「Dark Knight」は武器

──「Dark Knight」はONE N' ONLYにとって2作目のシングルで、表題曲は昨秋のツアーでも披露されました。皆さんにとってはどういった曲でしょう？

HAYATO　初めて披露したときから評判はとてもよかったんです。ノリやすい曲なんじゃないかなって思う。

NAOYA　ワンエンの武器の1つになっている曲だよね。（デビュー曲の）「I'M SWAG」が僕らのテーマソング的な位置付けの曲で、「Dark Knight」は武器。ライブでの勝負曲だし、人気曲になりそう。

──確かに“攻撃力”が高いですよね。

TETTA　イベントなどで披露したときの映像を改めて観て僕が思ったのは、雰囲気を変える曲だなって。HAYATOの最初の咳払いで、一気に雰囲気が変わるんです。カッコいいんですよ。

──そう、この曲はHAYATOさんとKENSHINさんのラップが特徴的な曲でもありますよね。

HAYATO　僕はこの曲で初めてラップに挑戦したので、ラッパーとしてしっかり表現できるようにがんばりました。あと、TETTAくんも言ってくれたけど第一声が僕なので、曲に勢いを付けることをイメージして、かなり激しくラップしています。最初のバースで聴いている人の心を一気につかむように。攻撃的に、相手に食らわせるってイメージですね。

KENSHIN　僕は1stシングルではマイクを持っていなくて、ワンエンの曲に自分の声が入ったのはこの「Dark Knight」が初めてなんです。攻撃的なHAYATOのラップに劣らないように勢いを付けてラップすることはもちろん意識していますし、彼とは違う一面を見せられたらな、という思いもあります。

──なぜ今回から2人がラップで参加することになったんですか？

HAYATO　僕が「ラップやりたいです」とスタッフさんにお願いしました。僕たちがラップをやることによって、ワンエンの表現の引き出しが増えるんじゃないかなと思ったので。

──そうだったんですね。実際ラップをやるようになって、何か変わったことはありますか？

HAYATO　もともとヒップホップが好きだったけど、より一層いろんなアーティストさんの曲を聴くようになりました。あとは韻を踏むために、普段から母音を気にするようになりましたね（笑）。いつか自分でラップを書けたらいいなとも思っているので、最近は日頃からそういう意識を持っています。

──HAYATOさんとKENSHINさんがラップで楽曲に参加することを、ボーカル組はどう捉えています？

TETTA　ラップがあると曲が一層彩り豊かになるなと思って。2人のラップが好きだし、なんかうれしいです。

REI　「Dark Knight」のような攻撃的な曲は特に、ラップがあるとパワーを増しますよね。それに、披露の回数を重ねるごとに2人のラップのパワーが大きくなっていることにも刺激を受けるというか、「僕もがんばらなきゃ」なんて思ってます。ワンエンの表現に2人のラップが加わったことは、いろんな意味でプラスになっていると思います。

──ボーカル組もまた、前作よりも3人のボーカルワークが深まっているように感じました。

TETTA　ありがとうございます。「Dark Knight」は曲調が大人っぽい感じなので、今までの歌い方そのまま、というよりは気持ち一歩引いて落ち着く……でも、その中に力強さも入れる、といったようなバランスを意識して歌いました。すごく難しかったんですけどね（笑）。

REI　僕がプロデューサーのJUNEさんにレコーディング中にすごく言われたのは「パワーを意識すること」でした。僕は地声で押し通す歌い方をしがちなんですけど、この曲は「ブレスで前に押せ」と言われて。今までとは違う表現方法を指示されてとても勉強になりましたし、この曲で新たな歌い方を見つけられたような気がしています。「Dark Knight」は音がかなり前に出た強い曲だから、その音に声が負けないようにするにはどうしたらいいのかな？と自分なりに考えながら歌いました。

EIKU　破壊力があってキャッチーな曲なので、僕も音に負けない力強さを意識しました。あとこの曲にはTETTAくんと僕が初めてユニゾンで歌うパートがあるんですけど、そこでは2人のまったく違う声質を生かしつつ、喉に何か引っかかっているようなガラついた声を取り入れながら、自分なりの「Dark Knight」を表現してみたり。

