ナタリー PowerPush - ONE OK ROCK
格の違いを見せつけたい 最高傑作「人生×僕=」
ONE OK ROCKが、通算6枚目となるニューアルバム「人生×僕=」(ジンセイカケテボクハ)をリリースした。シングル「The Beginning」「Deeper Deeper」「Nothing Helps」を含む全13トラックは、紛うことなき彼らの最高傑作。ナタリーではTaka(Vo)とToru(G)の2人にインタビューを実施し、アルバムの狙いや現在のバンドのスタンスについて話を聞いた。
取材・文 / 大山卓也
人生賭けてこのバンドをやり続ける
──ヤバいですね、このアルバムタイトル。
Taka あはは(笑)。ちょっとダサいですけどね。
──自分でダサいと思ってるんですか(笑)。このアイデアはどこから?
Taka この方程式は僕の人生のテーマなんです。「残響リファレンス」(2011年10月発売)っていうアルバムを作って去年アジアツアーも回って、そうやって活動していく中で、僕らは純粋に自分たちがカッコいいと思う音楽を作り続けたくて、自分たちのために音楽やってるし、自分たちのためにバンドをやってるんだって改めて思ったんです。そして僕に何ができるかって考えても、やっぱり音楽しかできないし、バンドしかできないし、歌うことしかできない。できないっていうか、それが一番向いてる。
──そう思います。
Taka で、そこからもっと考えを研ぎ澄ませて、じゃあ僕はなんのために生まれてきたんだろうって考えて。僕が人生を賭けられるものを、ここで改めて提示したいと思ったんですよね。
──それが音楽だということ?
Taka 音楽とONE OK ROCKと歌。それを人生賭けてやったときに、この方程式で導き出される答えを、僕が死ぬまでの間に、もっと大きいものにしたいって思ったんです。その意思表示がこのアルバムなんですよ。そういう意図のもとで、このちょっとダサいタイトルをつけました。あえて自分自身をさらけ出す。ある意味このダサさが僕ですっていう。
──決意表明ですよね。ダサいかもしれないけど、それ以上に強さを感じます。
Taka やろうと思えばもっとカッコいいタイトルにもできたんですけど、でも僕はそんなスタイリッシュな人間じゃないから。自分たちにとって重要な今という時期に、これ以上余計なものを付け加えたくなかったんです。
──その「人生賭けてこのバンドをやっていくんだ」という姿勢は、Toruさんはじめ、メンバーは皆さん同じですか?
Toru そうですね。もちろん今までもそういうスタンスで突き進んできたんですけど、やっぱり作品を作っていくにつれて、そういう思いも自然と深くなってるというか。進んでいく先に壁はあるけど、そこに立ち向かう喜びもいっぱいある。それをこのタイミングで、このタイトルで提示するっていうのはわかりやすいじゃないですか。
アリーナライブを見据えた楽曲
──このアルバムはONE OK ROCKならではのエモさはそのままに、シリアスさがグッと増していますよね。狙いを定めて一発で撃ち抜くような集中力を強く感じます。
Taka このアルバムで確実に新しいところに行けるっていうのは、デモの段階でみんなわかってたんです。だからそれをなるべく壊さないように、その感覚を大事にして作っていきました。
──「残響リファレンス」のときには、横浜アリーナでライブをやることが決まっていて、大きな会場で鳴らすことを考えて作ったという話がありましたが、それで言うと今回のアルバムのテーマは?
Taka そこはそんなに変わってないですね。前回のツアーはファイナルがアリーナでしたけど、今回は全部アリーナなんで。だから誤解を恐れずに言うと、小さな会場で演奏したり歌ったりすることはほとんど考えてないです。アリーナでの見せ方を重点的に考えて作ったアルバムというか。
──アリーナを意識して曲を作ることで何が変わってくるんですか?
Taka うーん、さっきの例えで言えば、ライブハウスは連射でいいと思うんです。でもアリーナでやるには一発で仕留める力が必要で。「残響リファレンス」を作って、実際にアリーナのステージに立ってみて「難しいな」って思うところもたくさんあったし、そこからいろいろ試行錯誤して、今は柔らかさと強さの両方が必要だなって。
Toru やっぱり音のスケールをデカくするっていうことだと思うんです。俺はもっとリアルなものっていうか、自分たちの気持ちをもっと素直に伝えたくて。ちょっと生っぽい楽曲も作ることで幅を広げたいと思ってましたね。
- ニューアルバム「人生×僕=」/ 2013年3月6日発売 / A-Sketch
- 初回限定盤[CD+DVD] 3300円 / AZZS-15
- 通常盤[CD] 2800円 / AZCS-1024
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CD収録曲
- Introduction ~Where idiot should go~
- Ending Story??
- ONION!
- The Beginning
- Clock Strikes
- Be the light
- Nothing Helps
- Juvenile
- All Mine
- Smiling down
- Deeper Deeper
- 69
- the same as...
初回限定盤DVD収録内容
- 「The Beginning」 「the same as...」のスタジオセッションの模様をとらえたドキュメント映像
ONE OK ROCK(わんおくろっく)
2005年結成。Taka(Vo)、Toru(G)、Ryota(B)、Tomoya(Dr)の4人からなるロックバンド。エモ、ロック、メタルの要素を取り入れた骨太なサウンド、激しく熱いライブパフォーマンスで若い世代を中心に支持を集める。2007年4月に1stシングル「内秘心書」でデビューし、2010年11月に初の東京・日本武道館公演を実施。2012年には台湾、韓国、シンガポールを回る初のアジアツアーも成功に収める。2013年3月に6thアルバム「人生×僕=」をリリースし、同年5月からは横浜アリーナ3DAYS公演を含む全国アリーナツアー「ONE OK ROCK 2013 "人生×君=" TOUR」をスタートさせる。