スターダストプロモーションとエイベックスによる合同プロジェクトとして誕生した10人組男女混合グループ・ONE LOVE ONE HEARTが、記念すべきデビュー曲「Now or Never」を配信リリースした。
ONE LOVE ONE HEARTはオーディションの応募者約2000人の中から選ばれた10人のメンバーからなり、これからの時代を創造していく若者の代弁者として、歌やダンスのみならず、演劇、映像などあらゆる分野で活躍できるアーティストを目指していく。グループ名には「人種、性別、年齢、価値観が違っても誰かを、何かを愛する心は共通している」という意味が込められている。デビューにあたり、音楽ナタリーではメンバーのうちイーチ、洸瑛、咲太朗、佐々木杏莉、藤咲碧羽へのインタビューを実施。オーディションから現在までを振り返ってもらいつつ、ONE LOVE ONE HEARTならではの楽曲やパフォーマンスの魅力を語ってもらった。また特集後半には残りのメンバーの相原一心、飯塚瑠乃、久昌歩夢、笹原遼雅、矢嶋由菜のコメントも掲載する。
取材・文 / 川倉由起子撮影 / つぼいひろこ
5人がオーディションを受けた理由
──ONE LOVE ONE HEARTはスターダストプロモーションとエイベックスの“次世代進化系プロジェクトオーディション”の合格者で結成されましたが、皆さんがオーディションを受けたきっかけを教えてもらえますか?
咲太朗 僕はEBiDAN(スターダストプロモーション所属の新人&若手俳優集団・恵比寿学園男子部)内のBATTLE BOYSという研究生ユニットに所属していたときに、マネージャーさんから「こういうオーディションがあるよ」と教えてもらいました。日々いろんなレッスンをさせてもらっているありがたい環境ではあったのですが、自分のできるところまでやってみようというメラメラした思いで挑戦することにしました。
洸瑛 僕も咲太朗と同じBATTLE BOYSの一員だったんですが、コロナ禍の影響で思うようにレッスンができないときもあり、活動に少し迷いが生まれていたんです。そんな、どうしたらいいかわからない状況の中で日頃お世話になっているスタッフさんから「洸瑛にすごく合うオーディションがあるんだけどやってみない?」と言われて。こんなチャンスはめったにないと思い、「やります!」と即答しました。僕はもともと歌が好きで、地元沖縄のショッピングセンターでたまたま歌っていたときにスカウトされて芸能界に入りました。
──女子チームはいかがですか?
藤咲碧羽 私はずっと歌やダンスが好きで。この世界に入ったきっかけはスカウトだったんですが、最初はまず事務所(スターダスト)に入るためのオーディションを受け、その結果が来る前にこのオーディションの開催を知らされたんです。歌もダンスも両方できるのはうれしいなと思って受けたら合格し、その後、事務所にも正式に所属することになりました。
イーチ 私は以前、DAN⇄JYOというスターダストの男女混合グループに所属していたんです。でも活動が終了して、スタッフさんから今回のオーディションを紹介されました。当時、高校2年生になる直前くらいで、進路にすごく迷っていたんです。でもやっぱり歌って踊ることが好きだし、それをあきらめることはできないなって。これが最後のチャンスだと思って人生を懸けて挑みました。
佐々木杏莉 私はもともとモデルとしてスカウトしていただきました。でも途中で歌を勧められて、ボーカルレッスンを受けたりして音楽と触れ合う時間が増えるうちに、憧れであるAAAさんへの思いが強いものになっていって。将来はアーティストになるという決心をして今までやってきました。数年前、ある男女混合ユニットのプロジェクトのオーディションに参加したんですが、最終的にメンバーに選ばれなかったのがすごく悔しくて。でも高校卒業までには絶対デビューをつかみとると覚悟を決めて、私もこれがラストチャンスだと自分のすべてを懸けて挑戦しました。
男女混合グループは“チャンス”
──オーディションの開始時点で「10人組の男女混合ユニットになる」ということは聞かされていたんですか?
咲太朗 いや、最終審査で明かされてビックリしました。でも、世の中の男女混合グループって自分の中では2つか3つくらいしか思いつかないし、これは逆にチャンスだなとやる気になりました。
洸瑛 男女混合になるかもしれないという雰囲気はなんとなく感じていたので、僕はそこまで驚かなかったです。咲太朗が今言ったように世間で活躍してる男女混合グループって僕も片手で数えられるくらいしか思い浮かばなくて。不安もあったけど注目してもらえるきっかけになるなと思いました。
イーチ 私は慣れ親しんだ以前の男女グループとガラッとメンバーやグループの雰囲気が変わって、また最初からスタートするということで不安が大きかったです。「どうなるんだろう? 本当にこの人たちと一緒に上を目指していけるのかな?」って。今ではすごく仲がよくて、そんな心配は無用だったなと思いますが。
──オーディションではどんな審査があったんですか?
