ナタリー PowerPush - Perfume
ずっと変わらない一途な願い
「もしかしてボツ?」って心配してたんです
──「LEVEL3」のインタビューをしたときに「歌ったのにアルバムに入らなかった曲があった」って言ってましたけど、それが「Sweet Refrain」だったんですか?
のっち あ、じゃなくて、カップリングの「恋は前傾姿勢」がそうなんです。「Sweet Refrain」はアルバムを録り終わったあとに、ドラマ用に書き下ろしてもらった曲なので。
あ~ちゃん 「恋は前傾姿勢」はメロディが超ポップだから、レコーディングのときに「いい曲だよねー」って言ってたんですよ。でもアルバムに入ってなくて。「え、なんで? もしかしてボツ? やだ!」って思ってたから、今回カップリングに入ってて安心しました。しかも最初の印象と比べて、だいぶおしゃれでカフェミュージック的な仕上がりになっててビックリしました。
──おしゃれですよね。かわいいのにどこか大人っぽい。
あ~ちゃん ちょっと昔のPerfumeっぽいところもありますよね。
──ちなみに今「もしかしてボツ?」と言っていましたが、歌入れまでした曲がお蔵入りになることなんてあるんですか?
かしゆか 「ジューシーフレグランス」はボツになったね。
──ああ、逆に言うと、まったく世に出なかった曲はそれくらいしかないんですね。
あ~ちゃん 「カウンターアトラクション」と「イミテーションワールド」は、ライブではやってたけどCDになってないね。若い頃ならともかく、今はちゃんとしたステージで何千人というお客さんがお金を払って観に来てくれてるのに、リリースしてない曲をずっとやり続けるのはあんまりよくないことかなと思ってて。中田さんはそのときに新鮮なものを届けたいって思ってくれてるから、「恋は前傾姿勢」も今じゃなかったら出せないんじゃないかって、そしたらライブとかで歌うこともなくなるんじゃないかって不安だったんです。
マイケル・ジャクソンさんみたいなダンスがやりたかった
──「恋は前傾姿勢」をライブでやる予定があるんですか?
あ~ちゃん やりたいんですけどね。頭のところですごく声がこもってるから、どうしようかと思って。
のっち 「誰の声?」みたいな(笑)。
あ~ちゃん そして「だから」の部分でエフェクトが切れて急に生声になるんですよ。3人で初めて聴いたとき、驚いてスピーカーを3度見くらいして(笑)。普通、新曲を聴くときは3人とも黙って最後まで聴いて「おおー!」って拍手するんですけど、この曲を聴いたときはビックリしてみんな途中からめっちゃしゃべってました。「あれ、こんな曲だっけ?」とか(笑)。
──ダンスはどうなるんでしょうね。マイケル・ジャクソンの「Smooth Criminal」みたいに、前傾姿勢がダンスに取り入れられてたら面白そう(笑)。
あ~ちゃん あ、やっぱり考えることは同じですね(笑)。「LEVEL3」にこの曲が入らないことになったとき、私たちも「これでマイケル・ジャクソンさんみたいなダンスやりたかったのにねえ」って言ってたんですよ。
かしゆか さりげなく振り付けに入れてほしいね(笑)。
──アメリカでライブをやるときにウケそうですよね。
のっち そういえば「前傾姿勢」って英語に訳すとなんて言うんだろう? 「ポジティブ」じゃないし……。マイケルのあの技って何か名前あるんですかね。
──「ゼロ・グラビティ」って言うんですよ。
かしゆか そんな名前の曲、もうある(笑)。
あ~ちゃん ホントだ。ややこしくなっちゃう(笑)。
「ヒーローはヒーローでいなきゃいけない」なんてことはない
──もし「恋は前傾姿勢」が「LEVEL3」に収録されていたとしたら、曲順はどうなってたんでしょうね。
あ~ちゃん でもそしたらたぶん、アレンジは変わってたんじゃないかな。
のっち 絶対変わってたね。こんなかわいい曲になってないと思う。
──確かに「LEVEL3」は「ダンサブルでエッジの効いたPerfume」という方向に振り切った内容だったから、この「恋は前傾姿勢」はカラーが全然違いますよね。でもリスナーはそこに違和感を持ってないと思うし、どっちの曲も「Perfumeらしいな」って感じてると思います。そういえば、この「Perfumeらしさ」の正体ってなんなんでしょうね。
のっち やっぱり、ずっと3人でいるし、曲も作ってくれてる人も振り付けしてくれる人もずっと一緒のまま年数を重ねてきたから、私たちの中に「何も変えてこなかったことの自信」っていうのがあるんです。そういう芯の部分が変わらないからこそ、いろんなことに挑戦できるようになってきたんじゃないかなって。
かしゆか 私は3人の性格なのかなって思います。
──というのは?
