Pococha×川崎鷹也コラボ企画に密着、“想いのチカラ”が生み出す音と歌声

配信サービス・Pocochaと川崎鷹也によるコラボレーション企画「Pococha×川崎鷹也 Special Movie “想いのチカラ”」の映像がYouTubeで公開された。

この企画ではPocochaで活動している演奏家ライバーと川崎が共演し、「想いのチカラ」をコンセプトに「魔法の絨毯」「FLY HIGH」の2曲をパフォーマンスしている。音楽ナタリーでは本企画の収録の模様に密着。ライバーと川崎の貴重な共演の様子をレポート形式で紹介する。また特集後半には、収録を終えた感想やPocochaについて語る、川崎と演奏家ライバー3名によるコメントも掲載する。

取材・文 / 石井佑来撮影 / 近藤隼人

「Pococha×川崎鷹也 Special Movie “想いのチカラ”」収録レポート

ライブ配信は今や、表現活動を行う多くの人にとってとても身近な存在になっている。コロナ禍によってリアルな活動の場が一時的に奪われ、さまざまな配信サービスが発達した今、その傾向はますます強くなっているだろう。DeNAが提供するライブコミュニケーションアプリ・Pocochaも、そんな“配信による表現活動の場”の1つだ。「Pococha×川崎鷹也 Special Movie “想いのチカラ”」では、Pocochaで日々活動している演奏家ライバーと、シンガーソングライター・川崎鷹也がコラボ。ライバー9名からなるオーケストラの演奏に乗せて川崎が歌声を紡いだ。

「Pococha×川崎鷹也 Special Movie “想いのチカラ”」収録の様子。

「Pococha×川崎鷹也 Special Movie “想いのチカラ”」収録の様子。

今回のスペシャルライブのコンセプトは「想いのチカラ」。ライブの冒頭で川崎は「音楽をやっていくうえで一番大変なことは『続けること、そして、あきらめないこと』」と語る。確かに、音楽だけで生きていくというのは生半可なことではない。音大を出てからも、長い下積みを経て、業界内の厳しい競争を勝ち抜き、ようやく大きな舞台に立ったとしても、それだけで生計を立てられる演奏家はひと握りだ。それでも、音楽と生きていくという強い“想い”を持って、音楽を続ける演奏家たちがいる。今回の企画は、そんな「想いのチカラ」を持ち、前向きにがんばり続ける演奏家たちに向けて、エールを送る企画になっている。

「Pococha×川崎鷹也 Special Movie “想いのチカラ”」収録の様子。

「Pococha×川崎鷹也 Special Movie “想いのチカラ”」収録の様子。

「Pococha×川崎鷹也 Special Movie “想いのチカラ”」収録の様子。

「Pococha×川崎鷹也 Special Movie “想いのチカラ”」収録の様子。

収録が行われたのは東京都内のあるスタジオ。広々とした空間にライバーたちと川崎が一堂に会する。音だけでなく映像も収録されるため、演奏のみならず照明からカメラワークに至るまで入念にリハーサルが重ねられ、それぞれの準備が整ったところでいよいよ本番へ。川崎は「想いのチカラ」という企画のテーマについて語りつつ、「僕の今を変えた楽曲をここにいる全員でお届けしたいと思います」と述べ、言わずと知れた代表曲「魔法の絨毯」を歌唱。川崎の柔らかくも芯のある歌声に、ライバーたちが奏でるしなやかな音が重なる。演奏がスケール感を増していくにつれて、川崎の歌声も徐々に熱を帯びていき、普段は交わることのない川崎とライバーたちが見事にシンクロした。

「魔法の絨毯」の演奏後にはトークパートの収録も行われ、ライバーたちが各々の音楽遍歴や、どんな思いを持ってPocochaで活動しているかを語った。現役音大生に、もう少しで1歳になる娘を持つ1児の母、コロナ禍で活動の場をなくした演奏家……境遇はそれぞれ異なるが、音楽を愛する気持ちは同じ。そして、スマホさえあれば自分の大好きな音楽が演奏できる、誰かが聴いてくれる、応援してくれる。そんな場所としてライバーたちはPocochaを選んだ。「いろんな場所で表現したいことをできるんだよ、ということをみんなとの演奏で伝えられたらと思います」。そんな言葉を残して、川崎は2曲目「FLY HIGH」の歌唱へと移った。

「Pococha×川崎鷹也 Special Movie “想いのチカラ”」収録の様子。

「Pococha×川崎鷹也 Special Movie “想いのチカラ”」収録の様子。

ダウンテンポのバラードナンバー「魔法の絨毯」と打って変わって、「FLY HIGH」はアッパーなポップチューン。ダイナミックで躍動感のあるストリングスとホーンに、凛としたピアノの音色が絡み合い、そこに川崎の力強い歌声が乗せられる。川崎の晴れやかな表情に、ライバーたちの真摯な眼差し。「活動の場所は違うけど、音楽を愛する気持ちは変わらない」。そんな言葉を証明するような充実感たっぷりのパフォーマンスが繰り広げられ、それぞれが達成感のにじんだ表情を浮かべる中、収録は無事終了した。

