音楽ナタリー Power Push - predia

6年かけて磨き上げた“大人セクシー”という流儀

prediaが6月22日にミニアルバム「白夜のヴィオラにいだかれて」を発表した。このミニアルバムにはこれまで彼女たちがあまり表現してこなかった「切ない大人の恋愛模様」をテーマにした楽曲が多数収められており、今年で活動6年目に突入した彼女たちの新たな魅力を引き出している。

音楽ナタリーでは本作のリリースを記念して、青山玲子、湊あかね、村上瑠美奈、桜子、まえだゆうの5人に集まってもらいインタビューを実施。活動初期の頃からいかにして彼女たちが“大人セクシー”というコンセプトをものにしていったのかを聞いた。

取材・文 / 古川朋久 撮影 / 塚原孝顕

まえだゆうはギャップしかない

──2010年11月から活動を開始して、今年でもう6年になるんですね。

青山玲子 6年と言われるとあっという間な気もしますけど、体感的にはとても濃い時間を過ごしてきたと思います。

まえだゆう

──ここにいるメンバーで結成時から在籍してるのは湊(あかね)さん、村上(瑠美奈)さん、青山さんの3人ですね。桜子さんは結成1年後に加入。まえだ(ゆう)さんは2014年のメジャーデビューのタイミングで加わりました。

まえだゆう そうでござるな。

──ござる……?

湊あかね 彼女、忍者に憧れてるんで、たまにこういうしゃべり方になるんですよ。しゃべらなければ美人なんですけど……。

──見た目としゃべり方のギャップがありすぎて困惑してます(笑)。

青山 というかギャップしかない(笑)。彼女、キャラじゃなくて24時間このまんまなんですよ。最初に会ったときはキャラだと思ってたんですけど、ずっとこれだから「やばい! 本物が来ちゃったよ!」ってメンバーの中でもざわついて。

桜子

桜子 彼女が加入すると聞いて、会う前にネットで調べたらすごい美人だったからめっちゃテンションが上がったんですよ。でも自己紹介のときに異変に気付きました(笑)。

まえだ しかし、本当にいいメンバーなのでハッピーやなって思ってます。素敵です!

 「しかし」ってよく使うし、使い方も間違ってるけどあまり気にしないでください(笑)。

ほぼ全員が未経験でステップも踏めなかった

──同じ事務所では皆さんより先にPASSPO☆(当時はぱすぽ☆)が結成されました。ちょうどその頃、アイドルブームが過熱し始めた時期でしたよね。prediaはどういった経緯で結成されたんでしょう?

青山 PASSPO☆結成の流れもあって、事務所にもう1つアイドルグループを作ったらいいんじゃないかみたいな動きがあったんですよ。それで事務所の社長から「アイドルやらない?」みたいな感じで所属してるタレントやモデル、女優志望の女の子たちが声をかけられてオーディションが行われたんです。そのオーディションでは同じ部屋に20人くらい女の子たちが並べられて、いきなりスタッフさんから「じゃあステップ踏んでみようか。ここがクラブだと思って踊ってみて」って漠然と言われて。

 そうそう。それでわけもわからず一斉に踊り出しました(笑)。ぶっちゃけ、なんだこれって感じでしたね。

青山玲子

青山 そこから歌唱審査を経て、わりとすぐにメンバーが決まりました。

──すごいふわっとした感じでスタートしたんですね(笑)。

青山 当時18歳から23歳までの女の子が13人集められて、そのとき流行っていた少女時代さんみたいなセクシーでカッコいい路線のグループをやろうというコンセプトは決まっていました。だけど、メンバーみんながそれほどアイドル活動をがっつりやっていきたいというスタンスでもなくて。それに13人選ばれたんですけど、当時なぜかステージに立てるのは12人までで必ず1人ライブに出られなかったんですよ。

 じゃあなんで13人も入れたんだよ、って思うような謎のシステムが導入されてました(笑)。

──結成当初は東京の初台DOORSやMorph-Tokyoでよくライブをやってましたね。

青山 懐かしいですね。私たち、人数が多いのにあまり大きなステージでやれるわけもなく、その2つのライブハウスにはお世話になりました。当時3曲しか持ち歌がないのにけっこうライブの数はこなしてて「どうセトリを組み立てる?」みたいなことを毎回悩んでいた記憶があります。

 思ったよりもガッツリと活動するんだなってみんなが気付き始めてね。そんなお手軽なことではないぞ、と。

青山 あとやっぱり歌やダンスの未経験者ばかりだったのも厳しかったです。あかねん(湊)と瑠美奈が歌とダンスをやったことがあるくらいで、ほかはほぼ全員未経験という状況で。

村上瑠美奈

村上瑠美奈 私はもともとボイトレやダンスレッスンに通っていたので、社長から声をかけられたときはメンバーみんなが当然「できる子」だと思ってましたよ。でも実際レッスンに入ってみたら初歩的なダンスのステップも踏めない子ばかりで、これはどうしたものかと戸惑いましたね。

──メンバー内で実力差が顕著に表れていたと。

村上 はい。びっくりしました。そこからステージでお見せするレベルまでもっていくのがすごく大変でしたね。

 そして同時にアイドルという職業は、とても大変なんだなと思い知らされました。生半可な気持ちじゃやってられないお仕事だって。想像していた世界とはまったく違うものでした。

──そこから少しでもパフォーマンスのレベルを上げるためにレッスンを積んで、ちょっとずつ名前も知られるようになっていて。

桜子 私は結成から1年後に加入したんですけど、初めてレッスンに参加させてもらったときに彼女たちの歌を聴いて鳥肌が立つほどすごいなって思いました。逆に1年でこれだけレベルの高いパフォーマンスができるようになるのかと思って、気合が入りました。

ミニアルバム「白夜のヴィオラにいだかれて」 / 2016年6月22日発売 / 日本クラウン
Type-A [CD+DVD] / 2500円 / CRCP-40462
Type-B [CD+DVD] / 2500円 / CRCP-40463
CD収録曲
  1. BOROBORO~この愛はボロボロになる運命なのか~
  2. 幾重の愛に
  3. 満たしてアモーレ
  4. 東京スキャンダル
  5. 刹那の夜の中で
  6. Tears Again
  7. The Call
Type-A付属DVD 収録内容
  • 「BOROBORO~この愛はボロボロになる運命なのか~」Music Video
Type-B付属DVD 収録内容
  • 「BOROBORO~この愛はボロボロになる運命なのか~」Dance Shot Ver.
predia 「白夜のヴィオラにいだかれて」release tour
2016年6月11日(土)愛知県 名古屋ライブホールM.I.D
2016年6月12日(日)大阪府 YES THEATER
2016年7月10日(日)東京都 クラブeX
predia(プレディア)

predia

岡村明奈、湊あかね、青山玲子、松本ルナ、沢口けいこ、村上瑠美奈、水野まい、桜子、林弓束、まえだゆうの10人からなるアイドルグループ。2010年11月に20代前半のメンバーを中心に結成し、大人のセクシーさをコンセプトとして打ち出して活動を開始する。2014年8月に「壊れた愛の果てに」で日本クラウンよりメジャーデビュー。2015年にはメジャー1stアルバム「孤高のダリアにくちづけを」をリリースし、同年12月には5周年ワンマンライブを東京・Zepp Tokyoで開催した。2016年6月に切ない大人の恋愛模様をテーマにしたミニアルバム「白夜のヴィオラにいだかれて」を発表した。