ナタリー PowerPush - ONE☆DRAFT

俺たちは走り続ける!情熱のドキュメントムービー独占公開

ONE☆DRAFT インタビュー

この2年半で自分たちが引っ張る役になれた

──前作「蜂の巣」の発売から2年半ぶりですが、その間は何をやっていたんですか?

DJ MAKKI(DJ) ひたすらライブやってましたね。ずっとツアーや学園祭で全国を回ってて。

LANCE(MC, Vo)

LANCE(MC, Vo) この時間は今の俺らにとって確実に必要だったと思ってます。なんせ、結成してすぐにメジャー契約が決まったからデビュー前に3人でステージに立つこともほとんどなくて、下積みがゼロだったから自信を持ってライブができてなかったんで。考えると今までは自分らよりも、携わってくれてたスタッフがONE☆DRAFTを一生懸命引っ張ってくれてたんです。これもしなきゃダメ、あれもしなきゃダメっていう情報はバンバン入ってくるけど、それに対応できてなかった。でもライブを続けながら「お客さんが何を求めてるんだろうか」を一生懸命考えてるうちに、引っ張ってくれてた人たちを追い越して自分たちが引っ張る役になってて、今はライブの先頭に僕ら3人がいるっていうのがわかるんですよ。

──それは大きな変化ですね。

LANCE 「歌詞が書けない」とか「メロディが浮かばない」とか、曲を制作するときはたくさんの時間が必要になるんですけど、この2年半はその時間をすべてライブのために使ったって感じです。それはいいライブをするためだけじゃなくて、制作を強化するためにも絶対必要な時間だったはず。誰かに引っ張られるんじゃなくて、常に先頭を走ってるっていう気持ちを、俺ら3人が意識できるようにするために。

──2年半かけたことでそれが達成できたんですか?

LANCE 達成と言えるかはわかんないですけど、1つ言えるのは、もうこれ以上時間をかけても変わらないところまで来たなってこと。もしリリースをあと半年待って、ライブ活動を続けて3年ぶりの新作にしたとしても、今の位置と同じくらい先頭を走ってる気がするので、今ならやっと胸を張れるなって思ってます。

最初はすごく違和感があった

──今回は作詞や作曲においても外部のクリエイターとコラボレートしてるんですよね。これはONE☆DRAFTにとって新しい試みだったのでは?

LANCE 同じ音楽好きとして、その人の価値観も見てみようかなと思ったんです。俺らが仕上げたこの曲を、俺らじゃない音楽に携わるプロの人はどうするんだろうなって。それをやるなら今のタイミングだなって。レーベルを移籍して心機一転するんだし、ちょっと挑戦してみようかってことになったんです。

──確かに興味ありますよね。

RYO(Vo)

RYO(Vo) ただ、歌詞を覚えるのは大変だったよね(笑)。

DJ MAKKI これの原曲はもともと2年半以上前にできてて、古いバージョンはライブでもかなりやってたんです。

RYO だから歌ってるうちに体で覚えちゃってて、つい間違えちゃうんですよ。

LANCE うん、上がってきた曲をRYOと俺で歌ってみて、やっぱり最初はすっげえ違和感ありました。ところどころ「普段の俺らはこういう言いかたはせんかなあ?」みたいなのもあって。それを自分らでチェック入れて改善してもらったんです。そうやってやり取りをしてるうちに、ONE☆DRAFTの音楽を広めようとしてる人たちが集まってるんだなっていうのをすごく感じて。今まで自分たちの部屋でやってた作業が広い会議室になったみたいで、「なんか俺すごいことやってるな」って気分になりましたよ。

最初はヴィジュアル系が歌ってそうな曲だった

──サウンド面でのこだわりは?