かしゆか 「カッコいいことをするなら、自分の性格もそれに見合うものでなきゃいけない」みたいなことを考えないから、そっちの世界だけに引っ張られることなく3人とも自然体でいられるというか。すべてを作りこんで、素の自分を出せる機会がなくなっちゃうと、例えば今みたいに曲の感想とかライブへの意気込みを話してても、本当に思ってることを言えないってことが多くなってくるんじゃないかな。「いつだってヒーローはヒーローでいなきゃいけない。カッコいいことを言わなきゃいけない」みたいに。でも私たちはそうじゃなくて、ライブではトークを作りこまずに自然体でしゃべるし、曲について聞かれても「自分たちはもらってる立場なのでそういうのはわかんないです」って素直に言える状況だから。いろんなことをやっても戻れる自然体な部分を持ってて、それがPerfumeらしさになってるんじゃないかな。
- ニューシングル「Sweet Refrain」 / 2013年11月27日発売 / UNIVERSAL J
- 初回限定盤 [CD+DVD] 1500円 / UPCP-9006
- 通常盤 [CD] / 1000円 / UPCP-5005
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CD収録曲
- Sweet Refrain
- 恋は前傾姿勢
- Sweet Refrain -Original Instrumental-
- 恋は前傾姿勢 -Original Instrumental-
初回限定盤DVD収録内容
- Sweet Refrain –Video Clip-
Perfume 4th Tour in DOME
「LEVEL3」supported by チョコラ BB
- 2013年12月7日(土)
- 大阪府 京セラドーム大阪
OPEN 15:00 / START 17:00 - 2013年12月8日(日)
- 大阪府 京セラドーム大阪
OPEN 14:00 / START 16:00 - 2013年12月24日(火)
- 東京都 東京ドーム
OPEN 16:00 / START 18:00 - 2013年12月25日(水)
- 東京都 東京ドーム
OPEN 16:00 / START 18:00
Perfume(ぱふゅーむ)
あ~ちゃん(西脇綾香)、かしゆか(樫野有香) 、のっち(大本彩乃)により2000年に広島で結成。2003年に活動拠点を東京に移してからは、プロデューサーにcapsuleの中田ヤスタカを迎え、インディーズレーベルで精力的に活動を開始。2005年にシングル「リニアモーターガール」でメジャーデビューを果たし、近未来的な世界観のサウンドとダンスで耳の肥えた音楽ファンの間でも高い評価を獲得する。2007年に「NHK環境・リサイクルキャンペーン」テレビCMに出演し、CMソング「ポリリズム」が大ヒット。テクノポップブームの火付け役となり、2008年には日本武道館、2010年には東京ドームでのワンマンライブを成功させる。2011年にはピクサー映画「カーズ2」の挿入歌&日本語吹き替え版エンディングテーマに、アメリカのスタッフによる指名で「ポリリズム」が抜擢。2012年にユニバーサルJに移籍してアルバム「JPN」のiTunes Store世界配信を実施し、同年4月に「キリンチューハイ 氷結」のCMソング「Spring of Life」のCDシングルをリリースする。10月にアジア4カ国で行われた初の海外ツアーは大成功のうち終了し、翌2013年にはヨーロッパ3カ国での単独公演を実施。フランス・カンヌで開催された世界最大の広告祭「カンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバル」に日本人アーティストとして初めてゲストとして招待され、プロジェクションマッピングを駆使したパフォーマンスで喝采を浴びる。同年10月にアルバム「LEVEL3」、11月にシングル「Sweet Refrain」をリリース。12月に東京ドーム、大阪・京セラドーム大阪にて計4日間の単独公演を予定している。