卒業式になったらこういう気持ちになるのかな

──昨年2月のデビューから1年にして、早くも4枚目のシングルが発売されます。今回は過去3作からガラリと雰囲気が変わりましたね。

田尻あやめ　そうですね。以前はすごく激しくて元気な曲だったのでそれに合わせて歌ったんですけど、今回は初の卒業ソングということでしっとりと歌いました。

葵わかな　しかも衣装も落ち着いた感じで、普通の制服みたいだし（笑）。

田尻　それぞれリボンの色が違うんです。

──この曲を初めて聴いたとき、どう思いましたか？

葵　歌詞もそうなんですけど、今回は全体的にストレートな感じが出ているなって。私とあやめがこの春中学を卒業するんですけど、私たち含めて卒業間近の人には響く歌詞だし、まだ卒業が先の人やもう学校を卒業しちゃった人もいろいろ思い浮かべて、ちょっと切なくなるんじゃないかなと思います。

田尻　なんか寂しい感じ？ 今までの曲と全然違うのでビックリしたのもあるんですけど、歌詞を読んでたら改めて卒業を実感してすごく切ない気持ちになりました。

葵　実際に卒業式になったら、自分もこういう気持ちになるのかな。まだ卒業するっていう実感がないんですけど、それでもこの曲を初めて聴いたときはめっちゃ泣きそうになりました。きっと卒業式が終わったら、また歌詞の意味も違って聞こえてくるのかもしれないですね。

学校生活って本当は毎日毎日、全部違ってる

──去年ひと足先に中学を卒業した優里花さんはどうですか？

高橋優里花　すごく身近に感じたというか、ついこないだ感じたことがまるまる曲になっていたのですごく共感できたし……（荒川）ちかが「繰り返すだけの日々なんて 振り返れば一度も無くて」っていう歌詞が一番好きだって言うんですけど、私が中学3年生のときは毎日ずっと同じことの繰り返しでつまんないって思ってたんです。だけど卒業した今になって、この歌詞みたいに「あれっ？ 中学の頃って毎日違ってたよな」ってことに気付いて。きっと私みたいに感じる人も多いんじゃないかと思うんです。

──時間が経って初めて気付くことってありますもんね。ちなみにちかさん、どうしてそのフレーズが好きなんですか？

荒川ちか　けっこう淡々と過ぎてくじゃないですか、学校生活って。同じような授業を毎日受けて、同じような顔ぶれに毎日会って。でも本当は毎日毎日、全部違ってるんですよね。「誰だよ、プリンおかわりしたの！」とか、くだらないことで友達とケンカしたり（笑）。そういうのってお仕事をしてるときには経験しないことで、本当に大切なことなんじゃないかって思うと、あの歌詞がすごく響くんですよ。

──あと、これまでの乙女新党の歌詞って「2軍」っていうところにこだわっていたと思うんですが、今回はその側面も控え気味ですね。

荒川　そうなんです。2軍の言い訳から始まらないのも、この曲のポイントだよね。

葵　うん。いつもは「自分なんて……」みたいにネガティブな部分が出てるんですけど、今回は本当にストレート。だからこそ歌詞がより強く響くんじゃないかな。

今が成長期

──ナタリーでは以前1stシングル「もうそう★こうかんにっき」のレコーディングを取材しましたが、あれから1年以上経ちました（参照：乙女新党「もうそう★こうかんにっき」インタビュー）。今作で4枚目のシングルとなりますが、レコーディングは慣れましたか？

高橋　慣れてきたね。

田尻　確かに。レコーディングの時間も前より短くなった気がする。

葵　スタッフさんにも「歌うまくなったね」って言われたんですけど、「じゃあ最初は下手だったんですか？」って聞いたら「うん」って（笑）。だから本当に成長してるんだと思います。

荒川　お母さんやファンの方にも「やっと聴けるようになったね」って言われたし（笑）。確かにデビュー曲は自分でも信じられないぐらい下手だったけど。

葵　「もうそう★こうかんにっき」の頃から比べると、棒読みみたいにただ歌ってるだけじゃなくてもっと気持ちを込めて歌えるようになったと思うし。例えば今回も使い込んだ通学カバンとかローファーとか具体的に想像して歌ったことで、より気持ちが入ったんじゃないかなと思います。

──そうやってレコーディング中も考える余裕ができたと。

葵　そうですね。そういうところでも、少しずつ成長してるんだなって実感します。

──ほかに皆さん、以前と比べて成長したなと思うところはありますか？

高橋　私は最初の頃、デモテープに入ってる仮歌の真似をして歌ってたんですけど、最近はもっと自分らしさを出していこうと思うようになって、デモテープに合わせて歌うことをあまりしないようにしてます。

田尻　わかな、レコーディングのときに納得いくまで録り直してたよね。

葵　うん。自分でも「これはもう1回歌い直したほうがいいな」と思ったら、すぐにお願いして。それは自分たちでもわかるようになってきたかな。

──経験を積んだことで、その手応えも自分でわかるようになってきたんでしょうね。

荒川　そうですね。緊張の連続だった頃と比べると、今はレコーディングが楽しくなったよね（笑）。

田尻　うん。それにできあがった作品を聴くのも前より楽しくなりました。以前は「どうしよう？ ちゃんとできてるかな？ 大丈夫かな？」って不安に思ってたけど、最近はできあがりが楽しみなんですよ。

葵　「もうそう★こうかんにっき」を聴いたあとに「サクラカウントダウン」を聴くと、「おおっ、本当に成長したな」って実感してもらえると思います。

高橋　どんどん成長していきたいし、今が成長期なので今後に期待していてください（笑）。

──そういえば今回のシングル、通常盤のカップリングに「もうそう★こうかんにっき」の“GJ部バージョン”（テレビアニメ「GJ部（グッジョぶ）」で使用された、歌詞が一部異なるバージョン）が収録されてますよね。

荒川　これを聴いたら絶対に成長したと思ってくれる！

葵　イヤでも比較されちゃうしね。けど「もうそう★こうかんにっき」はCDの最後に入ってるから、とりあえず最初に「もうそう★こうかんにっき」を聴いて、ハードルを下げてから「サクラカウントダウン」を聴いてください（笑）。