ナタリー PowerPush - ORIONBEATS

1stアルバムは2枚組100分超え!大作「AWESOME BEATS」を哲史が語る

最初に一緒に飲んで、全てさらけ出して仲良くなる

──そして5曲目6曲目と海をテーマにしたナンバーが続きます。5曲目「Kabira Bay feat. C-R」でフィーチャーした女性シンガーのC-Rさんとは、やっぱり沖縄のライブで出会ったんですか?

そうそう。全然知らない人だったんですよ。でもたまたまライブを観たら、それが面白くて。後日、僕がDJしたときに遊びに来てくれてたのを見つけて「これは絶対チャンスだ!」と思って声をかけて。

──C-Rさんは普段はどんな感じの音楽を?

基本的に民謡ですね。でも、カフェでライブをしたりとか、ちょっと近代っぽいんですよね。年齢的にも若いから、そのへんに新しい民謡の形を感じたんですね。僕がやってる音楽も、クラブミュージックと沖縄音楽を混ぜて新しい形を目指そうとしてるし。だから、うまくハマるんじゃないかなって思ったんです。

──哲史さんは、女性ボーカルをフィーチャーすることが多いですよね。男性ボーカルと女性ボーカルの違いを意識してオファーされてるんでしょうか? 例えば、この曲には女性がいい、みたいに曲のイメージから初めに決めているとか。

どうですかね。そのへんはあんまり考えてないですね。

──じゃあ「この人と一緒にやるんだったらこういうのが作りたい」みたいな気持ち?

そうそうそうそう。まさにそうですね。

──では「Kabira Bay」も、C-Rさんに歌ってほしい曲として作ったと。仲良くなったほうが先なんですね。

うん。まああとからでもどうにでもなるんで、音は。

──仲良くなるのが先、というのはなんか沖縄の人同士っぽいエピソードですね。和気あいあいとしている風景が想像できます。

仕事もそうだし音楽もそうなんですけど、気心が知れてるほうがやっぱりいいものできますよ。大事なのはコミュニケーションの取り方というか。例えば気難しい人がいて、でもいい音楽を作る。そういう人と一緒に作ることになったとして、話してもあんまり伝わらなかったりすると遠慮してこっちもあんまり自分の意見を言えなくなったりする。それよりは、最初に一緒に飲んで、全てさらけ出して仲良くなるほうが、いいものが作りやすいです。

一工程くらい第三者の手が入ってないと

──今作にはいろいろと趣向が凝らされた曲が入ってますけど、中でも「Humoresque 8」は異色で。原曲はドボルザークの「ユーモレスク」ですよね。

なんか、原曲が沖縄っぽく聞こえたんですよね。音符も3連だし、カバーするんだったらこの曲かなって。でも、このメロディを三線で弾くとかだったら普通……普通っていうかいわゆる沖縄クラブミュージックになっちゃうんで、あえて8bit、チップチューンにして。

──哲史さんがチップチューンを作ったのって初めてですよね。どうでした?

面白かったです。ちゃんとこだわったんですよ。普通、音楽を作るときって、32bitか24bitの制作環境で作るんですよ。それをあえて8bitまで落として作りました。

──音質をあえて下げて。

そうです。もうザラザラにしてます。

──使ってる機材はいつもと同じ?

おんなじです。チップチューン用のプラグインだったりサンプルだったりを使ってるぐらい。あとは声のビットレートもあえて下げて。

──ミックスはご自身で?

はい、全部自分でやってます。さすがにマスタリングはお願いしましたけど。マスタリングは難しいと思います、やっぱり。

──多くの方がそうおっしゃいますよね。

マスタリングも自分でできたらいいとは思いますけど、でも一工程くらい第三者の手が入ってないと、それこそオナニーになっちゃうというか……完成した音を、僕しか聴いてないことになるじゃないですか。第三者が聴いてくれないと、他人に伝えられるものにはならないかなと思って。

1stアルバム「AWESOME BEATS」[CD2枚組] / 2012年6月12日発売 / 2625円(税込) / RAKUEN RECORDS / RKEN-002

DISC 1:AWESOME BEATS
  1. Let's ORIONBEATS feat. YAMATO
  2. TANDIGA DANCE feat. SHINJI
  3. iSanshin 3GS feat. Fencer
  4. Save The Sea, Save The Sky feat. TAKASHI
  5. Kabira Bay feat. C-R
  6. ORION BEACH
  7. Humoresque 8
  8. Medetai Medetai from. RINKEN BAND
  9. ORION MATSURI
  10. Eisa from. DIAMANTES
  11. Tweet Me, Tweet You feat. AWICH
  12. Anmar from. KARIYUSHI58
  13. Pop 'n Talk feat. lichard.
  14. ROCK IN CHATAN FES feat. NEON
  15. GarageDJ
  16. The Orion Nebula
DISC 2:Souvenir from ORIONBEATS (Bonus Nonstop Mix CD)
  1. Let's ORIONBEATS Remix
  2. ORION Boy
  3. ORION MATSURI Remix
  4. Hangover
  5. Pop 'n Talk Remix
  6. Fresh Plaza Un10n
  7. Fifty Eight Drive Music
  8. Toshin Electric Boy Remix
  9. Tequno Eisa
  10. I Just Wanted To Be A Drummer
  11. Tweet Me, Tweet You Remix
  12. ORION BEACH Remix
  13. Hungry Birds
  14. The Orion Nebula Remix
  15. RAKUEN Break
  16. Space Opera
  17. UCHUNCHU
  18. iiTenki
  19. DidgeridooooOOOOOO
  20. One Day
  21. Tablama Remix
  22. Mukashi no Tekuno
  23. Ketchup on The Fish & Chips
  24. DAN DAN DAN
  25. TANDIGA DANCE Remix
  26. From The Three Stars in Orion's Belt, Via Okinawa to You. At the Crack of Dawn, Play ORIONBEATS and Enjoy it.
ORIONBEATS(おりおんびーつ)

廣山哲史のソロプロジェクト。2011年6月にリリースした廣山哲史名義のミックスCD「Souvenir from RAKUEN」に、初めてORIONBEATSとしての曲が収録される。同年9月に沖縄・名護で開催された野外フェスティバルで初のライブステージを踏む。その後、ロックカバーアルバム「Rock You!」や普久原恒勇の作曲家生活50周年記念トリビュート盤「普久原メロディー」などに参加。並行して精力的なライブ活動を展開する。2012年6月、1stアルバム「AWESOME BEATS」を沖縄発クラブミュージックレーベル・RAKUEN RECORDSよりリリース。