これ以上続けるのは危険な香りしかしない

──「えれ○○」シリーズが続いたのは予想外でしたね。

「えれぴょん」のときの周りの反応を見て、ミラクルなことが起こったと思ったので、そのミラクルを信じて続けてみてもいいかなと思ったんですけど、さすがにこれ以上続けるのは危険な香りしかしないなと。だから3rdはちゃんとしましょうっていう話になって「Say!!いっぱい」というタイトルになりました。まあ「Say!!いっぱい」もどうなんだろうって話ですけどね（笑）。

──毎回悩ましいですね。でも最初の「えれぴょん」はアーティストデビューでの名刺代わりになってよかったと思いますよ。

そうなんですよね。まずは名前を覚えてもらいたいというのもあったしインパクトもあったと思います。歌詞を読んでもらって、こんなことを考えているのが小野恵令奈なんだって知ってもらえたのは大きかったですね。でも「えれぴょん」も「えれにゃん」も18歳のときなのであのときしかできない冒険だったなと（笑）。

自分で書いた歌詞のほうがすごくしっくりきた

──シングル曲の歌詞は小野さん自身が手がけたものが多いですね。これは自分からやりたいとアピールしたんですか？

「えれぴょん」にはもともと別の歌詞ができあがっていたんですけど、読んでいたときに「私だったらどう書くかな」って思って、遊び半分で家で歌詞を書いたんです。そうしたら自分で言うのもなんですけど、すごくしっくりくる歌詞ができて。それで「こういうの書いてみたんですけどどうですか？」と提案したらスタッフの皆さんにすごくびっくりされました。

──自分の書いた歌詞で歌ってみたと。

一応両方で歌ってみたんですけど、結局私の書いた歌詞のほうが採用されました。「えれにゃん」も自分からコンセプトを話して「猫がいい」って提案したら、「じゃあそれで詞を書ける？」って話になって書いた感じです。そこから周りの方にも私は作詞ができるって思っていただけたみたいで、そこから何曲か書かせてもらいました。今回発売するアルバム「ERENA」の中の曲もいくつか書かせてもらってます。

アルバムはここまでの小野恵令奈の集大成

──アルバム「ERENA」の全体のテーマは？

もうすぐ20歳になる小野恵令奈の成長の集大成といいますか、学んできたことを詰め込んだアルバムになってます。いろんなタイプの曲がありますし、いろんな声で歌ってるので、いい意味でどれが本当の小野恵令奈なのか私自身もよくわからないアルバムですね。

──アルバムだからこそ出せる幅の広さですね。今回アルバムオリジナルの曲が8曲も入ってますが。

この8曲は特に10代のうちに遊びたかったこと、試したかったことが詰め込まれているイメージです。10代としてやり残したことはないよっていう思いが詰まったアルバムですね。そういう意味での集大成です。

──今後の方向性がまた楽しみになる1枚ですね。

ここまでで経験したものの中からどれをピックアップして、どれを自分のものにして広げていくかが課題だと思ってます。自分の中ではもうすでに新たな挑戦をしようと考えて動いているところです、勝手に（笑）。

──おぼろげな感じですか？

私の中では明確にビジョンはあります。でも、理解してもらうタイミングが必要。簡単にできることじゃないと思うし、私ひとりでやっているわけではないので理解してもらうのは大変だと思いますけど、そのための準備を進めてます。

人にネジを回されたくない

──アルバム表題曲の「ERENA」も小野さん自身が歌詞を手がけていますが、強い意志が込められていると感じました。

「今までの私とこれからの私」をテーマにして書きました。ここから一歩踏み出していきますという強い気持ちを感じ取ってもらえたらうれしいです。

──決意表明のような曲ですよね。これからの小野恵令奈がどうなっていくんだろうというのを想像させるような。

結局、自分を改造するのって自分にしかできないじゃないですか。人にネジを回されたくないですし。人からの意見はもちろん聞きますけど、最終的にどのボタンを押すかを決めるのは私自身なので。誰に何を言われても基本的にはブレることのない強い女性のままでいたいです。「ERENA」にはそういった私の思いが込められてます。

──チャレンジ精神が強いですよね。

やりたいことができる可能性が1％でもあるならそれに賭けてみたいタイプですね。私はこのスタートについてはただぬるっと復帰したわけではなくて、限界まで挑戦してそれこそ死ぬ気でやろうと思ってますから。

──でもすごく充実しているように見えます。

好きなことをやれているので。だからこそ20歳以降はとことん自分がやりたいと思い描いていることをやるしかないじゃんって。なので誕生日までのあと5カ月はこのままがんばります！

──ガラッと変わっていきそうですか？

その予感はしますけどね。私はいい予感しか信じません（笑）。