咲太朗 ほぼ毎月、お披露目会というものがありました。課題曲をいただいて、それを2チームに分かれて表現して。個人に与えられた課題もありましたね。本当に、そのお披露目会があったからすごく成長できたなと思います。
洸瑛 毎回1カ月くらい準備をして、終わったらまた次に……という感じで。当時はまだみんな正式メンバーじゃなく、あくまでも暫定で、常に気が抜けない緊張感はありました。
佐々木 自分はここで落ちるかも……と各々が不安を抱えながらみんなで協力してひとつの作品を作って。自分のことで精一杯だけど、次第に支え合うようになってグループを思っての言動も増えてきて、最終的には「絶対この10人で正式メンバーになろう!」という絆が生まれました。
咲太朗 精神的にキツくて眠れなかったり、みんなと険悪になったり、何をしてもうまくいかない日もありました。今それをふと思い出したんだけど、けっこう追い込まれてたかもしれない(笑)。でもあの時期がなかったら今はないし、つらいことも経験できてよかったと思う。
藤咲 歌が得意な人、ダンスが得意な人……と、10人それぞれに武器があって。苦手なところをお互い教え合ったりする時間が、チームワークを高めてくれたのかなと思います。
こんな熱い人たちと一緒に活動できるんだ
──全員が晴れて合格したときは、感動で号泣したそうですね。
咲太朗 みんなで泣きました。男子メンバーの中に、最年少だけどクールで大人っぽい久昌歩夢という子がいるんですけど、彼が一番号泣してましたね。
洸瑛 それで自分もウルッと来ちゃった?
咲太朗 もらい泣きもあったかも。
洸瑛 みんながそれぞれ不安を抱えていて、名前が呼ばれた瞬間、自然と涙が流れるメンバーもいました。ここに来るまでいろんな気持ちがあったんだなって、言葉にせずともそれがよくわかる時間でしたね。同時に僕は「こんな熱い人たちと一緒に活動できるんだ!」という喜びやグループの将来性の高さも感じました。
佐々木 私も泣きました。絆が日に日に深まっていたし、その場でみんなの言葉を聞いて「私がこれからがんばっていきたい場所はここだ」と改めて感じられたので。本当に忘れられない1日です。
イーチ 本当にうれしくて、名前を呼ばれたときは全身の力が抜けました。スキルの高いみんなについていけるのかという不安もいっぱいあったんですけど、とにかくホッとしました。
藤咲 正直に言うと、私は受かる自信がなかったんです。だから受かったときは信じられなかったし、そこで初めて「自分はこのグループの一員なんだ」と実感したというか。今まで歌やダンスはどこか感覚的にやっているところがあったんですけど、合格して初めて「このグループのメンバーとしてやっていくんだ」という覚悟や実感が湧きました。
──男女5人ずつの構成ですが、普段の関係や距離感はどんな感じですか?
洸瑛 やっぱり、リーダー(佐々木)がまとめてくれていると思います。10人で何かするときはリーダーが率先して動いてくれるので。
咲太朗 メンバーが正式決定してから1年くらいレッスンの様子を見たうえで、スタッフさんがリーダーとサブリーダー(咲太朗)を任命しました。でもその前から、佐々木リーダーはずっとリーダーだったと思う。
洸瑛 違和感なくスッと受け入れられた。リーダーの肩書きがついただけで、今までとやってることは変わらないし。
──佐々木さんのリーダーらしさはどんなところにありますか?
洸瑛 言葉に説得力があるよね。いつもひたむきに、誰より努力してるからこそ。何か言われても「佐々木さんだから受け入れられるな」みたいなところはあると思います。
藤咲 はい(大きく頷く)。
佐々木 恥ずかしい(笑)。でも場を盛り上げたり、みんなの気持ちが下がり気味のときにモチベーションを上げてくれるのはサブリーダーです。
洸瑛 バランスの取れたリーダーとサブリーダーってことですね(笑)。
咲太朗 10人の関係性は……なんだろうね。チームメイトや仕事仲間って言うほどかしこまった感じでもないし、友達と言ってもしっくりくる。上下関係もなくて、僕は今大学2年生の歳だけど、中3の最年少(久昌)とすごく気が合う(笑)。電話して一番ゲームするのは久昌。
洸瑛 いつも一緒にやってるもんね。
──女子チームはどうですか?
藤咲 私が一番下なんですけど、こちらのテンションに合わせて4人のお姉さんたちがいつもしゃべってくれます。すごく優しいです。
イーチ 和気あいあいとしてるよね。
佐々木 歳は離れててもノリが合うというか。自主練とかは一緒にきっちりやるけど、休憩になったらみんなで「わー!」っていうテンションになります(笑)。
次のページ »
ダンス動画はフィーバータイムに注目