髪の毛、終わったあとに整えてあげるから
──2曲目の「OPEN」はいかがでしょう? かなり激しい、ロックテイストの楽曲ですね。
HAYATO この曲はね! デモをみんなで聴いたとき……。
一同 (大盛り上がりで)ウエーイ!
HAYATO って(笑)。「これじゃね?」と、全員の意見が合致した曲でした。完成形は、デモよりもロックテイストに振っているんです。ワンエン、がっつりロック!みたいな曲はこれまでなかったので。
EIKU ないねー。
HAYATO 新鮮な聴き心地を意識しつつも、ワンエンらしい“アガる曲”になっているなと思います。
TETTA 歌詞の言葉も響きを重視しているから、語感がよくて。曲にうまくハマるので、より音の厚みが出ている感じがします。疾走感があってロックな感じが僕は好きです。
EIKU サビのリフレインとかでさ、SWAG(ONE N' ONLYファンの呼称)がめっちゃヘドバンしてくれたらうれしい……。
TETTA 最高でしょ。髪の毛ぐっちゃぐちゃになってさ。終わったあとに整えてあげるから!
KENSHIN フウー!
NAOYA とにかくライブ映えすると思うので、みんなの前で披露するのが楽しみです。
HAYATO で、5曲目の「Set a Fire」は、レコーディングで進化した気がするね。
KENSHIN この曲はマジで面白いよね。
NAOYA レコーディングの仕方がいつもとは少し違ったんです。「ライブのときのように歌って」というリクエストのもと歌入れをしたので、丁寧に歌うよりも勢いを重視した感じで。
TETTA レゲエとラテンが合わさったようなサウンドで、歌詞にはポルトガル語も入っているので、すごいミクスチャー感がある。そこもポイントですね。
REI 響きで勝負している感じがするんだよね。TETTAが言ってくれたように曲調にラテン要素もあって、僕らが慣れ親しんでいる南米の空気も感じられるのがすごくいいなって。新しい風を感じる曲だと思います。
EIKU なんか、パーティ感があるよね。
HAYATO そうそう。とにかく楽しもうぜっていう。だから、この曲はライブで披露するのが本当に楽しみ。
激しい中にある怖いほどの冷静さ
──そして、6曲目の「Departure」が今作のリード曲です。
EIKU この曲はもう、「ただいま」って感じですね。
NAOYA すごくワンエンらしさがある曲だけど、「Departure」はそれだけじゃなくて。イントロから怪しさ、不気味さみたいなムードがすごく出てて、僕この曲めちゃくちゃ好きです。激しい中にも怖いほどの冷静さがあるというか。
KENSHIN 確かに。
NAOYA 歌詞にも「パスポート無しで Break into just Pass it」とか、かなりぶっ飛んだフレーズが入っていたりして。本当に、唯一無二の僕らだからこそ歌える楽曲なのかなと思っています。
HAYATO サウンド的には、ドリルの要素もある最先端のヒップホップがベースになっています。それに加えて最近のラテンテイストも感じられる作りで、そういう部分でも最新の僕ららしさを出せているんじゃないかなって。とにかく「突き進んでいくぞ!」という力強さを感じる曲に仕上がったと思います。ミュージックビデオも、この間撮ってきたんですよ。
EIKU MV、ヤバいです。
HAYATO いろんなシチュエーションで撮ったんですよ。「Departure」(出発)のイメージで、空が開けたところで撮ったり、きらびやかなホールで撮ったり……。
TETTA シャンデリアのあるホールね。今までで一番テイクを重ねて、MVが3本分できそうなくらい素材を撮ったんです。
NAOYA 完成形が想像できないくらいなんですけど、本当にすごい作品になっているんじゃないかなって。CGなんかも取り入れつつ仕上げていく感じになるので、完成形が楽しみです。
HAYATO ダンスはMiQaelさんが気合いを入れて作ってくださいました。サビでドロップするというか、ドープな感じに展開するので、そこをいかに表現するかが大事。今までで一番テクニックが必要な、難しい振付だと思います。
EIKU 一番難しかったよね。
HAYATO あとはメンバーそれぞれに目立つポイントがあって、「この人はこういう動きがいいでしょ」という振りを作ってくださっているんですよ。そういう部分にも愛を感じるし、SWAGにも楽しみにしていてほしいです。
──7曲目の「Hunt」についてはいかがでしょう?
