まだまだタレント猫にはなれないなー

──「Cling Cling」のビデオクリップは今までにない雰囲気になりましたね。

のっち　今回はセットも衣装も、今やれることを100％詰め込んでますね。美術は種田陽平さん、髪の毛のセットは加茂克也さん、っていう豪華なスタッフがいろいろ決まっていくにつれて、みんなが「もう今回はいくとこまでいってみよう！」って気持ちになっていったんです。衣装もこれ以上派手になることはあるかなってくらいだし、かなり挑戦的なPVになってます。

かしゆか　このPV、マイ猫が出てるんです。

のっち　撮影の前日に監督さんに「猫のエキストラが必要なら、かしゆかの家にいますけど」って推薦したら「いいですよ」って。

かしゆか　島田（大介）監督が驚くほど猫好きで。猫アレルギーなんですけど。

のっち　で当日、かしゆかの膝に乗るっていうシーンを撮りまして。長い撮影をがんばってくれたんです。すごくおとなしくて、撮影に慣れてるのかなと思ったら、よーく見ると爪がキァーって出てて（笑）。

あ～ちゃん　すごい警戒してたよね（笑）。

かしゆか　だってそんなの初めてですから。まだ子供なんで、大パニックですよ。

のっち　完成したPVを観て、かしゆかだけ爆笑してました。その子のことを毎日見てるから、緊張してるのがひと目でわかるみたいで。

かしゆか　爆笑ですよ。まだまだタレント猫にはなれないなー。でも、あのグッと緊張した顔が怖い雰囲気を演出してるってことで（笑）。

リリックビデオを作ることに抵抗があって

──「Hold Your Hand」もリリックビデオという形で映像を作ってますけど、みんなで一緒に作っていくコンセプトはすごくPerfumeらしいというか。これは監督のアイデアなんですか？

あ～ちゃん　3人で考えました。

のっち　今までもグローバルサイトとかで、テクノロジーを使って「みんなで一緒にPerfumeを作り上げる」っていうのをやってくれたんですけど、これはまっすぐな表現だからこそ温かみがあるものになったなって思います。3人のショットはもともと「Cling Cling」の派手な衣装で撮る予定だったんですけど、PV撮影が押しちゃって時間がなくなったから、後日改めて会社で撮ったんですよ。私服を着て自然光で関（和亮）さんがパシパシって撮ってくれて、すごく普段っぽい感じで。

かしゆか　でもそれがよかったんだと思いました。「Cling Cling」の合間に撮ってたらきっと片手間みたいになってたというか。参加してる人とのギャップが生まれてちぐはぐしたものになってたかも。

あ～ちゃん　私は、リリックビデオっていうのを作ること自体に抵抗があって。

──どうしてですか？

あ～ちゃん　私がイメージするリリックビデオって、水色のモヤモヤってした背景に字がどんどん出てきて、最後に「NOW ON SALE」ってそっけなく書いてあるイメージで。「ああ、時間がなくてこうなったのかな」「これ本人は携わってないだろうな」とか想像しちゃって。アーティスト自身の意図と反して、かえって曲への思いが素直に伝わらない気がしたんですよ。だから普通のものだったらやりたくなかった。それでポッとアイデアを出したら、日本全国のいろんな人に声をかけて、手の写真を一生懸命集めてくれて。1分半で300人くらい参加してくれてるので、フルバージョンが完成したらものすごい人数になると思います。

──そうですよね。

あ～ちゃん　知ってるファンの人が映ってたらすごくテンション上がるし、私たちも楽しみです。サバンナの高橋さんも送ってくれたらしくって、「『で』っていう字は俺しかセレクトせんやろ？」って言ってました（笑）。

止まってるって、すごく筋肉使うんです

──「DISPLAY」のPVは4K解像度で撮影されたことで話題になりましたね。4Kだと普段と違った大変さはあるんですか？

のっち　めっちゃまぶしいし、めっちゃ暑かったです。

あ～ちゃん　ちょーまぶしい。あれ伝わってないよね。よく見たらわかるんですけど、みんなまぶしい顔してるんですよ。「切ない表情」みたいに受け取られてるかもですけど（笑）。

のっち　赤い衣装と青い衣装はまだマシなんだけど、黄色い衣装が反射して一番大変だった。

あ～ちゃん　私、目の色素が薄いから本当にまぶしいのダメなんですよ。最初のうちはがんばって目を開けてたんですけど、最後のほうは全部うつむいてます。上を向いているときは、気持ちよく歌ってるふうに目をつぶる、みたいな（笑）。

かしゆか　上は向けないよね？ 天井の照明がすごく強くて。なのにそういうときに限ってカメラが上に来るっていう（笑）。

あ～ちゃん　関さんも意地悪だよねえ（笑）。

──何度も同じ動きをしなければいけないのも大変そう。

かしゆか　同じ角度、同じ高さ、同じ顔にするっていうのは大変でした。ポーズを決めるだけだったらまだ楽なんですけど、ダンスだとちょっとした力の入れ具合の違いで、絵がうまく重ならないんです。しかも衣装も3着あるから、同じように同じタイミングで動くのは難しかったです。

──そうですよね。

かしゆか　ヒールの角度も考えなきゃいけないし。あと「はいそこ！ ストップ！」って言われても、止まったつもりが無意識に動いてたりとか。

あ～ちゃん　すごい筋肉痛になりました。止まってるってすごく筋肉使うんですね。そんなに難しいポーズをしてるわけじゃないけど、あとで「うわ、このポーズしなければよかったー！」ってね。

かしゆか　1回目に撮ったときニュアンスでやったポーズを、2回目にすごい後悔するっていう。「あー！ 歌うときに首動かすんじゃなかった！ さっきはどうやって動かしたんだー！」って（笑）。

──「DISPLAY」はライブで映える曲になりそうですね。

かしゆか　そうですよね。でも、最後の「DISPLAY」の繰り返しの部分をどうするんだろうっていうのがすごく気になってて。

あ～ちゃん　あれ、ループしてるんじゃなくて全部3人で違うのを録ってるんですよ。わかりました？

──そうなんですよね。わかりました。

あ～ちゃん　おー、すごい！

かしゆか　最近はボーカルのエフェクトが薄くなってるし、声が聴き分けやすくなってきましたもんね。