ナタリー PowerPush - →Pia-no-jaC←
第2章アルバム「暁」インタビュー&全都道府県ツアー回想
10公演過ぎた頃からツアー生活が体に馴染んだ
──ここからは、昨年9月から4カ月で47都道府県を回った全国ツアー「EAT A JAPAN TOUR 2011」を振り返ってみたいと思います。4カ月で47カ所を回るスケジュールはキツくなかったですか?
HAYATO 最初にスケジュールを見たときは、めちゃめちゃハードやなと思ったんですけど、特に6公演終わったあたりでまだ40公演以上残ってることに気付いたときには「これはものすごいことをしようとしてるんじゃないか?」と改めて思いましたね。
HIRO 俺も10公演目くらいまでは同じことを思ってました。でも、10公演過ぎた頃からツアー生活が体に馴染んできて、気が付いたら20公演終わっていて、それが30公演になって、40公演になって。それまでは一番長いツアーは24公演だったので、それを超えたら「ああ、もう大丈夫だ」って思えました。
HAYATO ツアー中はメンバーもスタッフも全員同じバスで移動してたんですけど、移動中にその日のライブを撮影したビデオを観ながら「ここはこうしたい」って相談できたんです。そういった改善を日々繰り返していけたのは良かったし、そうしてるうちに気付いたら残り10公演を切ってたので、最終的にはとても充実した4カ月間でしたね。
──初めてライブで訪れた土地もあると思いますが、印象に残ってる場所はありますか?
HAYATO なんで今までライブをやってなかったんやろっていう場所が和歌山なんですよ。和歌山は→Pia-no-jaC←としてはライブをしたことはないんですけど、僕の実家がすごく近所で。僕は高校の頃に軽音部に入ってたんですけど、卒業生の追い出しパーティを和歌山のOLD TIMEっていうライブハウスでやったんです。で、47都道府県ツアーで12年ぶりに同じOLD TIMEでライブをすることができたんですよ。そのライブハウスにはアップライトピアノがあるんですけど、そのピアノを僕は高校のときに弾いていて。店はあの頃とは別の場所に移転してたんですけど、そのピアノはまだ残っていて、12年ぶりに弾けたっていううれしさはありましたね。
ツアーの様子を「写真集として形に残したい」
──そのツアー中にHAYATOさんが撮った写真が、写真集「→Pia-no-jaC← EAT A JAPAN TOUR PHOTO BOOK[+DOCUMENT DVD]」として3月30日に発売されますね。
HAYATO 僕、カメラを始めたのが47都道府県ツアーからなんですよ(笑)。こういう機会も滅多にないので、全部の景色を写真に残しておこうと思って始めたんです。で、その写真を「写真集として形に残したい」って冗談ぽく言ってたら本当に出ちゃうんですから。
HIRO 冗談って言うけど、カメラを肌身離さず持ってたよね。ちょっとでも時間があると「写真撮りに行ってくる」ってすぐいなくなるんです。みんなでごはんを食べにいったときも、面白い看板とか面白い風景とかがあったらずっとカメラを構えてるんですよ。ツアー中、カメラを持ってなかった日はないもんね。
HAYATO ないですね。ホントそれくらいハマってしまったというか。ツアー先を散策したり、バス移動でも外の景色を撮ったり爆睡してるスタッフを激写したり、そういう楽しみも見つけられたので、良かったですね。
──47都道府県ツアーなんてそうやれることじゃないですし、それはまとめて形に残したくなりますよね。
HAYATO ツアーに参加した人だけじゃなく、参加できなかった人も一緒に全都道府県を旅してるような写真集になればいいなって思ってたんです。あとは普段見ることのできないツアーの裏側……一緒にツアーを回ったスタッフの素の表情だったり、仕事してる姿だったり、→Pia-no-jaC←はどういう人に支えられてツアーを続けてるんだろうっていうのも見れるし。
──例えば1公演しか観られなかった人でも、ほかのツアー会場はこうなんだっていうことを知ることができると。
HAYATO そうですね。それにライブ以外の、行ったことない土地の景色もわかってもらえると思います。いやあ、それにしても本当に写真集が発売されるとは。なんでも言ってみるもんですね。僕もびっくりしました(笑)。
CD収録曲
- Paradiso
- Fairy Dolce
- Fantasista
- 雪月花
- 獅子奮迅
- PEACE
- 眞[ヴィレッジヴァンガード盤のみ収録]
DVD収録内容
- 「Paradiso」ビデオクリップ
- 「雪月花」ビデオクリップ
→Pia-no-jaC←(ぴあのじゃっく)
HAYATO(Piano)、HIRO(Cajon)の2人で構成されるインストゥルメンタルユニット。名前の由来は左から読むとピアノ、右から読むとカホンとなる。鍵盤と打楽器という至ってシンプルな編成ながら、重厚かつ多彩な音を鳴らすのが特徴。デビューから3年でベストアルバム含めアルバム8枚をリリースし、累計は50万枚を突破。その独自の音楽性が各方面から注目を受け、ディズニーやスクウェア・エニックス、ショパンなど多数のトリビュートアルバムに楽曲提供。2010年発売の嵐のアルバム「僕の見ている風景」では、二宮和也から熱いオファーを受けゲストミュージシャンとして参加した。さらに宝塚歌劇団への楽曲提供、ラジオのジングル制作など幅広い活動を展開。ライブではオリジナル楽曲やクラシックなどのカバーを武器に、迫力満点のパフォーマンスを披露。国内外の幅広い層から絶大な支持を受けている。2012年3月7日にはニューアルバム「暁」をリリース。本作を引っさげ、4月より全国ツアー「→Pia-no-jaC← First Light Tour 2012」を開催する。