パスピエ|5人の著名人が定義する「パスピエは◯◯派」、4人が語る結成10周年を迎えた今

──次はこの方からのコメントです。きっと驚きますよ。

バナナマン 設楽統

パスピエは…

ホッとする派

バナナマン 設楽統

会うと安心するというか、ホッとするというか、
みんなかわいくてバナナマンのライブ音楽や、
ラジオで僕の誕生日ソング作ってくれたり、慕ってくれる感じがうれしい。

誰がその空気を作っているのかなあ

成田くんの性格がやわらかいのかねえ?

一同 おおおおおおおおお!

成田 マジっすか!?

大胡田 すごくうれしいですね。オークラさんに続き設楽さんまで。

成田 バナナマンチームだ!

大胡田 うちらのことを「みんなかわいい」って。この文字から設楽さんの声が聞こえてくるね。

成田 うれしいなあ。さっき話した通り、バナナマンの主催ライブのオープニング曲として「Love is Gold」を作らせてもらって、そのあとラジオ(「JUNKバナナマンのバナナムーンGOLD」)に呼んでいただいたんです。そのときちょうど設楽さんの誕生日と重なって番組の中で僕らが即興ソングを作ってプレゼントするという企画があって。すごく光栄でした。

──改めて、バナナマンのどんなところに魅力を感じていますか?

成田 バナナマンは何をやってもずっとカッコいいんですよね。常に面白いというのは大前提で、何かの流れの中で下ネタを言おうが、ちょっとテンション高くなって暴走しようが、カッコいいというより、「格好がいい」という感じなんです。

──粋な感じというか。

成田 そう。そこに憧れますね。「ホッとする派」というのも、パスピエの音楽や存在がちゃんと設楽さんの記憶に息づいてることを感じられてうれしいし。俺の名前もコメントに出してくれてるのもうれしさでしかない!

大胡田 すごいですよ、もう。設楽さんに認知されていて、しかも人間的な部分にコメントをしてくださってるんだから。

成田 初めてラジオに出させてもらったとき、僕らはまだライブ以外では顔を出してなかったんですよ。でも、テンションが上がりすぎてしまって、番組のオフィシャル用の写真を撮るときに顔を隠さずに写ってしまって。それは結局、使えなかったんですよね(笑)。

パスピエ

──じゃあまたラジオに遊びに行きたいですね。

成田 本当に。夢の1つですね。

大胡田 パスピエが結成したてのとき、私はまだメンバーとも世の中の人ともうまくしゃべれなかった頃で(笑)。成田さんが「お前、ちゃんとしゃべれるようになれよ」と「バナナ炎」のDVDを借してくれたんですよ。「バナナマンのしゃべりを見て人間のしゃべりを勉強しろ」って(笑)。

──すごい教育(笑)。

大胡田 それくらいしゃべれなかったんです(笑)。「バナナ炎」は本当に勉強になったし、私にとってバナナマンは先生という感じでもあるんです。

三澤 バナナマンさんには「Love is Gold」を作ったときにライブに招待していただいて。メンバーみんなで観に行ったんですけど、もちろんライブも本当に素晴らしかったし、会場で僕らの曲が流れたときにすごく感動したのを覚えていています。あれから数年越しにこうやってコメントをいただけて本当にありがたいですね。

露崎 僕自身もそうですけど、設楽さんって多くの男性が憧れるくらい素敵な大人だと思うんですよ。そんな方に僕らの人柄を褒めていただけてうれしいかぎりです。

成田 しばらくお会いできてないですけど、僕らの東京公演のときはいつもバナナマンさんからお花をいただいていて。また一緒にお仕事させてもらいたいし、そのためにもがんばらないといけないですね。

──最後は昔からパスピエをよく知るあの人からのコメントです。

UNISON SQUARE GARDEN 田淵智也

パスピエは…

アウトボクシング派

UNISON SQUARE GARDEN 田淵智也

なんか一定の離れた距離からじわじわ“音楽”という武器で攻撃されてる感じがするんですよね。

気づいたらツボに入ってるし、踊らされてるし、みたいな。

僕らの世代の中でこんなに遠隔攻撃で客の体揺らすことができるバンドそんなにいないんじゃないですか。

特に最近のパスピエは音色やフレーズで躍らせてくれる気がします。

これ生で体感すると如実にわかると思いますよ、ホントみんなライブ行った方がいいですよ?

