重たい空気を払いのけるようなノリのいい楽曲ですね。
青山 今回のアルバムの中では唯一のポップナンバーです。個人的にはいつかライブでアフロのウィッグをかぶってやりたいです(笑)。
──6曲目の「Tears Again」はPASSPO☆の楽曲ではおなじみの阿久津健太郎さんが手がけた楽曲なんですね。心が疲れているときに聴くとヤバそうです。
青山 メンバーも初めて曲を聴いたときにみんな感動しちゃって、レッスン場でボロ泣きしました。
──そしてこの曲では湊さん、村上さんに加えて桜子さんがメインボーカルとして歌っています。
桜子 そうなんです。prediaで3人ボーカル曲というのは初めてなんですよ。「挑戦してみる?」とスタッフさんから言われたので、がんばって練習しました。でもバラード曲はごまかしが効かないのでとても難しくて。
──歌詞の中で描かれているストーリーはどう解釈して歌いました?
湊 失恋の歌ではあるんですけど、自分が経験してきたことと似てるというか、共感できる部分も多かったので歌詞がスッと入ってきて自然に歌うことができました。
村上 私も自分のパートの情景をイメージしやすかったです。
青山 私は思わず感情移入しすぎてライブ中に泣きそうになってしまって(笑)。今のprediaの曲って女性が共感できるものが多いと思います。だから曲によっては女の人にしか理解できないものもあるんじゃないかと。
村上 だからライブにはもっと女の子が来てほしいんですよ。私、もっとキャーキャー言われたいので(笑)。
──今回のミニアルバムは女性にこそ聴いてほしい1枚に仕上がっているような気がしました。
青山 もちろん応援してくださってるファンの皆さん全員に聴いてもらいたい気持ちは変わらず、どのアイドルさんの歌と比べても女性に共感してもらえる自信があります。
──最後の「The Call」はバラードから一転してすごく盛り上がる曲ですね。
湊 ストレートに攻撃力の高い曲だよね。
青山 もうすでにライブで披露してるんですけど、今回のアルバム曲の中ではナンバーワンに盛り上がりますね。すごく手応えを感じています。
村上 今までのprediaにはなかったタイプの曲で、対バンライブで1曲目にやったりするとフロアがざわつく感じにはなりますね。「あれ? prediaってこんな感じだったっけ?」って。
青山 私たち、ライブ中に煽ることがそもそも少なかったので、この楽曲ではかつてないくらいフロアとの一体感を感じてます。
──このミニアルバムを引っ提げたツアーが決定してますが、今後のprediaとしての目標は?
青山 今後行っていくワンマンライブをすべてソールドアウトさせるというのが目標なんですけど、私たちとしてはやっぱりもう一度Zepp Tokyoでライブをやって、しっかりソールドアウトさせたい。前回を超えるほど楽しいライブにする自信があります。この夏が勝負だと思うのでお客さんを夏の間にどんどんつかんでいきたい。そして6周年公演はいいライブにしたいです。
村上 あと、私たちのメジャーデビューの日にラクーアガーデンステージでリリースイベントをやらせてもらったんですけど、そのときに「東京ドームでライブをやりたい!」って言ったのは今も気持ちとしては変わらないです。
青山 今はまだ地盤を固める時期かなと。そして上がるときは一瞬で駆け上りたいです。
- ミニアルバム「白夜のヴィオラにいだかれて」 / 2016年6月22日発売 / 日本クラウン
- Type-A [CD+DVD] / 2500円 / CRCP-40462
- Type-B [CD+DVD] / 2500円 / CRCP-40463
CD収録曲
- BOROBORO~この愛はボロボロになる運命なのか~
- 幾重の愛に
- 満たしてアモーレ
- 東京スキャンダル
- 刹那の夜の中で
- Tears Again
- The Call
Type-A付属DVD 収録内容
- 「BOROBORO~この愛はボロボロになる運命なのか~」Music Video
Type-B付属DVD 収録内容
- 「BOROBORO~この愛はボロボロになる運命なのか~」Dance Shot Ver.
- predia 「白夜のヴィオラにいだかれて」release tour
- 2016年6月11日(土)愛知県 名古屋ライブホールM.I.D
- 2016年6月12日(日)大阪府 YES THEATER
- 2016年7月10日(日)東京都 クラブeX
predia(プレディア)
岡村明奈、湊あかね、青山玲子、松本ルナ、沢口けいこ、村上瑠美奈、水野まい、桜子、林弓束、まえだゆうの10人からなるアイドルグループ。2010年11月に20代前半のメンバーを中心に結成し、大人のセクシーさをコンセプトとして打ち出して活動を開始する。2014年8月に「壊れた愛の果てに」で日本クラウンよりメジャーデビュー。2015年にはメジャー1stアルバム「孤高のダリアにくちづけを」をリリースし、同年12月には5周年ワンマンライブを東京・Zepp Tokyoで開催した。2016年6月に切ない大人の恋愛模様をテーマにしたミニアルバム「白夜のヴィオラにいだかれて」を発表した。