音楽ナタリー Power Push - predia

6年かけて磨き上げた“大人セクシー”という流儀

もう脱ぐしかないんじゃないかと思った

──prediaはセクシーさを打ち出したユニットですが、当時20歳前後だった皆さんとしては「大人の色気」を出すというのはハードルが高かったんじゃないですか?

村上 そうなんですよ。社長が私たちのパフォーマンスを見て「もっと高級感を出して!」と言ってくるんですけど、漠然としすぎてて。当時20歳だった私は「高級感って何?」って感じでしたし。でもわからないなりにみんなで考えて、足をクロスして立ったら高級感が出るんじゃないかとかいろいろと工夫はしてました。当時は常に「高級感」を気にしてすごい悩んでました。結局「高級感」というものを表現できたとしても、その頃の私たちには全部が背伸びをしてる感じに見えてしまって。PASSPO☆と比べられることがとにかく多かったから「もっと大人っぽさを出して」って大人たちが差別化しようとしてたのはわかるんですけどね。でも彼女たちとそれほど年の差もなかったのに、どうしたら「大人セクシー」を出せるんだろうって考えすぎて、結局迷走の連続だったような気がします。

青山 ライブごとに試行錯誤してましたね。何をしたらお客さんが楽しんでくれるのか、試し続けるしかなかったんです。

村上 それで本当に方向性がわかんなくなって「もう脱ぐしかないんじゃない?」ってところまでいきました。わかりやすいエロを打ち出していったほうがいいんじゃないか、という究極なところまでいきましたね。

 思い詰めてたね、みんな。

村上 でも当時、私たちの振り付けをしてくれていた竹中夏海先生が「それは違う!」って止めてくれて。

青山 その頃は竹中先生が何かとアドバイスをしてくれてたので気持ち的にもすごく助けられました。

──けっこう時間をかけて悩みながらここまでやってきた感じなんですね。

湊あかね

 悩んだ結果、大人の色気なんて放っておけば自然と出てくるものだと気付きました(笑)。

青山 いろんな大人がいろんなことを言ってくるから、当時の私たちはみんなで悩んで、迷ってね。

 最終的には人に惑わされずに自分を信じることが正解ってわかりましたし、続けていれば時が解決してくれるなって(笑)。

──メジャーに行くまでずっと悩んでいた感じですか?

村上 メジャーに行く1年前までは悩んでました。だから結成から2、3年くらいはずっと悩んでましたね。

歌では絶対に負けない自信があった

──prediaは初期の頃から楽曲のよさに関しては定評があったように思います。「Dia Love」や「Dream of Love」を中心に歌っていたときのフロアの盛り上がり方は、PASSPO☆とはまた違った熱さがありました。楽曲から皆さんのことを知って入ってきたファンも多かったんじゃないですかね。

青山 「ライブが熱い」という噂を聞いて来てくれる人は多かったと思います。それに握手会があってもそれが目的じゃなくてライブだけでいいやって人も多いですね。

──特典会ありきのアイドル現場が多い中、ライブが評価されてファンが増えてるのは、やはり皆さんのパフォーマンスに魅力があるからだと思います。湊さんと村上さんのツインボーカルは初期の頃から力強くて印象的ですし。prediaの名前が浸透してきたなと感じたのはいつ頃からですか?

青山 メジャーデビューして1年ぐらい経ってから徐々に私たちのことを知ってくれる方が多くなってきたように感じます。

──結成から4年目の2014年2月、東京・TSUTAYA O-WESTで行われたライブでメジャーデビューが発表されました。そのとき皆さんはどんなことを考えてましたか?

村上 私は人生で3本の指に入るくらいうれしかった! 今、思い出すだけで涙が出そうになりますもん。

まえだゆう

まえだ ちゃん(まえだ自身の呼び名)も会場で観ててすごい感動したんですよ。こんな素敵なグループに入れるんだって、期待とプレッシャーを感じつつ。

青山 私たち、ずっとメジャーデビューは憧れていたんですけど、あとから結成した後輩アイドルたちにどんどん抜かされていた状況で。悔しい日々を過ごしていた中、その日は和泉(テルミ)と竹田(愛)という大事なメンバーの卒業公演で、結果を出せないまま2人を見送らなきゃいけないという状況にモヤッとした思いがありました。

村上 なんであとから結成されたようなグループばかり先にメジャーデビューするんだよっていう思いはありましたよ。歌では絶対に負けてないっていう自信はありましたから。でもそんな状況に対して腐らず、みんなが同じ方向を向いて団結できるようになってきて「遅咲き見てろよ!」って気持ちになっていきました。その矢先のメジャーデビュー発表だったから本当にうれしかったし報われたなって。

──メジャーになってから心境の変化はありましたか?

