──「チャンピオーネ」には、皆さんの母校である沖縄市立山内中学校の吹奏楽部の生徒たちが参加していますが、これも意義深いコラボレ―ションですよね。

NAOTO　これはHIROKIさんがやりたいって言ったんですよ。

HIROKI　以前、全国各地の中学や高校の吹奏楽部と共演しながらツアーを回ったこともあるので、その流れっていう感じですね。生徒とのコラボも面白いんじゃないかと思って。だったら自分たちの母校がいいなと。ただ、生徒の皆さんは俺たちよりも忙しかったので……。

NAOTO　彼女たち、録音の次の日が学校の試験だったんですよ。レコーディングの現場も大変でしたね。中学生の女の子の扱い方なんてわからないし（笑）、譜面は用意してましたけど「もうちょっと音を前に出して」とか「もっとパッとやって」みたいなことを言っても「ん？」っていう反応だったので。

YAMATO　レコーディングの経験なんてないからね。

NAOTO　顧問の先生にも協力してもらって。でも、すごくいい感じになったのでよかったです。帰り際に生徒に「すいません、皆さんなんてバンドですか？」って言われましたけどね……。

YAMATO　勉学と吹奏楽を一生懸命やってるから、俺らのことなんて知らないんだよ（笑）。

──そして「Иatural Pop」にはTOTALFATのギタリストKubotyさんが参加しています。TOTALFATはORANGE RANGEと近しい関係にあるバンドの1つですよね？

HIROKI　そうですね。特にここ数年はイベントやフェスで一緒になる機会も多くて。

YAMATO　同い年だから、会話も弾みますね。歩んできた道は違うかもしれないけど、同じ時代を生きてきた戦友みたいな感じです。

NAOTO　TOTALFATも友達同士から始まってるバンドだし、自分たちと共通する部分が多いんですよ。これもモンパチと同じで、Kubotyに弾いてもらうことを前提に曲を選んだんです。ギターソロがある曲は少ない中で、「Иatural Pop」はやりやすいんじゃないかなって。すごいギタリストですからね、Kubotyは。あんなにガシガシ弾けるギタリストはいないし、すごく華があって。ギターヒーローですよ、ホントに。僕とは真逆です（笑）。

YOH　TOTALFATとの出会いは、益男さんが作ってくれたんですよ。そこからつながってバンド同士が仲よくなって、今回Kubotyがレコーディングに参加してくれて。知り合った頃は、こういうことが実現するなんて思ってなかったしうれしいですね。

──「花」にはKさんがピアニストとして参加。Kさんは以前レーベルメイトだったんですよね。

YAMATO　はい。あと、僕らのカウントダウンイベントに出てくれたり、ちょいちょい交流があるんですよ。

HIROKI　ピアノの技術はもちろん、人間性が醸し出す雰囲気がすごくいいんですよね。しかもポップに聴かせることもできるから、「花」にはピッタリだなって思ったんです。この曲は僕たちにとっても大事な曲の1つだし、Kになら任せられるなって。彼のおかげでまた新しい「花」が生まれたと思います。

──「one」に参加した山元タイムとふじ幼稚園の園児とは、宮城で出会ったんですよね？

YAMATO　そうです。もともと「one」は東日本大震災がきっかけでできた曲なんですけど、ここ数年、東北に行かせてもらう機会がけっこうあって。山元タイムの皆さんとは一緒にプロジェクトを進行したり、主催イベントに参加してもらったり、すごく縁が深いんですよ。だから、今回もみんなと一緒に何か形にできないかなと思って。ふじ幼稚園にも何回か行ってますからね。「みんな、大きな声で歌ってねー」みたいな感じで一緒に歌ったりして（笑）。

HIROKI　以前からつながりがあったからできたことですよね。子供たちが参加してくれたのもうれしかったんですよ。でも、こういう機会がないと、僕らが何やってる人かわからないだろうなって思いましたけど。

──ORANGE RANGEの曲、幼稚園児は知らないでしょうからね。

YAMATO　はい。お母さん方は喜んでくれるんですけどね（笑）。子供たちはHIROKIが絵本を読み聞かせてしていたときのほうが盛り上がってました。

HIROKI　絵本描いてよかったなあって思いましたね（笑）。

NAOTO　がっつり食い付いてきますから。

HIROKI　幼稚園児にとっては絵本が「キリキリマイ」みたいなものだからさ（笑）。