越雲龍馬（polly）×番場秀一対談

こんなにいい映像ができたのは「たまたま」

──越雲さんのリクエストで今回番場さんがミュージックビデオを撮影することになったと聞きました。

越雲龍馬　僕、pollyを始めるちょっと前に番場さんの存在を知って、ずっとミュージックビデオを撮ってもらいたいなと思ってたんですよ。番場さんが監督しているMVは昔からたくさん観ていて、最近だとplentyの「よい朝を、いとしいひと」っていう曲のMVが本当に素晴らしいなと思って。

番場秀一　本当ですか？ あのMV僕も気に入ってますよ。

越雲　あと鬼束ちひろさんの「茨の海」のMVもすごく好きです。

──番場さんはpollyの楽曲を聴いて、最初にどういう印象を持ちましたか？

番場　単純にいいバンドだなと思いました。ミニアルバムから「沈めてくれたら」と「Addict」の2曲を聴かせてもらって、得意なほうでMVを撮ってほしいという話だったので、「沈めてくれたら」を選びました。僕はもともと暗い感じの曲が好きだし、自分の作風に合うのはこっちだなと思って。

──なるほど。

番場　pollyのライブを観させてもらったときに、アスファルトの切れ目に液体が流れているイメージが頭に浮かんだんです。あと目の前で演奏しているのに、すごく遠くにいてあんまり見えない感じにも思えて。今回のMVはライブを観たときに感じたものを、歌詞の内容で補填したイメージです。

──越雲さんはビデオができて、この曲がさらに好きになったと言っていました。

番場　それはすごくうれしいですね。僕もできあがりをすごく気に入ってます。でもなんか、いいのができたのはたまたまなんですよ。曲にハマったというか。これは僕だけの力ではなくて。実際にハマるかどうかなんて完成するまで正直わからないんですけど、自分が気に入ってるものをアーティストにも気に入ってもらえたのはうれしい。

越雲　たまたまって（笑）。

番場　今回のを気に入ってもらえても、たまたまだからね。次はどうなるかわからないよ（笑）。

越雲　えー（笑）。

番場　僕はすごくムラがあるんですよ。ダメなときは本当にしょうもないのを作っちゃうんで、pollyはラッキーだったと思います。

越雲　そんな（笑）。とにかく、めちゃめちゃいい映像だなって思ってます。

番場　本当に曲ありきだと思ってますよ。