川崎鷹也 コメント

川崎鷹也

川崎鷹也

皆さんとの収録はただただ楽しかったですね。僕は普段アコースティックギター1本でステージに立つことが多いので、誰かと一緒に音を出すこと自体が特別なことだし、今日初めてお会いした方と一緒に1つの音楽を奏でられて、とても貴重な経験をさせていただきました。僕も誰にも自分の曲を聴いてもらえないという状況が長かったので、「どうすれば自分の想いや言葉が届くんだろう」と常に試行錯誤しながらやってきて。だから“想いのチカラ”を持って今日参加された皆さんの気持ちはよくわかるんです。音楽は本来楽しむためのものだけど、本気でやるとめちゃくちゃ苦しい。それをみんなの表情などを見て改めて感じたし、そこに寄り添うことができたならよかったなと思います。

配信アプリで自分のやりたいことを表現できて、それをいろんな人に観てもらえるなんてすごくいい時代だと思います。何かを表現できる場所はあればあるほどいいと思うし、同時にそれがいろんな人にとっての居場所にもなっている。それぞれいろんな境遇の中で生活していると思いますが、こうやって音楽を表現したいと思う気持ちは同じだし、音楽への愛はみんな変わらないんだなと思いました。貴重な経験をありがとうございました。

プロフィール

川崎鷹也(カワサキタカヤ)

1995年、栃木県生まれのシンガーソングライター。2018年にアルバム「I believe in you」で本格的に音楽活動を開始。2020年、SNSで「魔法の絨毯」が人気となり、同曲を使った動画が2万7000本以上アップされ、トータルの再生回数は約3億回を超える。2021年7月に発売された松本隆のトリビュートアルバム「風街に連れてって!」に参加し、大瀧詠一「君は天然色」をカバー。同年12月には初のメジャーオリジナルアルバム「カレンダー」を発表した。2023年は俳優業もスタートさせ、映画「魔女の香水」やNHK夜ドラ「褒めるひと、褒められるひと」へ出演。6月に3rdアルバム「ぬくもり」をリリースした。

参加ライバー コメント

左から所はるな、まる、ビッキー。

左から所はるな、まる、ビッキー。

所はるな(cello)

10歳からチェロを始め、音大卒業後はクラシックだけでなく、ストリートライブ、イベントやレストラン、ライブハウスでの演奏などさまざまな形で活動している。

川崎鷹也さんの歌声が加わった瞬間、一気に空気が変わった感じがあって。私たちのすべてを包み込んでくれるというか。そんな素晴らしいアーティストの方とご一緒できて、本当にただただ幸せでした。今回私は“ママライバー”としてこの企画に参加させていただいたんですけど、私はこの先何年か経ったときに「ママ、演奏しているのカッコいいね」と娘に思ってもらえるようなお母さんになりたいと思っているんです。お母さんって、自分の時間をあまり取れない方が多いと思うんですけど、ママライバーとして配信をしているときは普段とは別の自分になれる。そういう活動の在り方がこれからPocochaを中心に広がっていったら、とても素敵なんじゃないかと思っています。

まる(Trumpet)

学生時代は毎月老人ホームや病院、障害者施設へ慰問演奏に行き、音大卒業後は演奏活動のほか、吹奏楽部やレッスンでの講師活動を行っている。

ほかのライバーさんと演奏できるだけで幸せだったんですけど、川崎鷹也さんの歌が入った瞬間に胸がぎゅっとなって。貴重な時間を過ごさせていただけて本当に幸せでした。音大を出ていても活動を続けていくのは難しい世界ですし、どうやって音楽を続けるか迷っている人もたくさんいると思います。そういう人にとって、Pocochaは音楽を続けられる場所になると思うんです。続けていくことでこういった機会をいただけたりもするので、音楽活動を辞めてしまうか迷っている方がいたら、その前に配信アプリに手を伸ばしてもらえたらうれしいです。

ビッキー(Piano)

東京音楽大学3年生。物心ついたときからピアノを演奏し、小学校では毎月ミニコンサートに出演。中高生時代も文化祭などで演奏していた。

川崎鷹也さんのような第一線で活躍されている方と一緒に音楽を奏でられるのは、夢のような時間でしたし、自分も川崎鷹也さんのあとを追えるようにがんばりたいなと強く思いました。Pocochaはほかのサービスと比較しても、1人ひとりのリスナーさんと深くつながれると思っていて。自分にとって第2の故郷みたいな存在です。自分の音楽を知らない人に聴いていただけるのは本当に難しいしありがたいことだと思うんですけど、Pocochaではスマホさえあればそれができるので、少しでも興味がある人は一度トライしてみてほしいです。僕はそれで本当に人生が変わったので。