ナタリー PowerPush - Prague
“シーンの反逆者”を目指す3人が放つ待望の1stアルバム「Perspective」
予想以上に、硬派で真摯なロックバンドである。昨年秋のメジャーデビューから半年、Pragueがリリースした1stアルバム「Perspective」は、3ピースで表現できる幅広い可能性に挑むバンドの力強い意志を明らかにする1枚だ。
キレのあるギターロック、四つ打ちのダンスナンバー、ブラックミュージック的なうねりのあるグルーヴなど、さまざまなリズムのスタイルを駆使した全15曲を収録。そこには彼らならではの、自然体のハイブリッド感覚が息づいている。
今回ナタリーでは、アルバムを完成させた3人へインタビューを敢行。彼らのバンドとしてのアイデンティティ、そして今作が生まれるに至った時代性や自分たちの世代感についてじっくりと話を訊いた。
取材・文/柴那典
デビューから現在に到るまでのPragueのリアルを詰め込んだ
──今作はPragueというバンドのアイデンティティがすべて伝わるアルバムになったんじゃないかと思います。まず、デビューからシングル3枚をリリースして、アルバムが完成したときの心境はどうでした?
鈴木雄太(Vo&G) いろいろミーティングを重ねてきた作品だったので、それだけでも感慨深かったですね。最終的に曲の並びや曲間もすごく考えたので。すべて終わって、いいアルバムがちゃんとできたなと思って。とっちらからないようにすごく時間をかけたので、うれしかったですね。
──これは、3ピースのバンド編成でやれることにいろんな方向からチャレンジしたアルバムですよね。
伊東賢佑(Dr) 自然体でこうなったという感じですね。最初は18曲入れようかという話もあったけれど、さすがにディレクターのストップが入った(笑)。ただ、まだまだこれからもやれること、やりたいこと、たくらんでいることはすごく多いですね。アルバムは、デビューから現在に到るまでのPragueのリアルを詰め込んだものなんです。
いろんな情報を吸収した上で、自然と幅広さが生まれた
──デビューしてから、曲を作るごとに音楽性も変わってきたのでは?
鈴木 飽きっぽいんですよね。リズムのスタイルをどんどん変えたりする。8ビートの曲を作ったら、次は跳ねるハーフシャッフルの曲を作って。でも8ビートでかき鳴らしてるギターの雰囲気をそのまま残したりする。いろんな情報を吸収した上で、自然と幅広さが生まれた。そこら辺の器用さはもともとありましたね。
──アルバムでキーになった楽曲はどれでしょう? 軸になった曲というか。
鈴木 これは個人個人で違うかな。僕は「Greedy Rhythm」ですね。僕らは、単純に気持ちいいものや楽しいものをやっていったら、自然とこの幅の広さになった。そこには時代感もあるし、僕らが24歳だというところもあって。そういうことがすべてこの曲に詰め込まれている。アルバムの基盤となってる感じがしますね。
伊東 僕は「Slow Down」かな。この曲を作ったときって、知識も何もなかった。「こういうのは新しいな」という感覚だけで作ったものなんです。でも、それを今あらためて見つめ直すと、原点に戻れるんですよね。常に新鮮な気持ちになれるんです。
金野倫仁(B) いろいろあるけど、4曲目の「遮光」は現在版の「Slow Down」かなというふうに思ってますね。Pragueというバンドのアイデンティティやイメージは、この曲がよく表現できていると思います。8ビートの仮面をかぶっているけれど、それだけじゃない曲で。
CD収録曲
- Greedy Rhythm
- Light Infection
- Roam
- 遮光
- バタフライ
- 曇りのち -Interlude-
- 日照り雨
- Distort
- Negai
- 流転
- Impudent -Interlude-
- Stance
- シェイカーラブ
- 夜半に問う今
- Slow Down
Prague monthly sessions
「Fire Fire Fire」
- 2010年7月27日(火)東京都 SHIBUYA BOXX
OPEN 18:00 / START 19:00
ゲスト:SPANK PAGE - 2010年8月31日(火)東京都 SHIBUYA BOXX
OPEN 18:00 / START 19:00
ゲスト:QUATTRO - 2010年9月28日(火)東京都 SHIBUYA BOXX
OPEN 18:00 / START 19:00
ゲスト:HaKU
Prague(ぷらは)
鈴木雄太(Vo,G)、伊東賢佑(Dr)、金野倫仁(B)による関東出身のスリーピースバンド。同じ高校で3年間同じクラス、軽音楽部、プライベートも一緒にいた腐れ縁の鈴木雄太と伊東賢佑の2人が、同じ音楽専門学校に進み、2006年に金野倫仁と出会って結成。自主制作盤を2枚出したところでレコード会社の目にとまる。2009年9月9日シングル「Slow Down」でキューンレコードよりメジャーデビュー。