TETTA　そこは同じ認識を持っていたよね。同じ歌い方をするよう強く意識して歌いました。

“ごちゃまぜ”なのがポイント

──では、「Dark Knight」のダンスパフォーマンスについても聞かせてもらえますか？

KOHKI　「I'M SWAG」では間奏パートでEBiSSHとさとり少年団に別れてパフォーマンスしたりしていたんですけど、今回は“ごちゃまぜ”なのがポイントかもしれないです。各パートで人数の変化を付けて見せ方を変えたりもしていて、見応えがあると思う。

NAOYA　曲自体にすごく厚みがあるので、僕らもそれに負けないように踊らないといけない。サビでは、みんなで手を広げて、バットマンを意識したダンスをしています。「バットダンス」と呼んでいるパートなんですけど、ガッと手を広げて奥から一気に前進してくることによって、観ている人が圧を感じるように。曲からも振りからも圧がかかって「おおっ！」と感じてほしいな、という狙いです。

──「バットダンス」ということは、楽曲は映画の「ダークナイト」（2008年公開）ともかかっているんですね。

HAYATO　そうなんです。その世界観を意識した振りになっています。

──ダンスリーダーであるHAYATOさんが、この曲のパフォーマンスの中でポイントだと思うのは？

HAYATO　間奏のダンスですね！ この曲には「暴れるヒーローになれ！」といった歌詞が多く登場するので、踊り狂うように頭をぐるぐる回していて、かなりインパクトがあると思います。あとは僕が6人を操る振りがあるので、そこはぜひ注目してほしいです。

僕らの音楽が広まっているんだな

──またミュージックビデオもすでに公開されて「I'M SWAG」のときのような大きな反響を集めていますね。これについては、再生回数チェックを欠かさないKENSHINさんに聞いてもいいですか？

REI　ミスター再生回数！

KENSHIN　はい！（笑） 今日（取材は4月上旬に実施）の時点で211万回再生してもらっています。

EIKU　さすが（笑）。

KENSHIN　コメント欄に「International fan is here」という投稿があって、いろんな国の方が自分の国の国旗の絵文字を書き込んでくれているのも発見したんです。そのコメントを見ると、南米や東南アジアや、ホントにいろんな国の方が応援してくれているのがわかってすごくうれしかった。

一同　うれしいね。

HAYATO　あと、海外の方が僕らのMVを観てリアクションしている様子をたくさんYouTubeに上げてくれているんです。このリアクション動画を観たときに、改めて「僕らの音楽が広まっているんだな」という実感が湧いたというか……。

REI　皆さん感情豊かで、すごく面白いんですよ。「Oh, yeah!」なんて言いながら観てくれていて。

KOHKI　喜んでくれていて、うれしいよね。

──それはうれしい反応ですね。MV自体の話をすると、ラストシーンでHAYATOさんの片目が赤く光っているのがすごく気になりました。

HAYATO　片目を隠してカッコつけてるところですね（笑）。このMVでは夜になったら目を覚まして暴れるヒーローをメンバーが表現しているので、ラストシーンではそういったコンセプトを僕が表現しています。いろんなところで撮影したよね。シャンデリアが豪華な部屋とか、暗いトンネルとか。

NAOYA　どの場面でも“悪い男感”というか……どこか危うい雰囲気を出せるように意識しました。「I'M SWAG」は僕ら自身の姿を印象付けるための映像だったから、表情や姿がしっかり映ったシーンが多かったけど、「Dark Knight」ではそこから一歩進化して。僕らなりの世界観があって、その中で男たちが自由に暴れだすというテーマもあるんじゃないかなって、僕は思います。

EIKU　ボーカル組は初めてスタンドマイクを持ちました。最初、持ち方がよくわからなくて（笑）。

TETTA　ロックっぽさを意識してカッコつけてました（笑）。

HAYATO　TETTAくんとEIKUが背中合わせで歌うシーン、カッコいいよね。

NAOYA　あとこのMVは初めて2日間かけてじっくりと作ったんです。ちなみに去年の年末、最後の仕事でした（笑）。

HAYATO　みんなが「今年もお疲れ」って続々と帰っていく中、ソロのダンスシーンがあるKENSHINだけ、都内の歩道橋に残されてね（笑）。

KENSHIN　そうそう、HAYATO以外みんな帰っちゃったんですよ（笑）。でも都内の歩道橋の上で踊れることなんてなかなかないから、めっちゃ楽しかったです。サラリーマンの方とかに見られて、気持ちよくなりました（笑）。