大胡田 うわ、田淵さん!

成田 付き合いが古くて、未だに仲良くさせてもらってるんです。つい先日も2人で飲みに行って。最初は下北沢GARAGEで出会ったんですけど、僕らがまだアマチュアのときにGARAGEで初ワンマンをやったときも田淵さんは観に来てくれたんですよね。

大胡田 え、そうなの? それは知らなかった……。

──ナリハネくんにとって田淵さんはどういう存在ですか?

成田 自分が信じてるもの、好きなものを突き通してる人。僕らも自分たちの音楽をいろんな人に届けたいという思いがあるんですけど、その過程でたまに迷子になったりすることがあるんですよね。そんな中で飲みの席とかで田淵さんの信念を聞くと背筋が伸びるんですよ。

──「アウトボクシング派」という定義に関しては?

成田 パスピエって音楽として口下手なんですよね。それは伝えたいことがたくさんありすぎるからで。だから僕ら自身が「パスピエはこういう音楽です」と定義付けするのは難しくて。でも今日みたいに関係性の近い人たちに定義付けてもらうことで見えてくることっていっぱいあって。田淵さんにはいつも音源を聴いてもらったり、制作の話を聞いてもらったり、ライブも観に来てもらっていて、その中での「アウトボクシング派」というカテゴライズの仕方が本当に田淵さんらしいなと思います。僕らは作品もライブも含めて、すべてのパッケージを1つの表現として捉えたときにあとで「こうだったな」という発見であり体験をしてもらいたいという気持ちがあるから。そこは、本当にアウトボクシング的なのかもしれない。今作もジワジワ効かせたいという思いもあるし。

──露崎くんはこのコメントについてどう思いましたか?

露崎義邦(B)

露崎 対バンもさせてもらってますし、僕も飲みに連れて行ってもらうこともあって、田淵さんがお世辞や嘘を言わない人で、自分の言葉にすごく責任を持っていることは知っているのでうれしいです。このひと言ひと言にずっしりくる感じがあります。

──同じベーシストとしては田淵さんをどう見てるんですか。

露崎 やっぱり田淵さんのように作曲をしているベーシストはただのプレイヤーだけの人とは感覚が違うと思うんですよね。曲に対する理解力もそうだし、プレイヤーとしてのアプローチにおいても勉強になることが多いです。田淵さんはフレーズも演奏中の動きも激しいんですけど、作曲しているからこそああいうフレーズアプローチとパフォーマンスができるのかなとも思うんです。ベーシストとして縦横無尽なあの感じに強く憧れてます。

──三澤くんはどうですか。

三澤 ほとんどみんなに言われてしまったような感じですけど、僕も2週間くらい前に飲みに行ったんですよ(笑)。田淵さんがもう1つやっているQ-MHzというプロジェクトがあって、それに僕も関わらせてもらっていて。UNISON SQUARE GARDENはすごくカッコいいロックバンドじゃないですか。そのバンドの曲を作っている田淵さんだからこそ響く言葉がすごく多いんです。例えば4人体制になってバンドサウンドの中に打ち込みを導入し始めたときも「それはパスピエにしかできない音楽だからやり続けたほうがいい」と言ってくれたり。言葉の1つひとつが骨に染みるんですよね。本当にこれからもいい先輩であってほしいし、長い付き合いをさせていただけたらと思ってます。

大胡田 私はね、ちょっと田淵さんが怖いんですよ。ライブのときもそうですけど、いつも目が離せない人だなと思っていて。ツーマンライブをさせてもらったときの打ち上げでちょっとお話しさせてもらったんですけど、すごい見透かしてくるんですよね(笑)。

──本質を射抜いてくるタイプ。

大胡田 そう。ほかの人には言えないだろうなということを普通に言ってくるんです。例えば「ここの歌詞はさ、もっとこうだったらよかったよね。俺、この曲好きだから言うんだけど」みたいな(笑)。