LANCE ストリングスは俺らの中でいつもキーになってるよね。

DJ MAKKI(DJ)

DJ MAKKI 特にシングルではそうだよね。だからストリングスはこだわって生で録音してますし、さらに今回は初めて生ピアノを入れたんですよ。やっぱり生音と打ち込みのハイブリッドがONE☆DRAFTらしさなんじゃないかなって。生楽器のレコーディングは見ててシビレましたね。

RYO 楽器をレコーディングしてるところを見てても、すごくいいんですよねえ。

DJ MAKKI あと今回、珍しく楽器をレコーディングしてからボーカルをレコーディングしたんです。だから楽器の音からインスパイアを受けつつ歌うことができたんじゃないかなって。

RYO 生ストリングスを聴きながら歌うのは気分が高まりました。

──そしてカップリングの「絆」は一変して四つ打ちのダンスチューンですね。

RYO 初めにゲームのタイアップが決まってて、ゲームの内容も「みんなで助けあっていこう」みたいな冒険モノだったんで、僕らのスタイルにあってたのかなと思います。そこまでゲームの世界観を意識して作ったわけじゃないけど。

LANCE 最初は意識しすぎて怒られたんだよね(笑)。すっげえファンタジーみたいになっちゃって。

RYO ヴィジュアル系が歌ってそう、みたいな(笑)。

LANCE でも「これだとONE☆DRAFTじゃなくてもよくねえ?」って話になって、ちょっと変えようってことになったんです(笑)。

ONE☆DRAFTがいないと困る人がどれだけいるか

──最後に今後の意気込みを教えてください。

RYO レコード会社が変わって1曲目ってことで、僕らもまだ探り探りな部分もあるんですけど、新しいスタッフも含めて一体感を出して進めていけたらいいですよね。僕らONE☆DRAFTだけではなく、もっと大きな輪を作って先に向かって行きたいです。僕らには「目指せ甲子園!」っていう目標があるので。

DJ MAKKI そこだけは揺るぎない目標です。あとは春のツアーをしっかり成功させて、秋にある「蜂の巣」っていう特別公演の成功にしっかりつなげていくのが今年やるべきことかなと思います。

LANCE 「甲子園ワンマンライブ」っていう目標がきっと通過点になる日がくるんだろうなっていうのを、ちゃんと思って、口で発していくくらいの1年にしないともう来年はないんだろうと思いながらやってますかね。なんかね、俺たちがいないと困る人、ONE☆DRAFTの代わりになる音楽がこの世にないって人がどれだけいるかを最近よく考えるんです。そういう音楽を作って世に残していかないと、俺たちがいる意味がない。どこかで聴いたことがあるような流行の音楽を、時代に沿って生んでいくやりかたは先が見えないというか。だからすごく先の未来を見据えて、覚悟して、今日を生きています。俺の中では今年どういう1年にするのかじゃなくて、20年後どうやっていこうってことを常に意識してます。

左から、RYO(Vo)、DJ MAKKI(DJ)、LANCE(MC, Vo)
ニューシングル「あいたくて、あえなくて、あいしてる」/ 2013年4月3日発売 / 1260円 / 徳間ジャパンコミュニケーションズ / TKCA-73891

iTunes Storeでも4月3日より配信

収録曲
  1. あいたくて、あえなくて、あいしてる
  2. 絆(ポケラボ スマホゲーム「SWORD OF PHANTASIA」テーマソング)
  3. あいたくて、あえなくて、あいしてる(instrumental)
  4. 絆(instrumental)
ONE☆DRAFT(わんどらふと)

LANCE(MC, Vo)、RYO(Vo)、DJ MAKKI(DJ)から成る3人組ユニット。全員1981年生まれの同級生で、帝京高校在学中は野球部に在籍。卒業後、DJ MAKKIはクラブDJ、LANCEはアメリカへ留学、RYOはソウルバーで働きながら生バンドでのライブを重ねる。LANCEの帰国後に3人が再会し、 ONE☆DRAFTを結成。2007年3月にシングル「フルサト」でメジャーデビューを果たし、2008年3月には1stフルアルバム「ONE FOR ALL」を発表。2009年6月発売の2ndアルバム「DREAMAKER」はスマッシュヒットを記録した。その後「ワンダフルデイズ」「TRAIN」「夜空」「5年後…」といったシングルのリリースを重ね、全国各地のイベントにも出演。着実に知名度を高める。2010年11月に3rdフルアルバム「蜂の巣」をリリース。2013年に徳間ジャパンコミュニケーションズに移籍し、約2年半ぶりの新曲となるシングル「あいたくて、あえなくて、あいしてる」を発表した。