ILMARIさんは打ち上げでもずっと悔しがってた

──今回のシングルには対バンツアー「Perfume FES!! 2014」のダイジェスト映像を収録したDVDが付くということで。ライブを観たときに「これが映像として残らなかったらもったいないな」と思っていたのでうれしいです。

かしゆか　とってもダイジェストですけどね（笑）。でも、みんなレコード会社も事務所も全然違う中で、こうやって映像化できただけでもありがたいです。

あ～ちゃん　普通だったらDVDには入れられないよね。奇跡みたいな日ばっかりで「幻だったのかな」っていうくらいのツアーだったから、自分たちも「観たいわー」って思ってたし、その場にいた人だけじゃなくてもっといろんな人に観てほしかったので、本当にありがたいです。

のっち　これ全公演、アンコールのコラボレーションのときは、私たちがイメージするそのアーティストのコスプレとか、「この人たちとやるんだったらこの格好かな」っていうのを毎回自分たちで考えてたんですよ。面白かったー。秦（基博）さんの日は完全に「ファン！」って感じの格好をしたんですけど、それ見て秦さん、照れながら「今日初めて3文字の名前でよかったと思った」って（笑）。

あ～ちゃん　いつかやりたいって、前回の対バンツアーのときから温めてたネタだったんだよね。それをついに秦さんで解禁（笑）。今回は衣装についてもだいぶやりきった感あります。

──対バンツアーで印象に残ってることはありますか？

のっち　RIP SLYMEさんとは「チョコレイト・ディスコ」を一緒にやったんですけど、きっとRIPさんだからゆるい感じになるだろうって思ってたら、ILMARIさんが自分のライブが終わったあともずっと振り付けを練習してて。どうにかして完璧に踊りたかったらしく、本番が終わってからも後悔が残ってたみたいなんです。打ち上げでも「あそこはこうだったのに！ もっと練習すれば踊れるのに！」って3時間くらいずーっと話してて。「そんな悔しかったの？」ってちょっと驚きました（笑）。

あ～ちゃん　「SUくんが自分流にアレンジしちゃうから、俺が間違ってるみたいに見えるんだよ！」ってね（笑）。

──ははは（笑）。このツアーに出たアーティストは、みんな気合いを入れてコラボに臨んでたと思いますよ。

あ～ちゃん　そうですよね。RHYMESTERさんなんて、コラボのためにレコーディングスタジオに入って曲を作ってくれましたし。

のっち　びっくりしました。あの音源欲しい（笑）。

あ～ちゃん　「ナチュラルに恋して」の歌詞の世界に入って男性役を演じたMUMMY-Dさん、Perfumeへの昔からの思いをつづった宇多丸さん、どっちもカッコよかったよね。

かしゆか　うん、あれは宇多丸さんだからできたことだよね。

──地元・広島では9nineとの対バンで、念願の西脇姉妹コラボが実現しましたね。

あ～ちゃん　ちゃあぽん参加の「スパイス」が始まったとき、照明が顔にパッて当たる演出がニクいんですよ～（笑）。お客さんがそれ観て「うわーっ！」ってなってるとき、私も袖で「キャー！」ってなりましたもん。なんか妹が入ると、Perfumeが背の高いスラッとした3人組みたいになってましたね。

のっち　ちゃあぽん大きいんだよね。あの中で一番背が高い。

あ～ちゃん　164cmくらいあるからね。私は161cmなんで、逆に9nineに混ぜてもらうと馴染むっていう（笑）。

今まで頑なに拒んできたことをやってみるタイミング

──昨年ドームツアーのステージで「この1年間は今日のために駆け抜けてきた」と言っていましたが、じゃああれから半年経った今、3人はどこに向かって走っているんでしょうか。

かしゆか　メジャーデビュー10周年、結成15周年に向けて突き進んでます。「来年のための今年」っていう気持ちがあって、だからこそ今年はすごく充実させなくちゃと思ってます。

──おお、来年はもっとすごいことになるぞと。

かしゆか　何をもってすごいのかは考え方次第ですけどねえ。規模が大きいことをすればすごいのか、という話でもないと思うので。ただ、15周年っていうのを特別なことだと思ってて、今それを考えながら動いてるっていうのは確かです。

のっち　私は目の前にあることで頭の中がいっぱいになる人なので、今は「Cling Cling」のことだけを考えてます。2014年のリリースはたぶんこれだけになるし、「Cling Cling」は今年を通して歌っていく曲になると思うんで、そういう意味でもすごく大事に思ってます。

あ～ちゃん　私は前から「25歳までに経験したことでその人の人格は決まる」っていう「25歳理論」を信じてて。それで言うと私たちはすごくいい25歳の迎え方だな、と思っていまして。だからこれから先のことが本当に楽しみなんですよ。

──そう思います。

あ～ちゃん　もうすぐアニバーサリーイヤーに入っていくんですけど、記念の年の、その次の年が大事だと思うんです。

──2年後のことを考えているんですか。

あ～ちゃん　私は来年のことを、次の年をどういうふうにしていきたいのか考える年だと思ってます。20代後半の大人になった私たちが、Perfumeとしてどうなっていきたいかを見直す機会なんじゃないかって。今まで頑なに拒んできたこととか、変わらないように必死に守り続けてきたものとか、そういうものを変化させるタイミングになるのかなと思っています。

──これまでのインタビューでは「Perfumeは変わらない」という話をたびたび口にしていたので、その「変わっていこう」という発言はちょっと意外ですね。

あ～ちゃん　いや、「変わっていこう」というよりは……、なんていうかな、「変わっても大丈夫」っていう。私たちの中にしっかりした芯ができているのを感じてきているので、もうあまり怖がらずにいこうかなって。いろいろな枠を超えて、なんでもやってみたらいいんじゃないかなって、今は思ってます。

──いいですね。これからどうなるのかますます楽しみになりました。

あ～ちゃん　よかった（笑）。ありがとうございます。がんばります。