「五七五一人選手権」っていうのをやってるんです
──眠れない夜は何をしてるんですか?
五七五書いたりとか。
──五七五?
「五七五一人選手権」っていうのをやってるんですよ。それをファンにあげるの。
──えっ?
なんか抽選で。
スタッフ 何かの機会に「鬼束ちひろの五七五一人選手権を3名様にプレゼントします」とかそういう企画も面白いかなと思って。
──よくわからないけど楽しそうですね。
「オオトカゲ 見つけたならば 20円」とかそういう五七五を書いて、紙に包んで贈る。「オオトカゲ 捕まえたなら 50円」っていうのもある。
──あんまり意味はない感じですか?
いや、深い深い。
──あはは(笑)。
だって私の詞だし、しかも手書きですよ? 筆ペンで。欲しかったらプレゼントしますよ。
──ありがとうございます。
魔除けになりますよ。殴られなくなる。
ダイナミックな毎日は神様からの贈り物だと思ってます
──それにしても、鬼束さんくらいダイナミックな人生だと、毎日しんどくなったりしないですか?
うん、だから引っ越しばっかしてる。熊谷さん(マネージャー)とケンカしてギター奪ったり、10階から落としたり。
──大丈夫でした?
「出てけ」って言われた。
──それは言われますよね。鬼束ちひろとして生きていくのはなかなかキツそうですけど。
私は、それは、今こんなこと言うと不謹慎ですけど、天の災害だと思ってる、私に起こってる天災。
──たぶん平凡な暮らしのほうが楽なんでしょうけどね。
そうですね、でも26で結婚して27で子供産んでとか、そういうのは想像もできない。
──その代わりに音楽を作ってるわけですしね。
黒人の養子が欲しい。
──えっ?
で、「健三郎」っていう名前を付けたい。という計画を立ててる。嘘か本当かわからんですけど。
──それは確かに平凡な家庭ではないですよね。
かと言って、そういう自分に酔ってる人もいるじゃないですか。私はそういうのではない。勝手にこうなる。勝手に殴られたりする。
──「他人と違う私ってカッコいい」みたいなことを思う暇もないわけですね。
暇なんてない。そんなこと思えない。
──勝手に天災みたいにやってくる?
やってくる。でもそれは私うれしいことだと思ってる。神様からの贈り物だと思ってます。そういう日々が。もちろんしんどいですけど。基本しんどいから楽しいことを探すんです。
CD収録曲
- 青い鳥
- 夢かも知れない
- EVER AFTER
- IRIS
- 僕を忘れないで
- An Fhideag Airgid
- SUNNY ROSE
- NEW AGE STRANGER
- CANDY GIRL
- 罪の向こう 銀の幕
- WANNA BE A HAPPY WARRIOR
- 琥珀の雪
鬼束ちひろ(おにつかちひろ)
1980年生まれ、宮崎県出身の女性シンガーソングライター。2000年2月にシングル「シャイン」でデビューし、続く2ndシングル「月光」がテレビドラマ「TRICK」の主題歌に起用され大ヒットを記録。翌2001年リリースの1stアルバム「インソムニア」がミリオンセラーとなり、一躍トップアーティストの仲間入りを果たす。以後順調にリリースを重ね、2004年にレーベルを移籍。同年10月にシングル「育つ雑草」をリリースするも、体調不良を理由にその後の活動がすべて白紙に。約2年半にわたる活動休止期間を経て、2007年に小林武史プロデュースのシングル「everyhome」とアルバム「LAS VEGAS」で復活。その後は不定期に活動を続け、2011年4月に6枚目のアルバム「剣と楓」をリリース。