ナタリー PowerPush - 鬼束ちひろ
ロバート秋山と衝撃対談
鬼束ちひろが洋楽カバーアルバム「FAMOUS MICROPHONE」をリリース。これを記念して、ナタリーでは鬼束ちひろとお笑い芸人の秋山竜次(ロバート)との対談を企画した。鬼束が「今、一番会いたい人」として挙げた秋山との対談は、2人の共通点なども探りつつ、意外な盛り上がりを見せることに。
なお、本特集の後半では鬼束への単独インタビューも掲載。さらに先日ファンから募集した69個の質問に鬼束本人が回答するコーナーも公開している。
取材・文 / 大山卓也 撮影 / 平沼久奈(対談)・広川智基(インタビュー)
森乃進に憧れて杖を購入
鬼束ちひろ いきなりなんですけど、プレゼント持ってきました! ネタノートとネタペンです。
秋山竜次 うわ、めっちゃ役立つ。ありがとうございます。
鬼束 これでどんどんネタ書いてください!
秋山 いやあ、対談に来ていきなりプレゼントもらっちゃった。これはすげえ面白いネタ書かないと(笑)。
鬼束 大丈夫です! 私、ほんとに秋山さんのファンなんですよ。
秋山 ありがとうございます。鬼束さんがそう言ってくれてるって話を聞いて、ありがてえな!マジか!って思ってたんですよ。
鬼束 だって杖も買ったもん。
秋山 え、森乃進(フジテレビ系「はねるのトびら」で秋山が扮する老人のキャラクター)を観てってこと? そこまで本格的にやらんでいいでしょ!(笑)
鬼束 「はねトび」とか観てると、軍団になると秋山さんっていい人だから埋もれるんです。でも1人のときはホントにすごいんですよ! ほかの芸人とか全部ぶっ飛ばすくらいの天才です!
秋山 うわ、よく観てくれてるなあ。確かに俺大勢でやるの苦手なんですよ。1人でネタやるときのほうが……。
鬼束 「トゥギャザトゥギャザ! オーケー、きびだんご!」。
秋山 ええっ!? そういうDVDにも入ってないようなネタを……! 最初はどうやって僕のこと知ったんですか?
鬼束 わかんない。知ってるっていうより、運命(さだめ)的に自分に入ってくるんです。
有名な曲ばかりだからごまかしが効かない
秋山 僕も今回、鬼束さんのアルバム聴かせてもらって、すっごくいいなって思いましたよ。デビューした頃は結構聴いてたんですけど、ここ何年かの活動は知らなくて。久しぶりに聴いたらやっぱすごいなって。
鬼束 あの、今回は「FAMOUS MICROPHONE」っていうアルバムで、有名な曲しかないから、ごまかしが効かないんですよね。
秋山 みんな本家を知ってるからたいへんですよね。でも全然違和感なく聴けましたよ。
鬼束 良かった。
秋山 それに曲によってすごい幅がありますよね。世界観っていうんですか。「マジでこれ鬼束さんが歌ってんの?」って思うくらい、悲しい感じのときもあるし、すげえ強いときもあるし、何人もの人が憑依して歌ってるみたいでしたよね。
鬼束 それは前から言われます。女優みたいって言われる。(レコーディング)ブースに入ったら変わるんですよ。あ、でも秋山さんもメイクしたら変わるでしょ。
秋山 そうそう、変わりますね。
CD収録曲
- Scarborough Fair
(SIMON & GARFUNKEL) - Brass In Pocket
(THE PRETENDERS) - Mother Nature's Son
(THE BEATLES) - Time After Time
(TUCK & PATTI) - Desperado
(EAGLES) - Sweet Home Alabama
(LYNYRD SKYNYRD) - Take Me Home, Country Roads
(ジョン・デンバー) - You've Got A Friend
(キャロル・キング) - I Need To Be In Love
(CARPENTERS) - The Rose
(ベット・ミドラー) - Bitter Flavor Road
(鬼束ちひろ)
<スペシャルトラック>
鬼束ちひろ(おにつかちひろ)
1980年生まれ、宮崎県出身のシンガーソングライター。2000年2月にデビューし、2ndシングル「月光」がテレビドラマ「TRICK」の主題歌に起用されて大ヒットを記録。翌2001年リリースの1stアルバム「インソムニア」がミリオンセラーとなり、一躍トップアーティストの仲間入りを果たす。2011年4月に自伝的エッセイ「月の破片」、6thアルバム「剣と楓」を発表。2012年5月にニューヨーク、ロサンゼルス、東京の3都市で制作された洋楽カバーを中心としたニューアルバム「FAMOUS MICROPHONE」をリリースした。現在はニコニコ生放送に出演するなど、奔放なキャラクターでも注目を集めている。
秋山竜次(あきやまりゅうじ)
1978年福岡県生まれ。3人組お笑いトリオ「ロバート」のメンバー。コントのネタ作りを担当し、その非凡な発想とユニークなキャラクターでお笑いファンから高い評価を得る。「キングオブコント2011」では圧倒的なコントを披露し、堂々の優勝を果たした。
2012年6月13日更新