 責任感はより一層芽生えたと思います。もっとちゃんとしないとダメだって。

村上 メジャーになったって変わらないって言う人もいると思うけど、露出が多くなってたくさんの方に知ってもらう機会が増えたのはとても大きなことですし。いただいたチャンスを生かしていきたいって思うようになりました。

青山 私はすごく自信になりました。今までいろいろ悩みながら試行錯誤してやってきたけど、自分たちが信じる道を進んで目標を達成することができたから。

Zepp Tokyoでのライブは私たちの理想形

──昨年末にZepp Tokyoでグループ史上最大規模の単独ライブを行いました。この日を振り返ってみて感想は?

 パフォーマンスからお客さんの盛り上がりまで、あの日は私たちにとっても最高で、prediaの歴史としても伝説的なライブになりました。

青山 確かに。今までのライブを思い返してみても最初に頭に浮かぶのがあの日のライブです。

村上 当日までは不安な気持ちだったんですけど、ステージに出たら最初から最後まで全部楽しかったんですよ。もう1回ここに絶対に立ちたいって思うくらい、最高のライブでした。

青山 私たち、まだ赤坂BLITZもやってなかったのに、会場の大きさとかファンの人の数とかいろいろ飛び越えちゃったんですよ。だから不安だらけでした。

村上 スタッフさんからはサプライズ発表のあと「Zepp用意したよ。がんばってね」って言われただけで。発表があったときは正直やばいぞって思ったよね。

──当日は新しい試みとして全編バンド演奏によるライブを行いましたね。

桜子 バンド演奏をバックにライブするのがこんなに気持ちがいいのかって思いました。

村上 あとは花道も用意してもらって。ステージだけじゃなくて、花道を使った演出を考えて、そこでの振り付けは私のほうで考えました。

桜子

──皆さんがやりたいことを全部詰め込めたようなライブだったと。

村上 それでも全部は実現できませんでした。でも私たちのライブの1つの理想の形は作れたかなと思います。

桜子 細かいことを言えば反省点もあるけど、総合的にいいライブでした。

青山 そして、またZeppや大きな会場でやりたいって気持ちになることができたのもグループとしては大きな意味があったと思います。

村上 うん。prediaにとってプラスしかなかったね。

ミニアルバム「白夜のヴィオラにいだかれて」 / 2016年6月22日発売 / 日本クラウン
Type-A [CD+DVD] / 2500円 / CRCP-40462
Type-B [CD+DVD] / 2500円 / CRCP-40463
CD収録曲
  1. BOROBORO~この愛はボロボロになる運命なのか~
  2. 幾重の愛に
  3. 満たしてアモーレ
  4. 東京スキャンダル
  5. 刹那の夜の中で
  6. Tears Again
  7. The Call
Type-A付属DVD 収録内容
  • 「BOROBORO~この愛はボロボロになる運命なのか~」Music Video
Type-B付属DVD 収録内容
  • 「BOROBORO~この愛はボロボロになる運命なのか~」Dance Shot Ver.
predia 「白夜のヴィオラにいだかれて」release tour
2016年6月11日(土)愛知県 名古屋ライブホールM.I.D
2016年6月12日(日)大阪府 YES THEATER
2016年7月10日(日)東京都 クラブeX
predia(プレディア)

predia

岡村明奈、湊あかね、青山玲子、松本ルナ、沢口けいこ、村上瑠美奈、水野まい、桜子、林弓束、まえだゆうの10人からなるアイドルグループ。2010年11月に20代前半のメンバーを中心に結成し、大人のセクシーさをコンセプトとして打ち出して活動を開始する。2014年8月に「壊れた愛の果てに」で日本クラウンよりメジャーデビュー。2015年にはメジャー1stアルバム「孤高のダリアにくちづけを」をリリースし、同年12月には5周年ワンマンライブを東京・Zepp Tokyoで開催した。2016年6月に切ない大人の恋愛模様をテーマにしたミニアルバム「白夜のヴィオラにいだかれて」を発表した。