RIKU(THE RAMPAGE from EXILE TRIBE)が語る「2分の1の魔法」|「みんなにとってのバーリーでありたい」誰かのために一歩踏み出す勇気

ディズニー&ピクサーの最新作「2分の1の魔法」が全国の劇場で8月21日に公開される。本作では“魔法が消えかけた世界”に暮らす内気な少年・イアンと陽気な兄・バーリーが、亡くなった父にひと目会うために魔法の杖を使って冒険をし、兄弟の絆を深めていく様子が描かれる。

ナタリーでは本作の公開を記念し、3つの特集を展開する。音楽ナタリーでは「トイ・ストーリー」をはじめ、ディズニー&ピクサー作品の大ファンであるRIKU(THE RAMPAGE from EXILE TRIBE)に「2分の1の魔法」をひと足先に鑑賞してもらい、作品の魅力はもちろん、幼少期の「トイ・ストーリー」との思い出やイアンと同じ16歳の頃の話、THE RAMPAGEメンバーとの絆について語ってもらった。

取材・文 / 清本千尋 撮影 / 上山陽介

ウッディとバズが生きてるよ!

──RIKUさんは子供の頃からずっとディズニー&ピクサー作品が大好きだそうで。中でも好きな作品やシリーズはありますか?

RIKU(THE RAMPAGE from EXILE TRIBE)

「トイ・ストーリー」シリーズですね。子供の頃にテレビで放送されていた「トイ・ストーリー」を親が録画してくれて、そのVHSを擦り切れるほど観ました。「トイ・ストーリー2」もDVDを買ってもらって何度も観ましたし、それ以降に公開されたディズニー&ピクサー作品に関しては自分で劇場に足を運んで観ています。

──筋金入りのディズニー&ピクサー好きなんですね。

はい。大好きです。あの……「トイ・ストーリー」にちなんだ子供の頃の思い出を少し話してもいいですか?

──お願いします。

子供の頃、両親にウッディとバズの人形をプレゼントしてもらったんです。もちろん2人の右足の裏には父に「RIKU」と油性ペンで書いてもらって。毎日2人と一緒に寝ていたんですけど、たまにウッディとバズのいる位置が変わっているんですよ。それで父に「ねえ、見て! ウッディとバズが生きてるよ!」と報告したことを覚えています。僕が寝ている間に父が動かしていたみたいなんですけど、そのおかげでおもちゃは生きているんだとずっと信じていましたね。僕は中学2年生の頃までサンタさんも信じていたし、両親はいつも夢を与えてくれていたと思います。

──RIKUさんが思うピクサー作品の魅力を教えてください。

RIKU(THE RAMPAGE from EXILE TRIBE)

見る世代によって、違うメッセージを受け取れるところですかね。僕が子供の頃に「トイ・ストーリー」を観て「おもちゃは生きているんだ」と思ったように、きっと今の子供たちが「2分の1の魔法」を観たら「強く信じれば会いたい人に会えるんだ」「昔は魔法があったんだ」ときっと思うはず。でも今年26歳の僕は「2分の1の魔法」から、自分ではないほかの大切な誰かを思って行動することの大切さみたいなものを感じました。一見イアンが活躍するシーンが多い作品ですが、イアンが自分から動き出すためのきっかけをバーリーが作ってあげていて。「2分の1の魔法」は兄弟2人と両親との物語ですけど、THE RAMPAGEの絆や兄弟感に通ずるものがあると思いました。

──メンバーを心から尊敬し大切に思う気持ちが強いRIKUさんだからこそ、そういうメッセージを受け取ったのかもしれませんね。

はい。メッセージがドン刺さりでした。僕ももっともっとメンバーのためにがんばりたいと強く思いましたね。

「2分の1の魔法」

──またアーティストとして夢を与える立場であることも「自分ではないほかの大切な誰かを思って行動することの大切さ」を感じた理由なのかなと思いました。

そうかもしれないです。自分もEXILEさんをはじめ先輩たちのパフォーマンスを観たり、楽曲を聴いてアーティストになりたいと思ったので、自分が同じ立場になったからには、もう自分のためだけに活動しているわけではないというか。例えばTHE RAMPAGEのライブを観て「RIKUみたいになりたい」と言ってくれるお子さんがいるかもしれないじゃないですか。常に恩返しだと思って毎日を過ごしています。

一歩踏み出した16歳の頃

──共感したキャラクターはいましたか?

今日はイアンをイメージしてチェックシャツにデニムを合わせてきましたけど、共感という点ではバーリーですね。グループ内での動きがバーリーと重なるところがあって。今日は相方の1人である吉野北人の誕生日なんですけど(取材は3月6日に実施)、日付が変わってすぐに連絡をしたら「いつも応援してくれて本当にありがとうございます」って返信があったんです。もちろんメンバー全員のことを全力でサポートして応援しているつもりでしたけど、面と向かって「応援しているよ」と言ったことはないんですよね。それでも北人がそう感じてくれていたということは、普段からサポートできていたんだと実感できて。だからちょっとバーリーのような役割をできているのかなって。

──「2分の1の魔法」は兄弟の話がメインではありますが、家族の物語でもありますよね。

はい。うちの両親は健在なので、この映画を観てもっと恩返しをしていかないといけないなと思いました。過去にはぶつかったこともたくさんありましたけど、2人は「RIKUならできる」と信じて応援してきてくれたので、いつ何が起こるかわからない世の中ですから、後回しにせずどんどん親孝行したいと思いました。今すぐ両親に会いたい。父にはこの前会ったばっかりなんですけど(笑)。

RIKU(THE RAMPAGE from EXILE TRIBE)

──お母様も北人さんと同じく今日がお誕生日なんですよね。

そうなんです。さっきちょうど連絡したところです(笑)。うちの母もイアンとバーリーのお母さんと同じように強い母でした。小さい頃はいたずらをするとお尻を叩かれて“もみじ”でしたよ。それが痛くて痛くて……(笑)。

──(笑)。でもそんなお母様と一緒に行ったEXILEのライブで、ATSUSHIさんの歌に感動して涙を流すお客さんを観てRIKUさんはボーカリストという夢を見つけたんですよね。

はい。僕はずっとサッカーをやっていて、高校進学と同時に歌の道へ進むためにサッカー部を辞めようと思っていたんです。でも「学生時代は部活をしっかりやりなさい、歌の道へ進むのはそれからでも遅くないだろう」と両親から言われて説得しきれなかったんです。それで高1の頃はサッカーをやりながら自分で発声の仕方とかを勉強していて。そんな中EXPG STUDIO(LDHアーティストを多数輩出するダンススクール)のサイトで、1カ月後に特待生オーディションがあるという情報を見つけて、これに合格したらきっと親も可能性を信じてくれるんじゃないかと勝手にエントリーしたんですよ。それで当日スタジオまで付いてきてもらって、2人が見守る中で歌ったんです。

「2分の1の魔法」

──RIKUさんがEXPG STUDIOの特待生オーディションを受けたのは、イアンと同じ16歳の頃だそうで。

そうなんです。そして合格したあともまたぶつかったんですよね。大学附属の一貫校だったので両親は大学に行かせたかった。でも僕はせっかくつかんだチャンスを逃すことなんて考えられなかったし、せめて高校だけは卒業しようと思っていて。両親は僕の熱意でなんとか折れたという感じでした。本当にその時期は関係が大変だったし、2人には相当心労をかけたと思います。大きな反抗期はなかったですけど、その頃が人生最大の反抗期でした。ちょっとずつですけどTHE RAMPAGEの活動を通して親孝行できたらいいなと思っています。