パワーを凝縮させるためにタトゥーを彫った
──鬼束さんって基本的に明るい性格ですよね。
うん、みんなから「ちいちゃん根アカだよね」って言われる。
──こうやって話していてもパワーみたいなものを感じます。
だから彫ったの。
──あ、その左腕のタトゥーにはどういう意味があるんですか?
3回彫ったんですよね。最初にこれ彫って、これとこれとこれを彫って、最後にこれを彫ったんです。で、ここに凝縮させるみたいな。これで完成したの。
──じゃあもうこれ以上は彫らない。
うん、いろんなところに彫る人いるでしょ。女の子だったら特にティンカーベルとか、豆とか。
──豆?
わかんないけど、そういうカップケーキ的なものを彫ったりする人いるじゃないですか。でもそういうのっておばあちゃんになったらどうするのって思うんですよ。だからそこも考えてトライバル系にしたんです。
──このタトゥーが鬼束さんのパワースポットなんですね。
ノリなんですけどね。ノリでパワースポット作ろう、みたいな感じになっちゃった。
男性ボーカル見つけてバンドを作ろうとしてました
──最近凝っていることはありますか?
「ビリーズ・サンドウィッチーズ」っていうバンドを作ろうとしてましたよ、私は。
──バンド?
私がサイドギターなんです。弾けないくせに。それで曲書いて歌わせようと思って。肉じゃがみたいな男ボーカル見つけて。
──え?
で、結局はやっぱ私が歌おうってことになって。他にも、某アイドルグループに提供しようと思って2曲作ったけど回収した曲もありました。
──なるほど。じゃあこれからはバンドをやるんですね。
やらない。
──え?
大変じゃん。なんかみんなで合わせるのとか。
──バンドは団体行動ですしね。
みんなでバンに乗ってツアー20日間まわっていくのとかムリムリ。スイートスイート。スイートホテルがいい。
──バンド構想は実現したら面白そうですけどね。
でも面倒くさい。7人構成だから。
──メンバーそんなにいるんですか。
ギロ(ラテン音楽で使われる打楽器)とかいる。
「剣と楓」を、買いたいならば買えばいい
──では最後に、久々のインタビューですし、ファンの方にメッセージをお願いします。
「剣と楓」を、買いたいならば買えばいい。
──あ、「ぜひ買って聴いてください!」的な感じはあまりないですか?
だって今の時代聴きたくない人は聴かないでしょ。だから、聴きたい人は聴けばいい。
──聴きたくない人は聴かなくていい?
うん。
──ではライブの予定は?
ライブはそのうちやると思うんですけど、たぶんその前に夏フェスに出るんじゃないかな。
──3年前のオーチャードホール以来のライブになりますね。あのときは終わったあとで気絶したと伺いましたが。
2回気絶した。ライブの前ずっと緊張で寝れなかったんで。
──それでもライブが嫌になったりはしない?
するしかないですからね。本当は盤で済ませたいけど。
──でもファンはみんな楽しみにしてますよ。
うん、ライブは楽しい感じになるんじゃないですかね。どうにでもなれって感じで。集中力はおのずとついてくるタイプだし。
──集中しすぎて倒れないようにしてくださいね。
そうですね。そのバランスをとるために五七五とかやってるのかもしれないですね。
CD収録曲
- 青い鳥
- 夢かも知れない
- EVER AFTER
- IRIS
- 僕を忘れないで
- An Fhideag Airgid
- SUNNY ROSE
- NEW AGE STRANGER
- CANDY GIRL
- 罪の向こう 銀の幕
- WANNA BE A HAPPY WARRIOR
- 琥珀の雪
鬼束ちひろ(おにつかちひろ)
1980年生まれ、宮崎県出身の女性シンガーソングライター。2000年2月にシングル「シャイン」でデビューし、続く2ndシングル「月光」がテレビドラマ「TRICK」の主題歌に起用され大ヒットを記録。翌2001年リリースの1stアルバム「インソムニア」がミリオンセラーとなり、一躍トップアーティストの仲間入りを果たす。以後順調にリリースを重ね、2004年にレーベルを移籍。同年10月にシングル「育つ雑草」をリリースするも、体調不良を理由にその後の活動がすべて白紙に。約2年半にわたる活動休止期間を経て、2007年に小林武史プロデュースのシングル「everyhome」とアルバム「LAS VEGAS」で復活。その後は不定期に活動を続け、2011年4月に6枚目のアルバム「剣と楓」をリリース。