音楽ナタリー Power Push - 三月のパンタシア
ボーカルみあ&コンポーザー証言で紐解く「あのときの歌が聴こえる」の世界
ゆうゆ
Q.三月のパンタシアのボーカルみあの魅力とはどんなところでしょうか?
声色や歌の随所に感じられる独創的な部分が素敵だなと。一度聴けば次にはもう「あ、この人」と判別のつくような特徴がありますよね。特にサビ周辺で感情的に歌い上げるような箇所は、人の感性に強く訴えかけるというか、刺すような鋭さを持ち合わせていて大きな魅力になっていると思います。
Q.ご自身が担当した楽曲の聴きどころやコンセプト、楽曲に込めた思いを教えてください。
「七千三百とおもちゃのユメ」
少女がいつまで少女でいて良いのか、いられるのか……というモラトリアムを感じさせるようなテーマで作りました。少し気だるげでメランコリーな曲にみあさんの物憂げな歌声が重なることで、主人公の揺れる気持ちの表現に成功しています。ちなみに、7300は日にちにすると20年です。
「群青世界」
編曲を担当させていただいたこの曲は、アニメのエンディングテーマとして方向性がすでに定まりつつある状態でお話をいただいたので、そこに寄り添いどれだけ話の内容とシンクロしてさらに広げられるか、という部分を強く意識して制作しました。「浸透」「浮遊」のようなキーワードを念頭において音色選びなどをしています。
Q.三月のパンタシアというプロジェクトの面白さとは? 今後やってみたいことはありますか?
せっかく面白いものを意欲的に作れるメンバーがそろっているので、個人種目として競い合うような形もいいんですが、団体競技としてさらにチームとしての色が出てくるとより面白くより楽しくなると思います! メンバー間でデータのやりとり(合作)をしたり、みあさんに曲や歌詞を案出ししてもらったりとか。妄想ですでに楽しくなってきました(気が早い)。
- プロフィール
- 2007年よりインターネットで多岐にわたるジャンルのオリジナル楽曲を投稿し始める。2010年には自身初のアルバム「四季彩の星」を発売し、メジャーデビューを果たす。現在では声優やアイドルなど多数のアーティストに楽曲を提供している。
buzzG
Q.三月のパンタシアのボーカルみあの魅力とはどんなところでしょうか?
まっすぐで純粋で透明なボーカルだからこそ、さまざまなカラーが乗りやすく、そしてどんなカラーでも“演じきってしまう”というみあさん独自の魅力があると感じます。色が乗り切ったみあさんの歌はどの楽曲でも本当に美しいです。
Q.ご自身が担当した楽曲の聴きどころやコンセプト、楽曲に込めた思いを教えてください。
「イタイ」
この曲は自分の心と向き合う歌です。新しいことを始めたり、大きな一歩を踏み出すとき、必ず痛みや恥を伴います。「痛い」ことと、それでもここに「居たい」という意思、そういうものが「三月のパンタシア」を通して同じ痛みを抱えている人に伝わればいいですね。
Q.三月のパンタシアというプロジェクトの面白さとは? 今後やってみたいことはありますか?
個人的に面白いな、と思う部分は、作家の方々が似たような出自なのもあり、燃えるというか……「絶対にいい曲を書いてやる!」という気持ちになりました(笑)。裏方のそういう部分もありますし、やはり代え難いみあさんの美しいボーカルが1番の魅力だと思いますね。これからが楽しみです。もし今後も楽曲を書かせていただく機会があるとしたら、みあさんの声に引っ張られるような形でいろいろな楽曲を書いてみたいという気持ちです。
- プロフィール
- 2009年からインターネット上で楽曲を発表し始める。バンド活動の経験を生かしたキャッチーなギターロックサウンドが特徴で、2011年3月にアルバム「Symphony」でメジャーデビューも果たし、現在は声優やアーティストへの楽曲提供を中心に、アニメの主題歌も手がける。
n-buna
Q.三月のパンタシアのボーカルみあの魅力とはどんなところでしょうか?
ブレのない歌声、とでも言うのでしょうか。耳元までまっすぐに伸びてくる声はほかにはなかなかない魅力だなと思います。ミドルバラードからロックまでどれを歌っても、一癖ありながらもかちりとハマりそうな印象がありますし、自分が書いた楽曲以外の楽曲を聴いたときも、これは間違いない、という感じでした。
Q.ご自身が担当した楽曲の聴きどころやコンセプト、楽曲に込めた思いを教えてください。
「青に水底」
楽曲イメージとしては「水底から見上げる青」という心象的な風景があります。水底からの透明感、寂寥感を感じさせたいという狙いで歌詞や楽器の構成、メロディにいろいろ仕掛けています。面白い曲になったんじゃないかと思います。個人的にはアウトロが好きです。
Q.三月のパンタシアというプロジェクトの面白さとは? 今後やってみたいことはありますか?
今後の展開が楽しみなプロジェクトだと思います。純粋にみあさんの歌声が好きだなと思うので、この声に合いつつも一捻りした、うまく化学反応が起こるような楽曲を作ってみたいです。個人的にはロックテイストのものがハマるんじゃないかと思っています。
- プロフィール
- 2012年より動画投稿サイトに楽曲投稿を開始。情景描写と心理描写が融合した情緒的な世界観と、多彩なメロディが10代を中心に人気を博す。2015年に1stアルバム「花と水飴、最終電車」、2016年に2ndアルバム「月を歩いている」をリリースしている。
- 1stアルバム「あのときの歌が聴こえる」 / 2017年3月8日発売 / Ki/oon Music
- 初回限定盤 [CD+Blu-ray Disc] / 4104円 / KSCL-2858~9
- 通常盤 [CD] / 3240円 / KSCL-2860
CD収録曲
- いつかのきみへ
- はじまりの速度
- day break
- フェアリーテイル
- イタイ
- 青に水底
- 群青世界
- 七千三百とおもちゃのユメ
- 星の涙
- ブラックボードイレイザー
- シークレットハート
- あのときの歌
初回限定盤Blu-ray収録内容
- はじまりの速度 -Music Video-
- 群青世界 -Music Video-
- フェアリーテイル -Music Video-
- ブラックボードイレイザー -Lyric Video-
- シークレットハート -Lyric Video-
「あのときの歌が聴こえる」収録曲ミュージックビデオ
三月のパンタシア(サンガツノパンタシア)
「終わりと始まりの物語を空想する」をコンセプトに、ボーカルのみあを中心に結成されたプロジェクト。コンポーザーとしてすこっぷ、n-buna、ゆうゆ、40mP、buzzG、イラストレーターとして浅見なつ、loundraw、bob、ノベリストとしてみのりが名を連ねる。2015年8月に活動を開始し、2016年6月にテレビアニメ「キズナイーバー」エンディングテーマであるシングル「はじまりの速度」でメジャーデビュー。2016年12月にOVA「クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い」のオープニングテーマ「群青世界」を、2017年2月にテレビアニメ「亜人ちゃんは語りたい」のエンディングテーマ「フェアリーテイル」をそれぞれシングルとして発表している。2017年3月にメジャー1stアルバム「あのときの歌が聴こえる」をリリース。