音楽ナタリー PowerPush - Perfume

夢を目指すみんなへのメッセージ

忘れられない「コンピュータードライビング」

──考えて行動するということを繰り返してきたから、自分たちでアクションを起こすというのがPerfumeの基本理念になったんじゃないですか?

かしゆか そうかもしれないですね。かなえたい気持ちと信じる気持ちがすごく強い人たちの集まりなのかも。大きな局面になればなるほど覚悟を決めて向かっていけるし、また何か予期せぬハプニングが起きたときこそ、冷静に対応できる。なんかそういう男勝りな3人なんですよね。

あ~ちゃん たしかにみんな男らしいよね(笑)。

のっち 私もそう思います(笑)。また、いい人に出会う運も、3人とも強いのかなとも。才能あふれる人たちが、本当にいろいろと力になってくれてます。運が味方してくれてるなあと思いますね。

──長くやってると、昔一緒に仕事をした方とまた巡り合い、よりお互いを理解し合える関係になれることもありますよね。

かしゆか もう会えないかもと思っていた人と、偶然同じ現場で再会したりっていうのはうれしいですね。

──お互いががんばってたから再会できるんですもんね。

かしゆか ただただ一生懸命だった昔のお互いを知ってるからこそ、たくさんの言葉を使わなくても、お互いの状況を感慨深く喜べる。そういうつながりが、これから増えていくのかもしれないですね。

あ~ちゃん まだテレビに出られなかった頃、秋葉原の歩行者天国でのストリートライブをゲリラでやったことがあったんです。1曲終わった頃、そろそろヤバそうだってなったけど、ライブ制作のスタッフの判断でもう1曲やることになって、「コンピュータードライビング」を歌った。忘れもしない、雪の降る寒い日。結局、そのスタッフさんはおしかりを受けたんですけど。

──ああ、なるほど。

あ~ちゃん すごく協力してくれてた人なんですけど、その後、ライブのスタッフもどんどん変わっていき、会うことはなくなってたんです。でも、その人と、2年後にサマソニ(「SUMMER SONIC))の現場でバッタリ再会。ストリートライブでやってた私たちがフェスに出られるようになり、その人もその人でがんばってたからこそ、サマソニという大きな現場で活躍されていた。それがうれしくて、思わず私から「一緒に写真撮りましょう!」と言いました。

私たちから自由に盗んでいってほしい

──お互いがんばってきたことの、1つのご褒美のような瞬間だったんでしょうね。再会で思い出しましたが、ちょっと前に「MUSIC JAPAN」でのNegiccoとの涙の再会が話題になりました。NegiccoのようにPerfumeの存在に希望を感じて、目標としてがんばっている人はたくさんいると思います。そんな人たちに、Perfumeとして伝えたいことはありますか?

Perfume

あ~ちゃん 伝えたいことは、夢はホントにかなうということです。また共演できるとは、Negiccoたちも思ってなかったと思うけど、私たちも「待ってるよ」と言いながらも、新潟を愛して、新潟で活躍して、それを大事にしてる彼女たちとは、なかなかタイミングが合わないかもしれないと思ってたんです。だから、再会はどちらにとっても信じがたいことだった。でも、それがかなったのは、やっぱり彼女たちがずっと夢として思い続けてたからだと思うんです。

──Perfumeも、「思い」で夢をかなえてきましたよね。

あ~ちゃん もうそれは身をもって経験してきました。思い続けて、夢をかなえて、それに味をしめちゃったから、またどんどん夢を掲げちゃうくらい(笑)。夢はかなうから、皆さんにも自分のことを信じてほしいって思いますね。継続は力なり。続けることが一番大変だと思うけど、信じたものを曲げないで歩いていってほしいと思います。

のっち 「エッ、ホントに私たちでいいんですか?」と申し訳なくなっちゃうくらいなんですけど、憧れてもらえてるのは本当にうれしいですね。同じく「MUSIC JAPAN」で共演させていただいた女王蜂さんもそう。Perfumeを目指してたらあのカタチになったというのが本当に面白くて、すてきだなあと。

あ~ちゃん そう! ホントに!?って信じられんかった。

のっち でも目標とするものがあって、その結果自分たち独自のカタチになったというのが、一番理想的な憧れ方だと思うんですよ。コピーじゃないですもんね。だから、私たちから自由に盗んでいってほしいなと思います。盗んで、自分たち流に解釈して、もっと新しくて楽しいものをどんどん作っていってほしいなと。

かしゆか まさか私たちに対してそう思ってくれる人が出てくるなんて考えたことなかったから、なんか不思議な感じなんですよ。

──きっと後輩たちは、アドバイスを欲しがってますよ。

かしゆか 今、言えるのは、やっぱり自分たちが楽しいと思うことをするのが大事、ということですね。本当にしたいこと、自分の心が一番動くことをするべきだなと思います。時には、流れ的にこうしなきゃいけないとか、こっちの方が有利だとか、そういう基準で何かを選ぶことがあるかもしれない。もちろん、それが大事なときもあると思うんです。でも、そういうときですら、「それで絶対大丈夫」というふうに自分の心を持っていけないと、選んだことに意味がなくなっちゃう。自分の心がちゃんと楽しんで行動できることを選んで、活動していってほしいなと思います。

胸を張って「ヘッドライナー」って言えるのがうれしい

──10周年イヤーに、何かサプライズはありそうですか?