TETTA これはもう、ね! タイトル通り、意中の相手を“Hunt”する曲です。なので、歌い方もセクシーさを意識して。
HAYATO 今までもセクシーな曲はいくつかあったけど、「Hunt」は展開が予測不可能なのが面白いところだと思います。急にアップテンポになったり、ラップが始まったり。
EIKU メロも面白くて、次々に予想を裏切るような流れになっているんですよ。パートごとに、思っていた方向とは全然違う道に進む感じ。
NAOYA 2つの曲が合体している感じというか。
HAYATO フックの部分が特にね。前半はキャッチーでメロディアスな感じですけど、後半いきなりEDM調になる感じがクセになります。
KENSHIN サビの後半、一気にビートが強くなっていくところがマジで面白いよね。
HAYATO ボーカル陣(TETTA、REI、EIKU)はセクシーに甘く歌っているんですけど、ラッパー陣(HAYATO、KENSHIN、NAOYA)は思い切りアグレッシブに歌っているので、その差を楽しんでほしいですね。
僕らの本音をみんなに知ってもらおう
──そして、9曲目の「Reflection」はEIKUさんが作曲、EIKUさんとTETTAさんが作詞を手がけた楽曲です。メンバーが作曲を担当するのは、これが初めてですよね?
EIKU そうですね。以前から、JUNEさんとは「一緒に曲作りもしていこう」という話をしていたんです。今回「ボーカルを聴かせる新曲を作りたいから、一緒に作ってみよう」と声をかけていただいて、HAYATOとTETTAと僕でJUNEさんの家にお邪魔して曲作りをすることになって。僕がギターを弾きながらその場のノリでメロディを作ったりして、実際にそのメロディはこの「Reflection」に使われています。
TETTA JUNEさんが打ち込みしてるの、初めて見たよね。
HAYATO EIKUと2人でセッションしてた。
EIKU 即興で作ったメロディが実際に使われているのはうれしいです。歌詞も、JUNEさんにサポートしてもらいながらTETTAと2人で作りました。レッスン場の大きな鏡に映る自分達の姿を歌詞にしてみたいなとずっと思っていて。鏡に映る自分と世間の目に見られている自分の姿がうまく交錯しない葛藤やもどかしさ、苛立ちみたいな感情を言葉にして、今の僕らの本音をみんなに知ってもらおうと。それと同時に、過去じゃなく今を見つめて進んでいこうよという思いも伝えたくて、TETTAと話し合いながら作っていきました。
TETTA 2人で、LINEとかでやりとりしてね。遠征先のホテルでEIKUの部屋に閉じこもって作詞したときもありました(笑)。レコーディングまであまり時間がなかったから「今日完成させよう」って集中して。曲が先にあったので、そこに歌詞をはめていく形で、自分たちが表現したい言葉を探して。僕らが特にこだわったのは、1番のサビで「僕を隠してくれている」、2番のサビで「僕を起こしてくれている」と歌う部分を、最後のサビでは「僕らを照らしてくれている」と、ワンエンとしての言葉にしているところ。1番、2番で歌う自分自身の葛藤を、ONE N' ONLYとして最後に昇華するんです。1文字で意味合いもメロディも譜割りも大きく変わるので、ここはポイントになっていると思います。
EIKU そうだね。
TETTA そして、この曲で僕らが一番伝えたい思いは「決して離れることはない 色を変えても」というフレーズに詰まっています。今の僕らはラテンアメリカツアーに行ったりもするけれど、SWAGとはどんなことがあっても絶対に離れないし、ずっと一緒だよという気持ちを、この曲で絶対に伝えたかったんです。
ワンエンのストロングポイント
──15曲目の「10,000miles」についても伺っていいですか?