──本当に好きだからこそのシリアスな意見なんでしょうね。

大胡田 そうですね。私は人にそんなことを言われたこともないし、歌詞について意見をしてくるのは成田さんくらいだから。しかも田淵さんに指摘されたことは私も気になっていたところなんですよ。だから「ヤバい! バレてる!」と思いました(笑)。それもあって田淵さんと面と向かって話すのが怖いんですよね。本当は話したり仲良くしたいんですけど、恐ろしいっていう(笑)。

パスピエ「more humor」
2019年5月22日発売 / Atlantic / Warner Music Japan Inc.
パスピエ「more humor」初回限定盤

初回限定盤 [CD+DVD]
3500円 / WPZL-31587~8

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パスピエ「more humor」通常盤

通常盤 [CD]
2700円 / WPCL-13027

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CD収録曲
  1. グラフィティー
  2. ONE
  3. resonance
  4. R138
  5. waltz
  6. ユモレスク
  7. BTB
  8. 始まりはいつも
初回限定盤 DVD収録内容

パスピエ 野音ワンマンライブ “印象H” 2018.10.6 at 日比谷野外大音楽堂

  • OPENING SE~素顔
  • ネオンと虎
  • トロイメライ
  • (dis)communication
  • 脳内戦争
  • マッカメッカ
  • ON THE AIR
  • MATATABISTEP
  • 最終電車
  • S.S
  • 正しいままではいられない

ツアー情報

パスピエ TOUR 2019 "more You more"
  • 2019年6月12日(水)東京都 WWW X
  • 2019年6月16日(日)広島県 広島セカンド・クラッチ
  • 2019年6月20日(木)宮城県 darwin
  • 2019年6月22日(土)新潟県 GOLDEN PIGS RED STAGE
  • 2019年6月28日(金)兵庫県 神戸VARIT.
  • 2019年6月30日(日)福岡県 DRUM LOGOS
  • 2019年7月6日(土)北海道 札幌PENNY LANE24
  • 2019年7月12日(金)愛知県 DIAMOND HALL
  • 2019年7月13日(土)大阪府 BIGCAT
  • 2019年7月15日(月・祝)東京都 Zepp Tokyo
パスピエ
パスピエ
2009年に成田ハネダ(Key)を中心に結成。メンバーは大胡田なつき(Vo)、成田、三澤勝洸(G)、露崎義邦(B)の4名。都内を中心にライブを行い、2010年3月に自主制作盤「ブンシンノジュツ」をライブ会場限定で発表。2011年に1stミニアルバム「わたし開花したわ」、2012年に2ndミニアルバム「ONOMIMONO」をリリースし、卓越した音楽理論とテクニック、ポップセンスで音楽ファンの話題をさらう。2013年3月に初のシングル「フィーバー」、6月にメジャー1stフルアルバム「演出家出演」、2014年6月に「幕の内ISM」と続々と作品を発表し、数々の大型ロックフェスに出演。2015年は9月にアルバム「娑婆ラバ」をリリースしたあと全国ツアーを行い、12月に初の日本武道館単独公演を成功に収めた。2016年7月発売のシングル「永すぎた春 / ハイパーリアリスト」のタイミングで、これまで隠していた素顔を明らかに。2017年1月に4thフルアルバム「&DNA」を発表し、3月より全国ツアー「パスピエ TOUR 2017 “DANDANANDDNA”」を開催した。10月に「OTONARIさん」、翌2018年4月に「ネオンと虎」とミニアルバムを相次いでリリース。5月よりキャリア史上最多公演の全国ツアー「TOUR 2018 “カムフラージュ”」を実施した。2018年10月には初の野音ライブ企画「パスピエ野音ワンマンライブ “印象H”」を東京・日比谷野外大音楽堂と、大阪・服部緑地野外音楽堂で開催。2019年5月に5thフルアルバム「more humor」をリリースし、6月からライブツアー「パスピエ TOUR 2019 “more You more”」を行う。