導かれた「ドラマチック」
押切 シングルには「ドラマチック」の“Dressup ver.”が入っているんですよね。「ドラマチック」は僕がORESAMAさんの中で一番好きな曲だから、なんか運命を感じちゃって。
小島 これは本当に偶然「ドラマチック」をカップリングに入れることが決まったんですよ。僕らの曲はCD音源とライブ用のアレンジでけっこう違うことがあって、その中でも「ドラマチック」は新曲となって生まれ変わったかと感じるくらい、ライブのアレンジが際立った1曲なんです。それをぜひみんなにも聴いてもらいたいと思って、今回初めてシングルにライブアレンジをベースにしたリミックス音源を入れてみたんです。今後もこういった形で過去の音源をアレンジして届けたいので、今回の「ドラマチック」はその取り組みの第1弾ということになりますね。
押切 てっきり僕が「ドラマチック」が好きだから気を使ってもらったのかと……。
小島 そういう意図はなかったんですけど、導かれてこの曲が選ばれたんだと思います(笑)。
押切 僕、こういうことがよくあるんですよ。好きなものが寄ってくるというか。今回、ORESAMAさんとご一緒させていただくようになったのも、僕から推薦したわけではないですし。もしかしたらスタッフが僕の好みを知っていてくれたからかもしれませんけど、好きなものを好きとちゃんと言っておくことも大事なんだと思うんです。いつかこうやって、夢が叶う瞬間が訪れるわけですから。
あるあるネタは人を感動させる
押切 ORESAMAの魅力は“渋谷発”みたいな感じのミュージシャンでありながら、実は2人とも長野出身で、ちゃんと地方出身の目線も持っていることだと思うんですよね。“都会に属さない者が見る都会”というのは「タタミちゃん」にも共通しているテーマなんですよ。
小島 都会で生まれ育った人より、田舎出身の人のほうが都会のことをよく見ていると思うんです。タタミちゃんもそれは同じで、妖怪だからこそ人間が当たり前のようにしていることに違和感を感じるわけですし。
ぽん 「タタミちゃん」を見ていて、思わずうなずいちゃうシーンはいくつもありました。
押切 「タタミちゃん」は“都会のあるあるネタ”に着目して作った作品なんですよね。あるあるネタって、人を感動させるんですよ。「わかるわかる!」という感覚のことを、僕は感動だと捉えていて。Twitterのバズりとかも同じで、共感が人の行動につながっているんですよね。そういうあるあるネタを表現するには、3、4分くらいのアニメがちょうどよかったんです。しかも実はまだまだネタはいっぱいあるんですよ。皆さんもう見慣れてしまって気付かなくなってしまったかもしれないけど、電車に乗るだけであるあるネタをたくさん見つけられますから。
──最後にこれから「タタミちゃん」を視聴する皆さんに向けて、ひと言お願いします。
押切 音楽とアニメをちゃんとセットで楽しんでもらいたいですね。ORESAMAの世界観と押切っぽさがいい具合でマッチしていると思うので。僕の絵を見た瞬間にORESAMAさんの曲が頭の中で流れてほしいくらい、僕の絵を曲と一緒に頭に刷り込んでほしい(笑)。
ぽん あの頃の曲を聴くと、当時の記憶が蘇る、みたいな感じですよね。
小島 初めて劇伴を担当させてもらったアニメですし、僕らにとっても「タタミちゃん」はすごく大切な作品になりました。押切ワールドを楽しんでいただきつつ、エンディングにかかる主題歌までしっかり聴いてもらいたいですね。
ぽん エンディングのアニメーションが毎回変わるんですよ! 放送回によっては最後にワンシーン描かれていることもあるので、アニメの最後まで全部楽しんでもらえたらうれしいです。