NAOYA 「10,000miles」というのは、日本とブラジルの距離を表しているんです。この曲は、ブラジルのSWAGに向けても歌っている曲で、向こうのみんなに寄り添う気持ちを表現できたんじゃないかなって。日本にいるSWAGに対しても同じで、僕たちが海外で活動していると寂しく思う子もいると思うんですけど、離れていてもSWAGのことはいつも思っているよって伝えたくて。僕たちだからこその曲だなあと思いますし、個人的にすごく好きな1曲です。
REI 地球の反対側にも届ける僕らのメッセージだね。全英語詞の曲なんですけど、実は随分前から録ってあったんです。アルバムに入れるためにもう一度レコーディングすることになって、英語の発音を学び直したりもして。個人的には、この曲をきっかけに世界を意識して歌うようになったから思い入れがありますし、早くラテンアメリカツアーで披露してみたいですね。
──最後に、通常盤の16曲目に収録されている新曲「Be Alright」についても。ワンエンの楽曲には珍しい、内省的なムードの漂うアコースティックのバラードナンバーです。
KENSHIN 夜、1人で悩んでいるときに優しく寄り添ってくれるような曲ですよね。これがめちゃくちゃ沁みるんですよ……。
REI 確かに、夜に聴いたらたまらないね。
TETTA しかもこの曲でギターを弾いてるの、EIKUなんです。
EIKU そうなんです。今回ギターでもレコーディングに参加しまして。いつもの黒いギターで演奏してきました。メロもいいし、歌詞の内容的には背中を押されるというより寄り添ってくれるような言葉が並んでいるので、思い悩んだときに勇気をもらえる曲だなと思います。
TETTA 1番はEIKUのギターで始まるんですけど、2番のサビからドラムが入って、ガラッと雰囲気が変わる。そこで一気に光が差し込んだ感覚になるんですよ! その展開もめっちゃ好きです。
──ドラムの演奏は、EIKUさんではないんですか?
EIKU 僕じゃないです(笑)。全然録りますけど!
KENSHIN やろうよ、ドラムも!
HAYATO ライブでも最近はEIKUがギターを弾いてくれることがあるので、そこはワンエンのストロングポイントとしてこれからも大事にしていきたいよね。EIKUの持ってる高い音楽性は間違いなく僕らの強みです!
プロフィール
ONE N' ONLY(ワンエンオンリー)
スターダストプロモーション所属の男性ダンス&ボーカルグループ。メンバーはTETTA、REI、EIKU、HAYATO、KENSHIN、NAOYAの6人。2018年4月に初ライブを行ったのち、10月にはデビュー前にもかかわらず東名阪Zeppツアー「ONE N' ONLY ~EBiSSH×SBC~ Zepp Tour 2018」を開催し、成功を収めた。11月にシングル「I'M SWAG」でCDデビュー。2019年5月に発売した2ndシングル「Dark Knight」ではオリコン週間シングルランキングおよびビルボードのチャート「Billboard JAPAN HOT 100」で首位を獲得した。2020年4月に1stアルバム「ON'O」をリリース。グループのTikTokアカウントは日本のみならず世界各国から反響を集め、フォロワー数は日本人男性音楽アーティストとしては最多の580万人超えを記録。2022年2月には1st EP「YOUNG BLOOD」をリリースし、7月にはブラジル・サンパウロで初の海外公演を成功させた。2023年に結成5周年を迎え、1月より5カ月連続新曲リリース企画を実施。4月には初のラテンアメリカツアーを開催した。5月にアルバム「Departure」をリリース。現在はグループ初となるホールツアー「ONE N' LIVE 2023 ~Departure~」を開催中。
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