あ~ちゃん これまでやろうとはしてみたものの、いざやるにはいろいろと越えなきゃいけない課題があって、結局保留になってる、ということが私たちいっぱいあるんです。それを、今年は根強くがんばろうかなと。たった今、そのキャンペーン中です(笑)。

のっち MVがきれいな画質でYouTube解禁になったのも、地味にめちゃくちゃうれしいんです。どうせならきれいな映像を観てほしいとずっと思ってたし、特に海外の方にとってはYouTubeも大事なツールだったりするので。

──そうですね。海外といえば、3月にはアメリカの大規模フェス「SXSW」にヘッドライナーとして出演を果たしました。

のっち それで思い出したんですけど、昔、初めてサマソニにオープニングアクトで出演するというときに、私、ラジオで間違えて「ヘッドライナーとして出ます」と言っちゃったことがあったんです。たぶん「トップバッター」と言おうと思って、最初=頭ということで「ヘッドライナー」って変換されちゃったんだと思うんですけど(笑)。もうそれが恥ずかしくてしょうがなかった。今回は、胸を張って「ヘッドライナーとして出演してきました」と言えるのがうれしいです。

──今年は10周年だからこそのチャレンジが続々とありそうですね。

かしゆか 新たなチャレンジが、Perfumeらしい10周年の祝い方にもなるようにがんばります。皆さんと一緒に楽しめるカタチをいろいろと考えてますので、ぜひ楽しみにしててください。

Perfume
ニューシングル「Relax In The City / Pick Me Up」 / 2015年4月29日発売 / UNIVERSAL J
完全生産限定盤 [CD+DVD+ブックレット] / 2600円 / UPCP-9010
初回限定盤 [CD+DVD+ブックレット] / 1900円 / UPCP-9011 / ※初回盤出荷終了後、CDのみの通常盤が面替出荷となります。
完全生産限定盤「Relax Room仕様」箱型パッケージ ・CDを14枚収納できる大きさ・5つの面にそれぞれ異なったジャケットデザイン
CD収録曲
  1. Relax In The City
  2. Pick Me Up
  3. 透明人間
  4. Relax In The City -Original Instrumental-
  5. Pick Me Up -Original Instrumental-
  6. 透明人間 -Original Instrumental-
DVD収録内容
  • Relax In The City -Video Clip-
  • Relax In The City -Teaser-
  • Pick Me Up -Video Clip-
Perfume(パフューム)

Perfume

あ~ちゃん(西脇綾香)、かしゆか(樫野有香) 、のっち(大本彩乃)により2000年に広島で結成。2003年に活動拠点を東京に移してからは、プロデューサーにcapsuleの中田ヤスタカを迎え、インディーズレーベルで精力的に活動を開始。2005年にシングル「リニアモーターガール」でメジャーデビューを果たし、近未来的な世界観のサウンドとダンスで耳の肥えた音楽ファンの間でも高い評価を獲得する。2007年に「NHK環境・リサイクルキャンペーン」テレビCMに出演し、CMソング「ポリリズム」が大ヒット。テクノポップブームの火付け役となり、2008年には日本武道館、2010年には東京ドームでのワンマンライブを成功させる。2011年にはピクサー映画「カーズ2」の挿入歌&日本語吹き替え版エンディングテーマに、アメリカのスタッフによる指名で「ポリリズム」が抜擢。2012年にユニバーサルJに移籍してアルバム「JPN」のiTunes Store世界配信を実施し、同年4月に「キリンチューハイ 氷結」のCMソング「Spring of Life」のCDシングルをリリースする。10月にアジア4カ国で行われた初の海外ツアーは大成功のうち終了し、翌2013年にはヨーロッパ3カ国での単独公演を実施。フランス・カンヌで開催された世界最大の広告祭「カンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバル」に日本人アーティストとして初めてゲストとして招待され、プロジェクションマッピングを駆使したパフォーマンスで喝采を浴びる。同年10月にアルバム「LEVEL3」をリリースし、12月に東京ドーム、大阪・京セラドーム大阪にて計4日間の単独公演を敢行。2015年にはアメリカ・テキサス州オースティンで開催されたの世界最大規模のフェスティバル「SXSW 2015」に出演し、インタラクティブメディアの祭典「SXSW Interactive」のヘッドライナーを務めた。同年4月29日に両A面シングル「Relax In The City / Pick Me Up」をリリース。